ナタリー PowerPush - 宮野真守

新体制で次のフェーズへ

音楽活動5周年、30歳という節目の年を充実した活動で終え、新たなフェーズへと突入した宮野真守。通算10枚目のシングル「NEW ORDER」は、彼の新たな一歩を飾るにふさわしい意欲作となった。ナタリー4度目の登場となる今回のインタビューでは、「NEW ORDER=新体制」を提言する今作への思いと、自ら「宮野真守~第二章~」と語る2014年の動向について聞いた。

取材・文 / 臼杵成晃

「宮野真守~第二章~」の幕開け

──音楽活動5周年のメモリアルイヤーとなった2013年を振り返ると、宮野さんにとっては非常に充実した1年だったのではないでしょうか。10月の日本武道館公演も大成功でしたが、初の武道館はいかがでしたか?

とても簡潔に言ってしまうと、手応えがありましたね。とても納得できるライブになりましたし、自分にとって大きな収穫になりました。

宮野真守

──2013年の暮れにはブログで、ニューシングルのコンセプトである「NEW ORDER=新体制」を説明した上で「30代の宮野真守は、ひと味違います……言うなれば、『宮野真守~第二章~』」と力強く宣言されていましたね。新体制で最高のエンタテインメントを目指すと。

2013年が自分にとって大きな節目になったので……第2章だから何か大きく変わるということはないですけど(笑)。節目を経たことで音楽作りや役者としての活動も、多少なりともギアチェンジするのかなという予感もあって。第2章として新しいことを始めるのは自分の希望でもあるんです。

──その自信を着実に身に付けてきた2013年、という感じもありますね。

そうですね。いろんなことを経て、最終的に武道館でああいう形で締めくくることができたのは、とても大きな自信につながりました。

STYとともに作り上げたNEW ORDER=新体制

──武道館の時点で、今回のシングルはテレビアニメ「うーさーのその日暮らし」第2期のテーマソングだと発表されていたので、果たしてあのゆるいムードのアニメにどんな曲を……と思ったら、完全に予想外のハードなダンストラックで(笑)。

最初は作品のポップなかわいさも視野に入れつつ楽曲を考えていたんですが、アニメの制作サイドから「宮野さんの音楽制作のラインの中で、カッコいい曲を作ってほしい」というお話をいただいたんです。せっかくそう言ってくださるんだったら思いきりカッコいい曲を作ろうと思いました。最大限にカッコいい曲を作るんだったら、やっぱりSTYさんと一緒に作りたいなと。

──「NEW ORDER=新体制」というキーワードは制作の初期段階から浮かんでいたんですか?

最初に打ち合わせたときは「NEW ORDER」という単語はまだ出てなかったんですけど、新たな信念を掲げていくというコンセプトは最初から変わってないです。そこに「覚醒」というキーワードも絡めてお願いしたら、STYさんがもっともっとブラッシュアップしてくれて。最初のデモの段階で「NEW ORDER」というタイトルを挙げてくれたときに「なるほど、これだ!」って。新たな一歩を力強く踏みしめる、意志のこもった歌詞とサウンドになっていて、それは自分の今の心情にとてもリンクするので、やっぱりSTYさんはすごいなと思いました。

──実際に歌ってみて、自分の中で何か変化は感じましたか?

まずデモをもらったときに、こんなトリッキーな難しい曲で自分なりの表現ができるのかなという不安があったんです。STYさんはそう思ってないかもしれないけど、STYさんからの挑戦状だと受け取ったんです。「歌ってみろ」という気合いを感じたことがすごくうれしくて。僕を信頼してくれているからこそ、この楽曲を作ってくださったと思うので、その思いにとても感動しました。この曲を乗り越えた先にはきっと新たな自分がいるはずだという、非常にチャレンジし甲斐のあるハードルだなと。

──ハードルをきちんと乗り越えましたね。

はい。越えられたと思います(笑)。

宮野真守(みやのまもる)

1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降はアニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍し、2003年にはミュージカル「『テニスの王子様』 Remarkable 1st Match 不動峰」でも高い評価を集めた。ミュージカルや出演アニメのキャラクターソングで歌手としての実力も発揮し、2008年にシングル「Discovery」でメジャーデビュー。2009年3月には1stアルバム「BREAK」を発表した。ライブ活動も積極的に行っており、2013年10月には初の日本武道館公演「MAMORU MIYANO SPECIAL LIVE 2013 ~TRAVELING!~」を大成功に収めた。2014年2月に通算10枚目となるニューシングル「NEW ORDER」をリリース。