音楽ナタリー Power Push - モーモールルギャバン
最新作でアピールする「活動休止のすすめ」
メンバー間の距離を見直すことは大事
──そういう気付きがあったのも休止期間があったからこそなんですかね?
ゲイリー ホントにそうです。だから、僕らはほかのバンドにも活動休止をお勧めしたいですね。けっこう言いまくってます。「休止っていいよ!」って。この前、あるバンドに休止を勧めたら「いや、僕たちは休止しちゃうとホントに解散しちゃうんで」って笑えない答えが返ってきましたけど(笑)。
ユコ でも、活動を続けるためにもバンドがつぶれちゃう前にメンバー間の距離を見直すことってすごく大事だなって思います。休止してホントによかった。
ゲイリー 最近は心の病気になっちゃうバンドマンが多いですよね。特に女の子のバンドマンは。
ユコ 呼んだ?(笑)
ゲイリー 君も危なかったよね。
ユコ 私は基本的にずっと危ないので大丈夫(笑)。
──そうなんだ。
ユコ そうなんですよ。でも、前よりはだいぶいい感じです。それも休止効果で。
ゲイリー みんなまじめすぎるんですよ。まじめすぎて病気になるか失踪しちゃう。気持ちがすごくわかるから、そうなる前に休止をお勧めします。
自分の持ち味を生かしながら意見を消化するのがうまくなった
──話が前後しますけど、サウンドにおいてはユコさんのオルガンの表現性もさらに広がりましたね。
ユコ オルガンの種類が変わったというのもあるんですけど、音のバリエーションを増やしたいなと思って。そのタイミングをずっと図っていたんですけど、休止期間があったからちょうど見直すこともできて。私の場合は何がフラストレーションかって、音を作る際に自己達成できないことなんです。このアルバムでは今までと比べものにならないくらい自己達成ができたという手応えがあるんですよね。
──歪みの音作りだけではなく、例えば「紅のベッド」のオルガンとエレピの重奏の美しさも印象的でした。
ユコ 私は歪み系のイメージが強いと思うし、私自身も好きなんですけど、一応クラシックピアノ出身なので(笑)、ちゃんとクリーンな音も好きなんですよ。そういう部分を今まで出してこなかったなと思っていたところに「紅のベッド」のデモを聴いたので「これはチャンスだ!」ってなって。演奏も含めて、今回はお互いがあまり干渉しなかったから、伸び伸びやれたよね。
ゲイリー そうだね。
──マルガリータさんはどうですか?
マルガリータ ベースに関しては、基本的にはいつも通りで、ユコさんなりゲイリーに「こんな感じで」って言ってもらって、「じゃあこんな感じ?」って弾いてみて詰めていきました。
ユコ でも、いつもより放置してたよね。私が「今回は自分のことを集中してやりたいから」って言って。今まではリズム隊が固まってから自分のことをやっていたんですけど、そうやると毎回失敗していたから(笑)、今回は「テキトーに好きにやって」って放置してました。
マルガリータ 確かにそういう意味では伸び伸びやれたかもしれない。
ユコ あとは共通言語が増えた。わざわざ「こうして」って言わなくても、やってくれることが多くなったよね。
ゲイリー 僕はユコ=カティの言語を理解するまでに10年かかりました。この人、スタジオに入ったらただの言語障害なので。「なんか王様みたいな感じが足りない!」とか、そういう表現をするので。
ユコ (笑)。
ゲイリー そういうのも最近になって理解できるようになりましたね。
ユコ 演奏でも相手の望み通りやろうとすると、どうしたって自分の持ち味が死ぬんですよね。その葛藤が今までけっこうあったんですけど、休止明けでバンドに持ってきたときに3人が3人自分の持ち味を生かしながら意見を消化するのがうまくなっていたんですよね。
次のページ » これがドラマーの宿命か!
収録曲
- さらば人類
- クレイジーベイビー
- ナイトメアダンス
- 紅のベッド
- 000
- あなたに
- ザ・ラストトレインスター
- ハイパーライター
- N
- バイララ
モーモールルギャバン Tour 2015
“Would you be my friend?”
~Champs-Elyseés de ツーマン~
- 2015年9月11日(金)奈良県 奈良NEVER LAND
- 2015年9月13日(日)京都府 磔磔
- 2015年9月18日(金)群馬県 高崎Club FLEEZ
- 2015年9月19日(土)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-3
- 2015年9月21日(月・祝)茨城県 mito LIGHT HOUSE
- 2015年9月23日(水・祝)北海道 札幌PENNY LANE24
- 2015年9月25日(金)宮城県 仙台MACANA
- 2015年9月27日(日)岩手県 the five morioka
- 2015年10月2日(金)愛知県 名古屋CLUB QUATTRO
- 2015年10月4日(日)静岡県 Sunash
- 2015年10月9日(金)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
- 2015年10月11日(日)福岡県 DRUM Be-1
- 2015年10月12日(月・祝)香川県 DIME
- 2015年10月17日(土)熊本県 B.9 V2
- 2015年10月18日(日)鹿児島県 SR HALL
- 2015年10月22日(木)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
- 2015年10月24日(土)愛媛県 松山サロンキティ
- 2015年10月25日(日)岡山県 CRAZYMAMA KINGDOM
- 2015年11月2日(月)広島県 SECOND CRUTCH
- 2015年11月3日(火・祝)島根県 松江 AZTiC canova
- 2015年11月6日(金)新潟県 CLUB RIVERST
- 2015年11月7日(土)石川県 vanvan V4
~ ワンマン á Tokyo et Osaka ~
- 2015年11月15日(日)大阪府 BIGCAT
- 2015年12月12日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
モーモールルギャバン
ゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)、ユコ=カティ(Key, Vo)、T-マルガリータ(B)からなる3ピースバンド。2005年4月に5人編成で活動を開始し、紆余曲折を経て現在の体制となる。関西地区を中心に活動を展開し、インパクトたっぷりのサウンドと破壊力抜群のライブパフォーマンスでリスナーを獲得。2009年11月に初の全国流通作品となるアルバム「野口、久津川で爆死」を、2010年6月にミニアルバム「クロなら結構です」をリリースする。その後、「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」「BeVeci Calopueno」という2作のフルアルバムやシングル「LoVe SHouT!」を発表。2014年5月より制作に集中するためライブ活動を休止するが、2015年3月からのツアー「蘇る無茶と野獣ツアー2015」でライブを再開。2015年6月にレーベル移籍後第1弾作品にして3年3カ月ぶりとなるフルアルバム「シャンゼリゼ」をリリースした。