ナタリー PowerPush - 宮野真守

音楽活動5周年&30歳の節目を彩る「カノン」

5周年、30歳、リクエストライブ

──30歳のお誕生日を迎える6月8日と翌9日には、バースデーイベントの開催も決まりましたね。

バースデーイベントは初の試みで、リクエスト形式のライブになります。自分がお祝いしてもらえる瞬間でもあるんですが、せっかくなので自分を支えてくださっているファンのみんなが観たい、聴きたいと思うものを届けられればなと思っています。

──リクエスト楽曲は、ルールなしで募るんですか?

大きく3つのカテゴリに分けて募集しています。まずはデビュー後に自分が発表してきた曲。そして声優のお仕事をやらせていただいている中で、作品のキャラクターとして歌ってきた素敵な曲がたくさんあるので、そのキャラクターソングの中からも募っています。キャラクターソングはライブで生披露したことない曲も多いので、特別感もでるかなと。そしてもう1つのカテゴリは、お客さんが宮野真守に歌ってほしいカバーソングです。

──それは興味深い。「まさかこの曲が?」というセレクトがポーンと来る場合もありますよね。

どのアーティストさんの曲でもいいですし、僕が関わったアニメの曲でもなんでもありで。どんな曲が来るか楽しみです。

──なぜカバーソングをやろうと思ったんですか?

カバーライブをやりたいねっていう話は以前からあったんです。僕自身初めてなので、ファンのみんなに助けていただく形で、みんなが歌ってほしいと思う曲を歌うことができればいいなって。募った曲の中で投票の多かったものの中から選曲していこうと思っています。

──リクエストする人たちはもちろん自分の好きな曲を選ぶであろうと考えると、それはある意味「宮野真守の音楽を聴いてる人はほかにこんな曲を聴いている」という興味深いデータにもなりますよね。

そうなんです。ファンのみんなが好きな曲が見えてくれば、また別のアイデアが生まれるかもしれない。これまでやってきたライブとは違う方向性を見つけたいという思いもあるので、今後の楽曲やライブの、ひとつの指針にもなるんじゃないかと思います。

──意外な曲を歌うことで、今までやってきた音楽とはまた違った何かが宮野さんの中に芽生えるかもしれませんし。

意外な曲でも「これ面白いかも」ってことになるかもしれないし、歌ってみればさらに広がりを見せるかもしれませんね。

歳を重ねるごとに、できることは増えていく

──あと2カ月で30歳ですが、イメージしていた30歳と今のご自身の実像と比べていかがですか?

ずっと「30歳は大人だ」と思っていたのですが、自分が思い描いていた30歳ではないですね。精神年齢もガキですし、こんなに子供でいいのかなって思ったりします。でも歩んできた30年というのは確実に、自分にしっかり身に付いていると思うので……こんなもんなのかなって。

──30になる前にやっておきたかったこととか、ありませんか?

もちろんいっぱいあります。でも、どちらかというと、この30歳の節目を新たなきっかけとして、また何か新しいことができればいいなっていう前向きな気持ちのほうが強いですね。

──あえて「30の節目」に乗っかって。

ですね。「30歳」というものをフル活用して、新たな一面が見せられたらなと。30歳になったからこそできることはたくさんあると思うので。

──個人的なことも含め、何か志していることはありますか?

結局仕事に直結しちゃうのですが、しっかり動ける体を作っておきたいなとは思っています。自分がパフォーマンスを続けていく上でも必要になってくると思うので、ちゃんと考えいかないとと思っています。

──ダンスとかもけっこうハードですしね。

油差していかないと動かなくなっちゃうので(笑)。でも、30歳を超えてさらに激しいダンスができたらカッコいいですよね? 僕は、若い頃よりも歳を重ねるとことで、できることって逆に増えるんじゃないかなって思っています。関わる人も増えていくし、歩みを止めさえしなければ新しいことが始められるチャンスも増えるんじゃないかなと。先輩たちからは「30代は楽しいよ」という話をいっぱい聞くので、自分も楽しめればいいなと思います。

目の前にあることをしっかりと

──10月には武道館公演という大きな舞台を迎えられるわけですが、今後の野望はありますか? 次はアリーナ公演、とか。

うーん、もちろんないわけではないですが……。そういう野望はどちらかというとスタッフのほうが持ってるんじゃないかな(笑)。僕は目の前にあることをしっかりやっていくしかないですしね。

──ツアーの会場を増やしたりとか、そういう希望は?

それはあります。もっといろんなところを回りたいですね。今回のシングルでは、握手会という形ではありますけど初めて九州まで行けるので、とてもうれしくて。

──初めて会えるファンの方もたくさんいるでしょうね。

ライブもそういうふうに広げていけたらいいなと思います。「遠くて行けない」という声もいただくので、みなさんに早く会いに行きたいですね。

──基本姿勢は変わらず、今までやってきたことをきっちりやって、さらに広く次につなげていくと。

そうですね。そうやっていくしかないと思います。

宮野真守(みやのまもる)
宮野真守

1983年6月8日、埼玉県生まれの声優、俳優、歌手。7歳から劇団ひまわりに所属し、子役として活動を始める。声優としてのデビューは2001年放送のNHK海外ドラマ「私はケイトリン」グリフェン役。以降はアニメ、ゲーム、洋画吹替など幅広く活躍し、2003年にはミュージカル「『テニスの王子様』 Remarkable 1st Match 不動峰」でも高い評価を集めた。ミュージカルや出演アニメのキャラクターソングで歌手としての実力も発揮し、2008年にシングル「Discovery」でメジャーデビュー。2009年3月には1stアルバム「BREAK」を発表した。ライブ活動も積極的に行っており、2012年5月には神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにてワンマンライブ「MAMORU MIYANO SPECIAL LIVE 2012~FIGHTING!~」を大成功に収めた。2013年4月10日には通算9枚目となるニューシングル「カノン」をリリース。10月4日には初の日本武道館公演が決定している。