May J.×八代亜紀|世代超え響かせる母娘のハーモニー

May J.が10枚目のシングル「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」を発表した。

表題曲はアンジェラ・アキのプロデュースによる、結婚を控えた娘と母の思いを歌ったウエディングソング。この曲でMay J.は八代亜紀をコラボ相手に迎え、May J.が娘のパートを、八代が母親のパートを歌っている。

音楽ナタリーでは八代との共演はかねてからの念願だったというMay J.と八代にインタビューを実施し、2人のつながりや楽曲への思いについて話を聞いた。

取材・文 / 三橋あずみ 撮影 / 星野耕作

もっと一緒に歌いたい

──まずはお二人の出会いについて聞かせてください。

May J. 2013年のNHKの音楽番組(「オンガクジェネレーション」)で初共演して一緒に歌わせていただいたんです。すごく優しくしてくださって。とても緊張していたんですが、八代さんは私の背中に手をそっと置いて一緒に歌ってくれたんです。もうそのときから「もし私が長く歌手を続けられるのなら、八代さんのようになりたい」って……自分のなりたい理想像が目の前に現れたというか。「もっと一緒に歌いたい」って、その頃から思っていたんです。

左からMay J.、八代亜紀。

八代亜紀 「デュエットしたい」って?

May J. そう、「デュエットしたい」って。で、昨年八代さんにお会いしたときに、思い切ってお伝えしたんです。そうしたら、八代さんは……。

八代 「いいよ」って。

May J. すごくフランクに即答してくれました(笑)。

──八代さんは、初共演のときのことを覚えていますか?

八代 ええ。会う前から、May J.の歌唱力がすごいということは知っていましたから。彼女が出ていた「関ジャニの仕分け∞」、私も出て歌ったことがあるけれど、そのときは散々だったんです。

May J. そんなことないですよ。

八代 May J.は完璧でしたから。だから「すごいな」と思って。そうしたらそのあとにNHKで共演できてね。笑顔が素敵だったわね。で、話していてわかったことが、お互い「橋本」なんですよ。

May J. 本名が。

八代 私も旧姓が橋本なんです。ここで距離がグッと縮まってね。魂がつながっていた感じがして「彼女とは合うかも」って。だからリハーサルも本番も楽しくてね。で、彼女がすごくがんばっていたから、「応援したいな」と思って「今度May J.にドレス作るね」って約束したんです。

May J. お会いしたその日に!

May J.。着用しているドレスは八代亜紀がプレゼントしたもの。

──それが、今作のアートワークでMay J.さんが着ているドレスなんですね。これはデザインも八代さんが手がけられたんですか?

八代 ええ、私が。清純で、透明感のある感じをイメージして描きました。スカートの外側のチュールがフレアに広がるんだけど、中はミニのタイトスカートだから脚が少し見えてね。胸元のスワロフスキーの石も私が選びました。石は付けすぎないように、妖精のような少女のようなイメージで。そう、彼女が「Let It Go ~ありのままで~」を歌う前に考えていたカラーリングは、ブルーだったんです。だけど「アナと雪の女王」のときにブルーを着ていたからやめようと思って、ベージュにしました。で、あげたときに「(テレビ番組の)トークのときに着れば?」って言ったの。

May J. 私は「八代さんと歌うときに着たいな」って思いましたよ!(笑) このドレスをもらって、勝手ながら「八代さん、私のことを研究してくださっているんだな」って感じました。サイズもそうなんですけど、私の体にすごく合うラインというか……私、フィット&フレアのシルエットがすごく好きだから、それを八代さんは感じ取ってくれていたんだなって。

八代 フィーリングが合ったのね。

May J.「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」
2017年5月24日発売 / rhythm zone
May J. duet with 八代亜紀「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」CD+DVD盤

CD+DVD
1944円 / RZCD-86353/B

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May J. duet with 八代亜紀「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」CD盤

CD
1296円 / RZCD-86354

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CD収録曲
  1. 母と娘の10,000日 ~未来の扉~
  2. 母と娘の10,000日 ~未来の扉~(Daughter’s Vocal Only)
  3. 母と娘の10,000日 ~未来の扉~(Mother’s Vocal Only)
  4. 母と娘の10,000日 ~未来の扉~(Off Vocal)
  5. 糸(Off Vocal)
DVD収録内容

母と娘の10,000日 ~未来の扉~

  • Studio Session Clip
  • Documentary
May J.(メイジェイ)
日本、イラン、トルコ、ロシア、スペイン、イギリスのバックグラウンドを持ち多彩な言語を操るマルチリンガルアーティスト。幼児期よりダンス、ピアノ、オペラを学び、作詞、作曲、ピアノの弾き語りもこなす。2006年7月にミニアルバム「ALL MY GIRLS」でメジャーデビュー。2014年には大ヒットを記録したディズニー映画「アナと雪の女王」の日本版主題歌「Let It Go ~ありのままで~」を担当し、同年の「第65回紅白歌合戦」に出場した。2015年1月には自身初となる東京・日本武道館の単独公演を開催。2017年5月に八代亜紀をコラボ相手に迎えた10枚目のシングル「母と娘の10,000日 ~未来の扉~」を発表した。
八代亜紀(ヤシロアキ)
熊本県八代市出身の演歌歌手。15歳で歌手を目指して上京し、銀座でクラブ歌手として活動を始める。1971年にシングル「愛は死んでも」でデビューを果たし、1973年には出世作となった「なみだ恋」を発表。1979年発売の「舟唄」が大ヒットを記録し、1980年には「雨の慕情」で「第22回日本レコード大賞」大賞を受賞した。演歌歌手として確固たる地位を築きながら、一方で画家としても才能を発揮。フランス「ル・サロン展」に5年連続で入選し、永久会員となった。2010年にはデビュー40周年シングル「一枚のLP盤」を発表。2012年5月には小林旭とのデュエット曲「クレオパトラの夢」、10月には小西康陽プロデュースによる初の本格的なジャズアルバム「夜のアルバム」をリリースし、翌2013年3月にはニューヨークの老舗ジャズクラブ「Birdland」でライブを行う。2015年10月、寺岡呼人プロデュースによる初のブルースアルバム「哀歌-aiuta-」をリリース。2016年には「FUJI ROCK FESTIVAL '16」に初出演するなど、多彩な活動を続けている。