ナタリー PowerPush - ミソッカス

ダサカッコよさを求めて ひねくれバンドの挑戦

ミソッカスのよさは「ダサいところ」

──今回のアー写はカラフルで、バンドの意気込みを象徴するようなポーズを取っていますね。

はるきち ここから挑戦していく感じは出していきたいなってアートディレクションの方とも話してて。マンガ「クローズ」のワンシーンにありそうな河原で対決してるイメージ。背景には「みそっかす」にもあった多彩さをこれからも残していきたいという意味があります。

──アー写は気合いを感じさせると同時に、シュールというかコミカルな印象も与える感じですよね。

はるきち 正直、僕らのよさって「ダサいところ」だと思うんですよ。それは出てるかなって。ダサカッコよくて取っ付きやすいイメージと、なんか戦隊モノみたいに並んで挑戦してる感じは出てると思います。

ノブリル(G, Cho)

──ダサカッコいいと言えば、「シャイニングイリュージョン」はタイトルもそうだし、イントロの疾走感にいい意味で“出オチ感”があると思いました。

ノブリル そう、5人ともダサカッコいい曲で「キターッ!」ってアドレナリンが出ちゃうんですよ。

はるきち 「シャイニングイリュージョン」は最初、B'zの「LOVE PHANTOM」で韻を踏んだタイトルにしたかった。でも結局なんにも出てこなくて、「シャブファントム」とかよくわからないタイムリーすぎるのばっかり出てきて。必殺技みたいな名前にしたくて「港町ファントム」とかにしたんだけど、語呂悪いしなっていろいろ考えて「シャイニングイリュージョン」にしました。必殺技の名前ってダサいのも多いじゃないですか、「アバンストラッシュ!」みたいに。

バンドシーンで一度は負けた。次は負けたくない

──はるきちさんはいろんな対バン相手についてブログでマメに感想を書いてますよね。

はるきち 演者というよりリスナー目線のほうが強いので、対バン相手のライブを観ていいなと思ったことを書いてることは確かに多いですね。多くを知って多くを学ぶって意味では研究ってことになるかな。

──リスナーとしてではなく、ミソッカスとして同世代のバンドシーンをどう捉えてますか?

はるきち 一緒にやってきたKANA-BOON、キュウソネコカミ、KEYTALK、THE ORAL CIGARETTESってバンドたちは続々メジャーに行ってて、僕らは置いていかれてる感覚はある。これからどうしていこうか?っていうのは考えつつも、今はメジャーに行った人たちが上にいて、その下に僕らがいる。さらに若い始まったばかりの世代が下に控えてて。最近メジャーに行きだした人たちの作ってきたシーンが1つ成熟しようとしてる時期だと思ってるんです。そこで一緒に戦ってきた人たちに要するに僕らは負けたんですよ。今後、下から新しいシーンを作ってくる若手たちが来たとき、まだ僕らはここにいると思うんですが、そこでまた戦って、今度は負けたくないな。

──王道の音楽に対してちょっと構えてしまうみたいなことを最初に話してましたけど、もっと売れたい気持ちはもちろんあると。

デストロイはるきち(Vo, G)

はるきち そうですね、ワンクッション置くのはひねくれてるからだなあ。ひねくれたリスナーがたくさんいて、そういう人がミソッカスを好きでいてくれると思うんです。王道にはなりたくないんです。

ノブリル ってかなれないでしょ(笑)。

──ひねくれてますね(笑)。

はるきち 「なりたくない」なんておこがましすぎるよね。なれません(笑)。

──ミソッカスは今後、何を武器にバンドシーンで戦いますか。

はるきち 30分のライブで、終演後にも人の記憶に残ってるメロディ、言葉ですね。もちろん10年、20年と残っていくような曲を書いてくっていうのは大切だと思うんですけど、30分ちょっとのライブを観て、終演後にお客さんの頭の中で「ミソッカスのメロディが離れない!」ってくるくる回るみたいにさせていきたいし、できると思っています。

ミソッカス『マッドシュリンプス』

ミソッカス「シャイニングイリュージョン」PV

ミニアルバム「統一された混沌(カオス)」 / 2014年7月2日発売 / 1944円 / No Big Deal Records / NBDL-0015
ミニアルバム「統一された混沌(カオス)」
収録曲
  1. マッドシュリンプス
  2. ホリデイ
  3. お願いGOD
  4. little by little
  5. Dead Star
  6. 幻のオ・ト・コ
  7. シャイニングイリュージョン(Album Ver.)
  8. 太陽の塔
ライブ情報
ミソッカス「統一された混沌(カオス)」レコ発ツアー
2014年7月5日(土)大阪府 大阪ミナミ周辺のライブハウス(出演会場未定)
※「見放題2014」への出演
2014年7月11日(金)大阪府 CONPASS
2014年7月12日(土)東京都 渋谷周辺のライブハウス(出演会場未定)
※「TOKYO BOOTLEG CIRCUIT'14」への出演
2014年7月19日(土)兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
2014年7月20日(日)福岡県 Queblick
2014年7月21日(月・祝)広島県 HIROSHIMA 4.14
2014年7月26日(土)宮城県 FLYING SON
2014年7月27日(日)茨城県 club SONIC mito
2014年7月28日(月)京都府 GROWLY
2014年7月30日(水)愛知県 APOLLO BASE
2014年9月15日(月・祝)東京都 新代田FEVER
2014年9月20日(土)大阪府 FANDANGO
2014年9月23日(火・祝)愛知県 RAD HALL
ミソッカス

デストロイはるきち(Vo, G)、ノブリル(G, Cho)、ブルマン藤井(B, Cho)、マイケルTHEドリーム(Key)、ジャンボリー加藤(Dr, Cho)からなる5人組。デストロイはるきちの生み出すキャッチーなメロディと古今東西問わず幅広い音楽ジャンルを融合させた多彩な楽曲展開を持ち味とするロックバンド。2006年12月に「みそっかす」名義で結成され、メンバーチェンジやパートチェンジを経て現在の編成になる。地元愛知や、大阪で開催した自主企画でソールドアウトが続出するなど、精力的なライブ活動で着実に知名度を上げていく。2013年にはオーディションイベント「出れんの!? サマソニ!?」で勝ち残り、「SUMMER SONIC 2013」東京公演への出演を果たした。2014年1月1日にバンド名を「ミソッカス」に改名。2014年4月にシングル「シャイニングイリュージョン」を発表し、7月には4thミニアルバム「統一された混沌(カオス)」をリリースする。