MISIA|人生の中に音楽があり、音楽の中に人生がある

音楽は “going on and on”であるべきもの

──米倉利紀さんが作詞作曲を手がけた「恋人失格(feat.米倉利紀)」「LOVED」は1990年代のR&Bを想起させるナンバーです。米倉さんとは以前から交流があったとか。

初めてお会いしたのは5年前、デビュー15周年のときですね。ツアー中、たまたま飛行機が一緒になってご挨拶したんです。そのあと私のラジオにゲストとして来ていただいて、米倉さんの曲をセッションしたんですが、そのときの感触がとてもよくて「米倉さんのメロディを歌いたいな」と思ったんです。ラジオ番組中に直接オファーして、すぐに何曲かデモを送っていただいて。どれもよかったんですけど、今回はこの2曲を選ばせてもらいました。「恋人失格」は米倉さんと一緒に歌わせていただいて、お互いツアーでなかなか時間が取れなかったんですが、私の東京国際フォーラムでのライブにゲストで来てもらうことになったのでその前日にレコーディングしました。その場でライブのリハーサルもやったんですよ(笑)。

──音楽的なルーツが近いせいか、メロディと歌のなじみ具合がすごくいいですよね。

MISIA

そうですね。大先輩なんですけど「きっと同じような音楽を聴いてきたんだろうな」と思いました。

──ジャズのテイストを感じさせる「変わりゆく この街で」も印象的でした。「変わり続けてる この街で僕らは」「変わらない夢や愛を歌い続けてる」というサビの歌詞は、アルバム全体のテーマにもつながるのかなと。

私は子供の頃から歌詞を書く用のノートを持っていて、この曲のサビの言葉もずいぶん前から書いてあったものなんです。20周年の「過去を振り返り、今を見つめる」というテーマの中でデビューの頃を思い出してみたんですけど、東京に来たばかりの頃に「すごく変わっていく街だな」と感じたんですよね。気に入ったお店を見つけても、半年くらい経つとなくなっていることもあって。“歌は世につれ世は歌につれ”という言葉もあるし、スタッフの方からは「今を見つめながらリリックを書くべきだよ」とよく言われましたけど、私としては「こんなにめまぐるしく変わっていく街で、何を歌えばいいんだろう?」という気持ちだったんです。だって、1年後にはどうなっているかわからないんだから。

──確かに。

しばらくどういうふうに歌詞を書けばいいかわからなかったんですが、東京で知り合った友達と話していて「悩んでいること、求めていることはみんな一緒だな」と感じたことがあって。いろいろなことがあるけど、結局はみんな愛とか夢の話をしていて、周りの状況が変わり続けているからこそ、変わらないものを求めているということに気付きました。あと海外を旅する中で経験したことも歌詞に生かされているかもしれません。アフリカの村で子供たちの話を聞いたとき、「まったく悩みがなくて、幸せです」と言った子がいたんですよ。「わからないことや困ったことがあっても、大人に聞けば答えてくれるから」って。それはずっと生活が変わらないからなんですよね、きっと。

──特に今は変化が激しい時代ですからね。その中で不安を感じる人も多いかもしれません。

そういえば、この前ビックリしたことがあって。私は物持ちがよくて、デビュー1、2年目のときに買った電化製品をいまだに使ってるんですけど(笑)、故障して修理に出そうとしても「もう部品を作っていないから、修理できません。新しい商品を買ったほうが安いですよ」って言われるんです。でも、長く使ってるから愛着があるじゃないですか。そういう話をとあるデザイナーの方としていたら、「商品のデザインでも、同じようなことがある」と言っていて。昔の家電は修理して使い続けることが前提だったから、長く使えて優れたデザインのものが多かったそうなんです。その話を聞いたときに、音楽も一緒だなと思って。ジャンルの移り変わりはあるけど、「5年後には聴かれてない」という気持ちで作ってしまったら、そこで終わりだなと。音楽は歌い継がれて聴き継がれるもの、“going on and on”であるべきだと思うので。

ジャンルは“地球”

──「AMAZING LIFE」もアルバムを象徴する楽曲の1つだと思います。NHK「ダーウィンが来た!生きもの新伝説」のテーマ曲として制作されたそうですね。

「ダーウィンが来た!」は以前から好きな番組なので、お話をいただいたときはうれしかったですね。私は「生物多様性条約第10回締約国会議」の名誉大使を務めたこともあって生き物について学び続けているんですが、知れば知るほど「よく私はここに存在できているな」「私が今ここにいるのは、ものすごい確率なんだな」と思うんです。それは「ダーウィンが来た!」を観ているときにも感じることだし、この曲でもそういうことを歌えればいいなと考えていました。

──なるほど。

作曲していただいた内池秀和さんとは一度もお会いしてなくて、この作品を作られた数週間後にお亡くなりになったんです。「シンガーはMISIA、アレンジは鷺巣詩郎さん」と遺言のように託され、それをどう形にするか、すごく試行錯誤しながら制作しました。鷺巣さんには「THE GLORY DAY」(1998年発表のミニアルバムの表題曲)を作曲していただいたことがあるんですが、内池さんの中にもこの曲のイメージがあったみたいです。あと鷺巣さんはフランスで作曲や編曲をして、ロンドンで録音するというスタイルで。ダーウィンはイギリス人なので、現地のミュージシャンに「ダーウィンが来た!」のテーマ曲だと説明すると、「私たちのチャールズ・ダーウィンね。わかった」みたいな反応が返ってくるんです(笑)。サウンドにはアフリカン、クラシック、ソウル、ラテン、ゴスペルなどが混ざっていて、鷺巣さんと「ジャンルは“地球”ですね」と話していました。歌詞にも書いたんですが、まさに「いくつもの 奇跡が繋がり ここにいる」という曲になったと思います。アルバムのリリースが12月26日、店頭には25日に届くはずなので、クリスマスから来年にかけて聴いてもらえたらうれしいですね。

イギリス・ロンドンでのMISIA。(写真提供:アリオラジャパン)

──現在行われているツアー「20th Anniversary MISIA 星空のライヴ X Life is going on and on」は3月に閉幕し、4月26日と27日には平成最後の東京・日本武道館公演「MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON」が開催されます。

「MISIA星空のライヴ」では、20周年ということも意識しつつ、新しいアルバムの曲も届けていきたいですね。今回の武道館は4月の最終週なので、まさに“平成最後”なんですよ。私が初めて武道館でライブをやらせてもらったのは、デビュー年である1998年の12月でした。20周年の締めくくりに武道館のステージに立てるのはすごくうれしいし、楽しみですね。

MISIA「Life is going on and on」
2018年12月26日発売 / アリオラジャパン
MISIA「Life is going on and on」初回限定盤

初回限定盤
[CD+フォトブック]
4536円 / BVCL-945~6

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MISIA「Life is going on and on」通常盤

通常盤 [CD]
3240円 / BVCL-947

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収録曲
  1. アイノカタチ(feat.HIDE GReeeeN)
  2. 君のそばにいるよ
  3. Interlude
  4. Sparks!!
  5. 来るぞスリリング(Album Version)
  6. LADY FUNKY
  7. 恋人失格(feat.米倉利紀)
  8. 変わりゆく この街で
  9. LOVED
  10. SERENDIPITY
  11. AMAZING LIFE
  12. SUPER RAINBOW

ライブ情報

20th Anniversary MISIA 星空のライヴXLife is going on and on(※終了分は割愛)
  • 2019年1月12日(土) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2019年1月13日(日) 愛知県 名古屋国際会議場センチュリーホール
  • 2019年1月19日(土) 宮城県 仙台サンプラザホール
  • 2019年1月20日(日) 山形県 シェルターなんようホール(南陽市文化会館)
  • 2019年2月11日(月・祝) 千葉県 千葉県文化会館
  • 2019年2月14日(木) 北海道 旭川市民文化会館 大ホール
  • 2019年2月16日(土) 北海道 札幌文化芸術劇場hitaru
  • 2019年2月20日(水) 東京都 NHKホール
  • 2019年3月1日(金) 高知県 県民文化ホール オレンジホール
  • 2019年3月3日(日) 徳島県 鳴門市文化会館
  • 2019年3月8日(金) 石川県 本多の森ホール
  • 2019年3月9日(土) 長野県 まつもと市民芸術館 主ホール
  • 2019年3月22日(金) 福岡県 アルモニーサンク北九州ソレイユホール
  • 2019年3月23日(土) 福岡県 福岡サンパレス
MISIA 平成武道館 LIFE IS GOING ON AND ON
  • 2019年4月26日(金) 東京都 日本武道館
  • 2019年4月27日(土) 東京都 日本武道館
MISIA(ミーシャ)
長崎県生まれの女性シンガー。1998年2月にシングル「つつみ込むように…」でデビューした。同年6月に発表した1stアルバム「Mother Father Brother Sister」は200万枚以上を売り上げ、R&Bブームの火付け役となる。2000年発表のシングル「Everything」はドラマ主題歌に使用され、200万枚を超えるセールスを達成した。2013年2月にはデビュー15周年記念ベストアルバム「MISIA SUPER BEST RECORDS -15th Celebration-」、2017年7月にはジャズアルバム「MISIA SOUL JAZZ SESSION」を発売。同年11月に映画「鋼の錬金術師」の主題歌であるニューシングル「君のそばにいるよ」、ライブBlu-ray / DVD「MISIA SOUL JAZZ SESSION」を同時リリースした。2018年6月からは全国ホールツアー「20th Anniversary MISIA 星空のライヴ X Life is going on and on」を行っており、8月に表題曲がテレビドラマ「義母と娘のブルース」の主題歌に使用されたシングル「アイノカタチ(feat.HIDE GReeeeN)」、10月にデビュー20周年記念ライブの模様を収めたBlu-ray / DVD「20th Anniversary THE SUPER TOUR OF MISIA Girls just wanna have fun」を発表。同年12月に約3年ぶりのオリジナルアルバム「Life is going on and on」をリリースし、2019年4月には東京・日本武道館で2DAYSワンマンライブを行う。