言いたくて言いたくて仕方なかった!
吉田 あの日、あの場所で「君ココ」をやったのもよかったね。
山中 セットリストも一応用意していただいていたんですけど、メンバーで「少し変えようか」という話をして。どこでライブをやるのかもわからないので正解がわからないけど、「デビュー日なら」ということで「君がくれた宝物はココにある」を入れたんです。エモーショナルな感じがあって、結果的にハマったと思います。
吉田 みんなで「どこでライブやるの?」「お客さんがいるのかどうかもわからないでしょ」と話してたけど、そのときも太智は全部知ってたんでしょ?
塩﨑 はい、知ってました。
山中 そう、だから最後は太ちゃんの助言で「君ココ」を入れた気がする!(笑)
塩﨑 みんなはどこでやるかもわからないし、映像作品化されるとも思ってない。だから、もしバレて気合いが入らないような空気になったら困るなと思いつつ……言いたくて言いたくて仕方なかった!(笑) デビュー記念日の前に名古屋と大阪でファンミーティングがあって、5人で泊まったでしょ? そのとき、佐野さんにめちゃくちゃ言いたくなったのよ。「実は……」って。
佐野 言ったら全部、台無しになるからな(笑)。
山中 太ちゃんは言いたくなるタイプだよね。
塩﨑 めっちゃ我慢しました。
曽野 よく耐えたねえ。
山中 高校生のときの太ちゃんなら言ってたでしょ。
塩﨑 ……言ってたね(笑)。
曽野 勇ちゃんだけ、最後に当てたんだよね。「太ちゃんが人狼だ」って。
佐野 太智ってサプライズ嫌いじゃん? それなのに、すごい受け入れて臨んでるなと思って(笑)。
塩﨑 あのさ、デビュー日の前の晩に「いい思い出作ろうね」って連絡したじゃん? それも全部知ってたから送ったの。
佐野 そういえば言ってたわ!(笑)
山中 そんなこと言うタイプじゃないのに!
吉田 絵文字なんかも使っちゃってね。
山中 珍しいから、あれを見て余計に眠れなくなったもん(笑)。
さらに「やろう」って前向きになれてる
──いろいろとありましたが(笑)、M!LKは華々しい出航を果たしました。実際にメジャーデビューをして、何か心境の変化はありましたか?
佐野 「責任感」と同じ意味だと思うんですけど、「焦り」が増したかな、僕の中では。よりスイッチが入ったというか。
山中 僕も同じです。さらに「やろう」って前向きになれてる。自分たち発信でどんどん何かしようという気持ちになってますね。
曽野 1人ひとりが進んで行動を起こすようになったと思います。YouTubeも自分たちで編集したりして。そういうことが前より増えたと思う。
吉田 みんながそういうことを意識するようになったからこそ、僕は自分のことに手をつけられるようになりました。今までは、例えばダンスなどでも、自分はメンバーにしっかり指示できたり、アドバイスができたりする人間じゃないといけないなと思っていたんです。でも、今はあまり肩肘を張らなくてよくなった。その分、自分の中に新しいことを取り入れたり、何かを考える余裕ができた感じがしています。1人ひとりがそれぞれの方向でしっかりと努力をしていることを感じられるようになったのが、いい変化だなと思いますね。
塩﨑 あとは、パシフィコ横浜公演が控えていることが自分の中では大きいです。自分は今回も演出に参加させてもらっているんですけど、1公演しかないメジャー1発目のライブとあって、今まで以上に気合いが入っていて。いろいろとわがままを言いつつ、がんばって作っているところですね。
自分に打ち克っていくことが勝者への道
──そのパシフィコ横浜公演「M!LK LIVE 2022 NEXT WINNER」に先駆けて、配信シングル「HIKARI」がリリースされることになりました。
塩﨑 はい。この曲は、パシフィコ横浜公演のテーマソングですね。
山中 パシフィコ横浜でのライブは「鏡」をテーマにしているんです。「HIKARI」も「鏡に映る自分との戦い」を歌った曲になっていて。
塩﨑 「NEXT WINNER」というライブタイトルは舜ちゃんがメジャーデビューへ向けた強化合宿のときに出してくれたものなんですけど、ライブに向けて話し合う中で、「周りと戦うのではなく、やっぱり自分との戦いだよね」という話になったんです。結局は自分に打ち克っていくことが勝者への道なんじゃないかって。
山中 その頃に「ホログラムを使った衣装にしたいね」という話もしていたから「鏡というテーマにも合うね」って、話が進んでいった感じだったよね。
塩﨑 そうそう。鏡に映る自分と戦って、自分自身で自分を変えていくというのがライブのテーマです。
──楽曲は、メッセージ性の強いエールソングです。
山中 「Ribbon」は王道の恋愛ソングだったけど、この曲も王道と言える、まっすぐで前向きないい曲だなと感じます。
佐野 すごくパワフルな曲ですよね。自分との戦いがテーマになっているけど、受験生や就活生に向けた応援ソングにもなっているので、すごくいいなと思いました。
吉田 カッコいいよね。歌詞の中に「火」という言葉が出てくるんですけど、内に秘めた炎が、赤よりも熱い青色で燃えているんじゃないかなって思えるような。一見クールだけど、ものすごい情熱を秘めてるような感じ。自分たちの今の心境が、わかりやすく表れていますね。
──特に心境が表れていると感じるのは、どの部分ですか?
吉田 「どれだけ傷ついても さぁ命燃やせ」というフレーズです。ここ、「仁人っぽいね」と言われて僕が歌うことになったんです。歌詞に書かれているような熱さ、最近はあまり表に出さないように意識しているんですけど、自分の核心にあるものだなとは思います。
曽野 アニメのオープニング主題歌っぽい感じもあるよね。「海」とか「清い」とか「涙」とか、青のイメージがそう思わせるというか。主人公が目の前に広がる大きな海を見つめているようなイメージが浮かんできます。
塩﨑 今回のライブにすごく合ってますし、今後のライブで披露しても、絶対に映える曲だなと思いましたね。
──「HIKARI」というタイトルにはどんな思いが込められているんですか?
佐野 前に進みたくても進めないもどかしさがある今の世の中で、誰もが光を探しながらがんばって、踏ん張って、1日1日を生きていますよね。それは僕自身も実感してることで。そんな中で「一筋の光を見出そう」と。僕たちの光はみ!るきーず(M!LKファンの呼称)だから、「み!るきーずの光に僕らがなる」という決意も込めています。
曽野 僕らとみ!るきーずの関係って、それこそ“鏡”だよね。
塩﨑 うまいねー! いつも全部持っていく!
吉田 ゴール前で待ってるから。あとは触るだけっていうね(笑)。
曽野 あざっす!(笑)
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僕たち自身がアートになっているようなイメージ