ナタリー PowerPush - ミス・モノクローム

モットモットマエニデタイ! ほっちゃん原案キャラが歌手デビュー

堀江由衣 インタビュー

前に出るアイドルを目指すというのは自然な流れ

──ミス・モノクロームについて堀江さんにどこまでお話を聞いていいのか、さじ加減がよくわかんないんですけど……。

堀江由衣「水たまりに映るセカイ」ジャケット

堀江由衣「水たまりに映るセカイ」ジャケット

あははは(笑)、そうですね。

──ライブの1キャラクターだったものがゲームやアニメ、マンガ界にまで進出して、さらにソロでCDデビューを果たすという。でも堀江さんにとっては基本、他人事なんですよね。

はい。彼女とは基本的に距離を置いています(笑)。

──アニメなどストーリーのあるものも基本はお任せで?

むしろアニメ化されるのを知ったのがみんなより遅かったぐらいで(笑)。内容に関してもお任せでしたし。まあ「前に出たい」がいつからか彼女の口癖になったように、前に出るアイドルを目指すというのは自然な流れだなあと思いました。

──そもそもはどういうキャラクターとして考えていたんですか?

ライブで敵キャラが欲しくて産み出したキャラクターなんですけど、キャラクター原案と言ってもホント簡単な設定と落書きみたいな絵だけなので(笑)。紙に「こんな感じ」って絵を描いて。

──ビジュアルの元になったのは堀江さんのイラストなんですね。

ホントに落書きですよ? アンドロイドの設定だから「機械の子って……頭にこういうの付いてるよね?」とか(笑)。

──アンドロイドの頭に必ず付いてるよくわからない機械(笑)。

あと、モノクロ世界の住人とカラフルな世界の住人という住み分けもあったので、チェッカーフラッグ柄の衣装を選んで「大変じゃなければこれがいいです」って(笑)。映像でこういう柄を動かすのは大変だっていうイメージがあったので。最初のライブのときは3Dだったので、この柄は3Dでも表現できるのかなとか。

──なるほど。そのへんはアニメの仕事をされている方ならではの判断ですよね。動きを考えると髪型などにも制限が出てしまうという。

そうなんです。原案では髪をツインテールじゃなく下ろしてたんですけど、そのへんは映像的な事情でちょっと。

──堀江さん自身を投影した、似せた部分はありますか?

ないですね。だからシングルのジャケットを私の1stアルバム(2000年12月発売「水たまりに映るセカイ」)に寄せてきたのにはびっくりしました(笑)。

「ホッチャン、ワタシノコトワカッテル」

──そうやってできたキャラ設定が、度重なるライブ出演やアニメによってさらに広がって、その結果デビューシングル「ポーカーフェイス」が完成しました。この「ポーカーフェイス」もカップリングの「『?』」も、脈々と続くロボットSFもの、アンドロイドものの系譜を踏襲した素晴らしい曲だと思います。

ホントですか? ありがとうございます。

──ロボットと人間の関係を描いた“泣けるロボットSF”の系譜だと思います(笑)。

あれですよね、心がないと思っていたロボットが人間との交流を通して最後ちょっと涙するみたいな(笑)。

──そうです(笑)。「アイ……リカイフノウ……」的な。「ポーカーフェイス」もそうですけど、「『?』」はまさにアンドロイドと人間の狭間で揺れる心が描かれていて。よくできた歌詞だなあと思ったら、堀江さんが作詞なんですね。

テレビアニメ「ミス・モノクローム -The Animation-」のワンシーン。

はい。作詞はホントに苦手なんですけど、せっかくだから書きたいなと思っていて。実は「ポーカーフェイス」のほうも書きたかったんですけど、こちらは仮歌に入っていた歌詞が素敵だったので、そのまま作家の近藤圭一さんにお願いしました。それでカップリングだけ書くことにしたんですけど、決めてすぐに後悔しました(笑)。1カ月近く苦しみ抜いて書いた歌詞で、途中何度逃げ出そうと思ったか……。歌詞って何を書いていいのか全然わからないんです。

──でも結果的にすごくいいロボットSFになりましたよね。どういうところから膨らませていったんですか?

ロボットだから言葉がわかるんだけどわからないみたいな感じを、最初は言葉遊び的に表現しようとしたんですけど、そんな高度なことはできなくて。それでロボットならではのわからないこと、わからない気持ちみたいなところに焦点を当てて「?」ってタイトルにして、素朴な疑問を並べていこうと考えました。でもそれだけだとあまりにミス・モノクロームに寄せすぎて、人々の共感を得られないと思ったので……。

──人々の(笑)。

それでちょっと恋愛にもつながるような話に変えてみた、みたいな感じなんです。

──それが功を奏して泣けるロボットSFになったと。

なってます? それはよかったです! でもモノクロームちゃんも「ホッチャン、ワタシノコトワカッテル」みたいなことをTwitterで言ってくれてました。なんで上からなのかわからないですけど(笑)。

ミス・モノクロームの可能性

──3月に発売されるアニメのDVD / Blu-rayにはCDも同梱されます。ストーリー後半を収めた「黒版」には「ポーカーフェイス」のテレビサイズバージョンとサントラ、そして前半の「白版」にはKIKUKOの……。

あー、教祖様の(笑)。

──「17歳教」の教祖である井上喜久子さんが声を演じるKIKUKOの楽曲「Endless Seventeen」とサントラを収録したCDが付属します。

これいい曲ですよねー。喜久子さん、ご自身のイベントではKIKUKOのイメージに合わせた衣装を着て歌ってくださったみたいで(笑)。本気で楽しんでくださっていて、ホントにすごい先輩だなと思いました。ここにしか入らない予定なのですごく貴重だと思います。黒版には特典映像に「ポーカーフェイス」のPVが入っているんですけど、アニメのエンディングとは違うカット割になっていて、フルサイズなので楽しみにしていてください。

──このエレクトロなサウンドと、アンドロイドの心情と恋愛をブレンドした世界観が生まれたら、あとはいくらでも発展させられそうな感じがします。すごく可能性を感じるデビューシングルというか。単3電池駆動だったり前に出たがるキャラクターだったり、どんどん広がる可能性があって。

思ったよりも広がってますねー。勝手にほかの作品に出ちゃったりとか(笑)。

──昔のアニメによくあった、シリーズを超えて出てくるキャラクターみたいなことになり始めてますよね(笑)。

そうそう! こういう何にでも出てくるキャラ、昔よくいましたよね(笑)。

──今後も原案者のあずかり知らないところで発展する可能性があると。

そうですね。マンガ化も同時に2つも決めてくるとは思わなかったですし(笑)。

──次のシングルや、なんだったらアルバムを出すぐらいのポテンシャルもあると思います。

スタッフ アーティスト扱いなので(笑)、リリースの計画は堀江さんと別にあるんですよ。

そうなの!? 知らなかった!

堀江由衣ニューアルバム「オーロラ」!?

──堀江さん自身は3月に次のシングルが決定していますけど、そのあとの予定も決まっているんですか?

なんとなくは聞いた気がしますけど、どんな感じだっけな……。

堀江由衣

──ミス・モノクロームよりフワッとしていると(笑)。2014年にやってみたいことはありますか?

海外にはまた行きたいですねー。去年は「パイレーツ・オブ・ユイ」(2013年12月発売のライブDVD / Blu-ray「堀江由衣をめぐる冒険IV ~パイレーツ・オブ・ユイ 3013~」)のブックレット撮影でハワイに行って、一昨年の「BEST ALBUM」(2012年9月発売)はフランスで撮影して、どっちもすごく楽しかったので。

──昨年のリリースはシングル1枚とライブ映像作品のみでしたし、そろそろオリジナルアルバムにも期待したいところですが。

「秘密」(2012年2月発売の8thアルバム)からもう2年経ってるんですよねー。先に海外でジャケットの撮影をしてからアルバムの内容を決めたいです(笑)。

──なるほど。例えば北欧の雰囲気とかそれだけでイメージ広がりそうですよね。あるいはアラスカでオーロラを撮影したり。

いいですね! (スタッフに向けて)堀江由衣ニューアルバム「オーロラ」ってよくないですか?

ミス・モノクローム デビューシングル「ポーカーフェイス」/ 2014年1月29日発売 / スターチャイルド
[CD] 1200円 / KICM-3273
収録曲
  1. ポーカーフェイス[作詞:近藤圭一 / 作曲:近藤圭一 / 編曲:近藤圭一]
  2. 「?」[作詞:堀江由衣 / 作曲:藤谷一郎 / 編曲:藤谷一郎]
  3. ポーカーフェイス off vocal ver.
  4. 「?」 off vocal ver.
ミス・モノクローム
ミス・モノクローム

堀江由衣が2012年春に開催したライブツアー「堀江由衣をめぐる冒険III~Secret Mission Tour~」における敵役として誕生したキャラクター。単3電池1本で駆動するアンドロイドで、2013年春に開催された堀江のワンマンライブ「堀江由衣ベストライブ ~由衣と時間泥棒~」「堀江由衣をめぐる冒険Ⅳ ~パイレーツ・オブ・ユイ3013~」でも活躍を見せた。その後スマートフォン向けソーシャルゲーム「ガールフレンド(仮)」にもキャラクターとして登場し、2013年10月には「ミス・モノクローム -The Animation-」としてアニメ化。2014年1月にシングル「ポーカーフェイス」でCDデビューを果たした。さらにコミカライズ、グッズ展開などメディアの枠を超えてマルチに活動している。

堀江由衣(ほりえゆい)
堀江由衣

東京都出身の声優アーティスト。1997年に声優としてのキャリアをスタートさせた後、1998年に歌手デビュー。「ほっちゃん」の愛称で親しまれ、永遠の少女然とした自身のキャラクターと重なるオリジナル音楽作品をコンスタントに発表している。アニメやゲームのキャラクターソングも数多く手がけ、2005~2007年には声優ユニット「Aice5」としても活躍。2009年9月には声優として歴代4人目となる日本武道館公演を2日間にわたって行い、大成功に収めた。2012年2月には8thアルバム「秘密」を発表。オリコン週間ランキングで3位を獲得した。2013年3月には千葉・幕張メッセイベントホールにて「堀江由衣ベストライブ~由衣と時間泥棒~」「堀江由衣をめぐる冒険IV ~パイレーツ・オブ・ユイ 3013~」と内容の異なる2本のライブを開催した。9月20日には「堀江由衣ベストライブ~由衣と時間泥棒~」が、12月25日には「堀江由衣をめぐる冒険IV ~パイレーツ・オブ・ユイ 3013~」がDVD / Blu-rayとなってリリース。2014年3月には自身がヒロイン加賀香子役を務めるテレビアニメ「ゴールデンタイム」2クール目のオープニング&エンディングテーマを収めたニューシングル「The♡World's♡End」を発表する。