ももいろクローバーZのライブBlu-ray / DVD「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017 -FIVE THE COLOR Road to 2020- 味の素スタジアム大会」がリリースされた。
今作は2017年8月に東京・味の素スタジアムで2日間にわたって行われたライブイベントの模様を収めた映像作品。ももクロのライブはもちろん、“アイドルとスポーツの融合”というイベントのテーマに合わせて、ライブ中に行われたハーフマラソンや空手など、さまざまなアスリートたちが登場する白熱した競技も見どころとなっている。
音楽ナタリーでは本作の発売を記念して、百田夏菜子、高城れに、そして同イベントの男子陸上1500m走に出場した森脇健児へのインタビューを実施。京都から駆けつけてくれた森脇にはアスリート目線で「夏のバカ騒ぎ」の魅力を振り返ってもらったほか、芸能界の先輩として2018年で結成10周年を迎えるももクロについて思うことを自由に語ってもらった。ハイテンションな森脇を前に、百田と高城はどんなトークを繰り広げるのか。
取材・文 / 田中和宏 撮影 / 草場雄介
森脇健児が「夏のバカ騒ぎ」で観た光景
──森脇さんは中学時代から陸上競技をやっているそうですが、「夏のバカ騒ぎ」では2日目の男子陸上1500m走に出場しました。音楽ナタリーでは胴上げされている森脇さんの写真が注目を集めました(参照:ももクロ、スポーツと融合した4年ぶり「夏のバカ騒ぎ」で味スタに10万人動員)。
森脇健児 僕は陸上競技が好きすぎるんですよね。実はももクロさんのコンサートの前日に「京都マスターズ(陸上競技選手権大会)」でも1500m走ってるくらいで。
百田夏菜子・高城れに えー!
森脇 僕は今50歳なんですけど、「京都マスターズ」の50歳から55歳の部に出たんです。その次の日が「夏のバカ騒ぎ」だったから2連チャンでけっこうきつかったんですけど、ああいうところで走れる機会はなかなかないので、本当ももクロさんには感謝ですよ。ああいうコンサートの中で陸上競技というマイナーなスポーツを取り上げてくださったのは、ランナーとして続けていてよかったと思います。
高城 こちらこそ出ていただけてありがたかったです。私たちができないようなことを私たちのライブでやってくださって、その姿に感動しました。
森脇 思い出深いです。ステージの後ろを走らせてもらいましたからね。
──「Chai Maxx」のパフォーマンス中に森脇さんをはじめ、ランナーがももクロとダウンタウンももクロバンドの間を走り抜けていくシーンがありました。
百田 私たちは選手の皆さんが走っていくのを背中で感じながら歌を歌わせていただいて。これまで誰かを応援するような楽曲を私たちはたくさん歌わせていただいているんですが、そういう歌により気持ちが込められました。
森脇 ほおー、そうなの?
百田 がんばっている人に伝えたいと思って今まで歌ってきた楽曲を選手たちに間近で届けられて。今までやってきたことが目に見えて形になったのですごく感動したし、気持ちの乗り方が今までと違って新鮮でした。
──「夏のバカ騒ぎ」にはアイドルとスポーツの融合だけではなく、“とことんバカになれ”というテーマもあって、お客さんは水を大量に浴びながら大いにイベントを楽しんでいました。森脇さんは何か印象に残っていることはありますか?
森脇 僕はあの日、早めに会場入りして周りをウロウロしてたんですよ。そしたらお父さんと中学生くらいの息子さんで来ているお客さんがけっこういて、素敵やなって思ったんです。中学生とかそのくらいの男の子って難しい年頃じゃないですか。
百田 家族連れで来てくださる方も多いんですよ。
森脇 親子ファンの多さに感動したんですよね。会場の周りを歩いてたら、「あっちにもこっちにもおる!」って。実は僕の息子がももクロさんのファンで、大学4年の息子も連れてったんですよ。「絶対行かせてくれ!」って言うから(笑)。息子と僕とマネージャーの3人で場外を2周くらいしたんかな。息子といたから特に目に付いたのかもしれませんけど、お父さんと息子さんが野球のユニフォームみたいなももクロさんのグッズを着て歩いていてね。会場に集まるお客さんたちを見て、僕はとてもいいところに居させてもらっていると思いました。普通ならちょっと照れくさかったりするんじゃないかなって思うですけど、どうなんですかね?
百田 照れくさいんじゃないかなとは思いますね。アイドルのライブに自分のお父さんと一緒に行くって。
高城 なんか悪いことじゃないのに気まずいと言うかね。
百田 お父さんが息子の前でアイドルの名前を叫ぶのだって、互いに照れくさいはずですよ(笑)。
森脇 親子そろって「れにちゃーん!」「かなこぉー!」とかね(笑)。でもライブが始まって、客席を眺めたら全然そんなことなくて、お客さんがみんな、楽しそうに声援を送っていてね。「一緒にバカになろう」って言うのは、すごくいいテーマやと思いますよ、夏らしいし。しかもあの日はやたらめったら暑かったんですよね。
百田 暑かったー! 2日目は特に。
高城 もう汗が止まらなかったですよ。カンカン照りではなくて……モンモンした感じ?
百田 湿度もあって体感温度が高くて……けっこう大変でしたね。
森脇 そんな中、最初にドーンと「バカになれ!」ってももクロさんの宣言があってからの盛り上がりっていうのは、来た人にとってあの夏一番の思い出になったんじゃないかなと思います。
生で体感することでスポーツの奥深さを感じた
──「夏のバカ騒ぎ」に出場していたアスリートたちは、そうそうたるラインナップでしたよね?
森脇 設楽兄弟がいてまず驚きましたね。東洋大学で「箱根駅伝」を走った双子のすごい選手なんですけど、ハーフマラソンを走ってましたよ。僕が1500m走で一緒に走ったメンバーも四十代の「マスターズ」日本記録保持者やったから。
百田 そうですよね。ありがたいことに。
森脇 一緒に走った選手たちみんな「マジか」ってなってましたもん。ホンマもんのアスリートばっかりやったよ。
百田 私たちとしても、アイドルのライブに名だたる選手たちが出てくれたことに感謝してます。だからこそ私たちもたくさんの人に自分たちのライブと生のスポーツの両方を体感してもらえてよかったです。私もスポーツが大好きなので。スポーツが好きだとしても、なかなか競技場まで足を運んで観戦する機会がない方が多いと思うんですよね。
森脇 ハーフマラソンを含めて、選手全員、呼ばれたから走るってだけじゃなくて練習を積んでウオーミングアップをしっかりして、ちゃんとしたレースとして臨んでいたから。
百田 普段とは違う環境のはずなのに、けっこうな好記録が出たんですよね。
森脇 俺も5分2秒台だったから、まあまあ悪くないのよね。前日の「京都マスターズ」が4分49秒台やったし、「バカ騒ぎ」は起伏のあるコースだったから。あと、空手の選手(沖縄劉衛流空手・古武道龍鳳会)の演舞もすごかったなあ。彼ら、ウオーミングアップの時点で汗だくになってはったで。あの選手たちはそれこそオリンピック出られるような人で。
──「世界空手道選手権大会」の男子団体形で優勝経験を持つ喜友名諒選手、金城新選手、上村拓也選手が気迫あふれる演舞を披露していました。空手は「東京オリンピック2020」で追加される注目の競技ですね。
高城 すごい方々なんですよね。
──実際に間近でスポーツを観て、感じたことはありますか?
高城 私は運動音痴でスポーツを生で観る機会もあまりなかったんですが、自分たちのライブの中でアスリートの皆さんの活躍を生で観ることができて、スポーツに関心が湧いたと言うか、奥深さを感じました。自分がスポーツ苦手だからと言って向き合わないんじゃなくて、純粋に観て楽しむヒントが見つかった気がします。
──メンバー自身が「夏のバカ騒ぎ」のテーマを存分に感じたんですね。
森脇 アスリート側もみんなももクロさんに感激しとったよ。メンバーの皆さんが本番前にアスリートの控え室に行って、挨拶して回ってらっしゃってましたよね。やっぱりアスリートは芸能人とは違うし、言うたら素人さんやから素直にうれしかったでしょうし。僕の楽屋に息子もおってんけど、「ももクロに会いたいけど、挨拶とか行かへんの?」って小声で言うてきたんです(笑)。「さすがに無理や。じっとしといたらええねん」って言っとったんですけど、ももクロさんが楽屋まで挨拶に来てくれて。もう感動してましたよ。アスリートのみんなも、ももクロさんが声をかけてくれたからエンジンがかかったんじゃないですかね。スターになっても謙虚にやってらっしゃるのは、ももクロさんらしさで大切にしていることなんやろうなと思いました。
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ももクロさんはもはやアスリートですよ
- ももいろクローバーZ「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017 -FIVE THE COLOR Road to 2020- 味の素スタジアム大会」
- 2018年1月17日発売 / EVIL LINE RECORDS
-
[Blu-ray Disc 4枚組]
12744円 / KIXM-308~11 -
[DVD 6枚組]
10584円 / KIBM-698~703
- 8月5日公演
-
SE. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
- Survival of the Fittest -interlude- ~ BLAST!
- サラバ、愛しき悲しみたちよ
- 上球物語 -Carpe diem-
- DECORATION
- 境界のペンデュラム
- 労働讃歌
- 何時だって挑戦者
- PUSH
- ココ☆ナツ LIVE ver.
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
- 全力少女
- JUMP!!!!! LIVE ver. with 関東学院中学校高等学校マーチングバンド
- オレンジノート
- ゴリラパンチ
- もっ黒ニナル果て
- 桃源郷
- BIONIC CHERRY
- 行くぜっ!怪盗少女
- 走れ!
- 桃色空
- Hanabi
- ワニとシャンプー
- 希望の向こうへ
アンコール
- コノウタ
- バンド紹介(Link Link)
- HAPPY Re:BIRTHDAY
- 8月6日公演
-
SE. overture ~ももいろクローバーZ参上!!~
- 境界のペンデュラム
- 天手力男
- ゴリラパンチ
- CONTRADICTION
- Survival of the Fittest -interlude- ~ BLAST!
- ザ・ゴールデン・ヒストリー
- ココ☆ナツ LIVE ver.
- 黒い週末
- 何時だって挑戦者
- PUSH
- Chai Maxx
- JUMP!!!!! LIVE ver. with 関東学院中学校高等学校マーチングバンド
- D'の純情
- ワニとシャンプー
- もっ黒ニナル果て
- 猛烈宇宙交響曲・第七楽章「無限の愛」
- キミノアト
- 行くぜっ!怪盗少女
- 走れ!
- 桃色空
- 青春賦
- MOON PRIDE
- 白金の夜明け
アンコール
- ツヨクツヨク
- バンド紹介(Link Link)
- あの空へ向かって
- ももいろクローバーZ(モモイロクローバーゼット)
- 百田夏菜子、佐々木彩夏、玉井詩織、有安杏果、高城れにの5人からなるアイドルグループ。2008年にももいろクローバー名義で結成し、2010年5月にシングル「行くぜっ!怪盗少女」でメジャーデビューを果たした。2011年4月に早見あかりがグループを脱退したあと、グループ名をももいろクローバーZへと改名。2012年にグループ結成当初から目標としていた「NHK紅白歌合戦」に初出場し、2014年3月には女性グループとして初となる東京・国立競技場での単独ライブを成功させた。2015年に青春群像小説「幕が上がる」の映画版および舞台版で主演を担当。2016年2月に3rdアルバム「AMARANTHUS」、4thアルバム「白金の夜明け」を同時リリースし、同月より初のドームツアーを開催した。2017年4月に自身初の47都道府県ツアー「青春」をスタートさせた。8月にはシングル「BLAST!」をリリースし、“ももクロとスポーツの融合”をテーマにしたライブイベント「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017 -FIVE THE COLOR Road to 2020- 味の素スタジアム大会」を東京・味の素スタジアムで行った。11月に「MTV Unplugged」に女性アイドルとして初出演。12月には恒例となっているライブイベント「ももいろクリスマス」「ゆく桃くる桃」を開催し、2018年1月に「ももクロ夏のバカ騒ぎ2017」ライブ映像作品をリリースした。
- 森脇健児(モリワキケンジ)
- 1967年生まれ。大阪府出身京都在住。18歳のときに芸能界での活動をスタートさせた。中学時代から陸上競技を続けており、現在も走ることが自身のライフワークとなっている。月間250km超の距離を走るトレーニングを積み、各地のマラソン大会などに出場。毎年、春と秋に放送されるTBS系「オールスター感謝祭」のミニマラソンにおいて力走を見せている。大のラジオ好きで、自身もKBS京都「森脇健児のサタデーミーティング」などの冠番組を複数持っている。