このメンバーがM!LKとしていられること
──昨年11月より結成10周年イヤーが始まっているので、これまでを振り返るお話も伺えたらと思うのですが、10年の歩みの中で自分が大きな“M!X=混ざり合い”を感じた瞬間を挙げるならどんな思い出があるでしょう? 外的な出来事でも、内面の話でも大丈夫です。
曽野 僕自身で言うと、やっぱりグループ加入のタイミングです。M!LKというミキサーの中に曽野舜太と山中柔太朗が混ざって、やっとおいしいミックスジュースになってきたんじゃないかな?っていう……。
吉田 例えが多すぎるな(笑)。
──お二人の加入は「EBiDAN THE LIVE 2018 ~Summer Party~」でサプライズ的に発表されましたが、そのときの会場の驚きのムードはよく覚えています。
吉田 「こんな歓声聞いたことない」という“声の色”だったんです。みんな混乱してるから、どんなパフォーマンスをしても響かない状態というか。あまりに経験したことのないムードで「面白いかも」と思った自分もいました。
曽野 僕はポジティブなんで「黄色い歓声だな」と思い込もうと思ったんですけど、ちょっと難しかったですね(笑)。当たり前だけど、ステージから見えるみんなの顔がすごく困惑した表情で。
佐野 いやあ、あの日はがんばったよな、本当に。
吉田 でもうれしいのがさ、2日目のステージではみ!るきーずが「Brave Saga」でペンライトをものすごい振ってくれたんです。それは1日目にがんばったからだと思います。
曽野 み!るきーずもがんばったんだよね。大きな変化を、1日でなんとか飲み込んで「応援しよう」と思ってくれたのが温かかったなと思います。
吉田 本当に、メンバー同士も混ざり合ってますよ。
──仁人さんはいかがですか?
吉田 「それで言うと」から話を始めてしまうんですが、思ったのは、ずっと変わってないっちゃ変わってないかもなって。当たり前かもしれないけど、僕ら自身がちゃんとM!LKの色の“軸”になっているなと思うんです。それぞれがブレないからこそ、どんな曲をやっても「M!LKらしいね、何かのマネじゃないね」と思えるのかなと感じています。
──なるほど。
吉田 グループとしてのパフォーマンスもそうですけど、5人がそれぞれのセルフプロデュースをちゃんとして「自分はここが強みだ」と理解しながら曲に向き合って、ライブではその強みを生かしてる。だからこそM!LKなんだと思います。M!LKの曲はいい曲ばかりだけど、例えば5人のうち1人でも“違う人”だったら、それは全然、今みたいにいいものになっていないのかなと思うし。このメンバーがM!LKとしていられることが本当によかったなと思うんですよね。
佐野 僕は……すごく難しい。世間的にはメンバーの数が変わった瞬間が大きな変化だと言ったりしてますけど、実際そうでもないのかなと今思って。気持ちの変化は徐々に。本当に徐々に、たぶん……貯金と似たような感覚なんですよね。気付いたらいっぱい貯まってるような。もちろん大きな経験はあったのかもしれないですけど、今の自分の思考に至るまでには日々の、全部の経験が積み重なってる。いろんな方と出会って仕事をさせてもらって。だから「ここ」っていう瞬間は、ちょっと明言できないかもしれないです。
吉田 新メンバーが加入してくれたときのうれしさ以外はそんなにね。グループの形が変わるときってそもそも憂いてらんない、応援してくれているみんなをどう安心させるかという思いがまずあるから、そこに対して自分の心を置き続けてたかと言ったら違う感覚なんですよね。あと、今振り返ってみると楽しい思い出のほうが多い。「ライブ楽しいな」と思うし、初期の頃はマネージャーにパフォーマンスの出来を思い切り怒られたこともあったけど、気付けばみんなが「ライブよかった」と言ってくれるようになって……。
佐野 それっていつ頃からなんだろうね?
吉田 ね。ちゃんとは覚えてないけど、そう言われるようになってから気付いたのが、ライブがすごく楽しいんですよ。いつも終盤になると「ああ、終わっちゃうな」と寂しく思うし、オーラスの日には「ああ、もうこの演出やらないんだな」と思いながら1曲1曲を届けているし。メンバー間でもね、「コイツ今すごい楽しんでるなあ」とわかるくらい、M!LK全員がライブを楽しんでるのは成長なのかなと思います。それで言うと、み!るきーずとも混ざり合って、1つの大きなライブ空間ができあがる状態が、今ようやくできているのかな。
5人の背中が大きかった
──皆さんがライブを心から楽しんでいるのは、観ている側にもすごく伝わってきます。昨年11月にさいたまスーパーアリーナで開催された「10th Anniversary M!LK ARENA TOUR 2024『I CAN DRINK!』」は、M!LKにとって最大規模のワンマンでしたが、あの大きな景色の中で10周年のアニバーサリーをお祝いすることができたことは、皆さんにとってどんな経験になりましたか?(参照:M!LK10周年、アリーナツアーで確かめた旅路と5人の絆「幸せなグループ」「この時間を失いたくない」)
曽野 年々会場の規模を広げて動員数を更新できることって普通じゃないと思いますし、僕の親が観に来てくれていたんですけど、「スタートから勝手に涙が出てきた」と言われて。
佐野 早いよ(笑)。
吉田 親バカだなあ(笑)。
曽野 でもそれを聞いて、僕らのお仕事って特殊なんだなって。みんなを楽しませて、幸せにするための使命を持って生まれてきたんだと思っちゃうくらい運命感じたし、5人とみ!るきーずでもっと大きいところに行きたい気持ちが高まりました。
佐野 グループとしてはドームを目指しているから、僕はさいたまスーパーアリーナが決まったときは、うれしさというより「よし、一歩一歩」みたいな感じだったんです。だけど、改めて昔を振り返ると、さいたまスーパーアリーナで2DAYSをやるなんて考えられなかったなと思って。昔はリアルに想像できなかった場所に5人だけで立っていることがうれしかったです。あと、僕らってZeppツアーやホールツアーの規模感でライブする期間が長くて、キャパシティの面でもクオリティの面でもまだまだ未完成だなと思うことが多かったんですけど、アリーナでできるようになってから1年とちょっと経った今、“つかめた”感じがしているというか。
吉田 ああ、そうかもね。
佐野 もちろん演出や衣装や皆さんの助けがあってのことなんですけど、あんまり怖くないんです。仁人が言うように、楽しめるようになったのが大きいと思うんですけど。たまアリでは「アリーナ規模はいけるな」と思えて、それは自信にもつながりました。特効とかも含めやってみたいことも増えたし、まだまだ夢や野望が広がるなと思います。あと何より、5人の背中が大きかったですね。メンバーを後ろから見ることも多かったけど「自信持ってやってんな」って。そんなこと思ったことなかったんですけどね(笑)。昔は「こいつ緊張してんな」とかよく思ったんですけど、全然そんなこともなく。安心できる感じがありましたね。
──では最後に仁人さん。
吉田 面白かったです。すごく楽しかったですし、まず、曲が素晴らしいなと改めて思いました。さっきも少し言ったけど、「ERA」とか「Winding Road」とか、自分たちのことを歌う曲を、みんなの背中を押すためにしっかり歌えた感覚もあったので、曲をツールとしてしっかり届けられたなと思いつつ……やっぱり熱湯風呂とかやるよねえって(笑)。
──アンコールの恒例おふざけコーナーで熱湯風呂が登場しましたね。飴玉探しの最下位の人が罰ゲームとして入る。
吉田 僕は本当に嫌だったので、絶対に飴を見つけてやると思って。だから毎回1位とか2位だったんです。爆裂に探すの速かったんですよ。言わないけど探し方にコツがあるんですよ、あれ。
曽野 そうなんだ!
吉田 なのに、結果全員風呂の中に落とされたんで。もう不満ばっかりです!
佐野 そんなこと言ってますけど、1ついいですか? 仁人がステージ袖に逃げるようにハケていって俺が連れ帰るみたいなくだりがありましたけど、実際は奥で逃げずにちゃんと待ってましたからね。
曽野 あはははは!
佐野 俺のこと待ってるやん!と思って(笑)。
曽野 かわいいなあ。
吉田 ……。
公演情報
M!LK CONCERT TOUR 2025 "M!X"
- 2025年4月26日(土)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2025年4月27日(日)愛知県 愛知県芸術劇場 大ホール
[第1部]OPEN 12:30 / START 13:30
[第2部]OPEN 17:00 / START 18:00 - 2025年5月3日(土・祝)宮城県 仙台サンプラザホール
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2025年5月4日(日・祝)宮城県 仙台サンプラザホール
OPEN 14:00 / START 15:00 - 2025年5月16日(金)福岡県 福岡サンパレス
OPEN 17:30 / START 18:30 - 2025年5月17日(土)熊本県 熊本城ホール メインホール
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2025年6月14日(土)神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 16:00 / START 17:00 - 2025年6月15日(日)神奈川県 横浜アリーナ
OPEN 14:00 / START 15:00 - 2025年7月19日(土)兵庫県 ワールド記念ホール
OPEN 17:00 / START 18:00 - 2025年7月20日(日)兵庫県 ワールド記念ホール
[第1部]OPEN 11:30 / START 12:30
[第2部]OPEN 16:30 / START 17:30
プロフィール
M!LK(ミルク)
2014年11月結成のダンスボーカルグループ。メンバーは佐野勇斗、塩﨑太智、曽野舜太、山中柔太朗、吉田仁人の5人。グループ名には「何色にも染まることの出来る存在に」という意味が込められている。2015年3月、「コーヒーが飲めません」でCDデビュー。2021年11月、ビクターエンタテインメントよりメジャーデビューシングル「Ribbon」をリリースした。2023年10月にはグループ史上初となる神奈川・横浜アリーナでの単独公演を開催。2024年10月にシングル「エビバディグッジョブ!」をリリースする。同年11月より結成10周年イヤーに突入し、初のアリーナツアー「10th Anniversary M!LK ARENA TOUR 2024『I CAN DRINK!』」を開催。2025年3月にはメジャー2ndアルバム「M!X」をリリースし、4月より全国6都市を回るツアー「M!LK CONCERT TOUR 2025 "M!X"」を実施する。