ましのみ|あなたに寄り添うための“夏バテ”のススメ

“悪い人”が出てこない

──シングルの3曲目にはピアノの弾き語りによる新曲「コレクション of コネクション」が収録されています。エレクトロ調のほかの2曲に比べて、弾き語りによるこの曲はよりましのみさんの本音が歌われているような感じがありました。

シングルの中でも絶対に1曲はピアノの弾き語りを入れようって最初から決めていたんです。とは言え、どんな曲にするかは全然決めてなくて「どうせ夏ならバテてみない?」と「海水掛け合いっこ」の2曲がちょっとテンション高めの曲だったこともあり、夏の夜に1人ぼっちになったときにちゃんと寄り添える曲として書いたのが「コレクション of コネクション」ですね。この曲って “悪い人”が出てこないんです。

──まっすぐに相手を思う曲の主人公の女性と、相手役として描かれている誰にでも優しく接している男性のどちらも悪い人ではないですよね。曲の歌詞にあるようにその男性がいろんな人に向けて「大好き」と言うこと自体は、悪いことではないわけですから。

そう。しかも傷付けたいと思って「大好きだよ」って言ってるわけでもない。「コレクション of コネクション」は同世代にありがちな“つながりを大事にしてる人”を描いたものなんです。私自身はあんまり人間関係を広げるのが得意なタイプではないんですけど、なるべく多くの人と交流を持って誰とでも仲よくしたいって人はどこのコミュニティにもいて。私が狭く深く仲よくしていきたいタイプだからなのか、そういう人間関係についてはけっこう敏感なんですよね。友達同士だったら特にそこまで気にならないと思うんですけど、恋愛でこのギャップが起こるとすごくうまくいかない(笑)。ただみんな悪気があるわけじゃないから解決してあげることもできない。だからこういう曲を書いて、相手との価値観の違いで寂しい思いをしている人たちに寄り添えたらいいなと思って。

──楽曲のアレンジや方向性は違っても、「聴き手に寄り添いたい」という思いは変わらないんですね。

はい。私自身、感情の起伏が激しい人だし、夏の昼間のワクワクする時間にも、夏の夜のじっとり暑いけどちょっと落ち着いた感じの時間にもしっくりくる、両方の曲が歌いたかった。サウンドもシンプルにしたかったからピアノのペダルも踏んでないし、リバーブとかもかけていないんです。キレイにしすぎないようにしたかったから雑音もある程度残して、本当に部屋でポツンと1人で歌ってる感じの曲になったと思います。

ましのみ

バテるくらい盛り上がりたい

──ライブについても話を聞かせてください。3月に東京・WWW Xで行われたワンマンライブは、ましのみさんが宇宙旅行をするというストーリーに沿って曲が披露されていくものでした(参照:ましのみ、メジャー初ワンマンで“もっと高いところ”目指し宇宙へ)。こういうライブの構成もご自分で考えているんですか?

そうです! 人が考えたものだとうまくできないんですよ。自分で書いた曲だし、お客さんにどういうふうに楽しんでもらいたいかっていうのは自分が一番わかるかなと思って。どんなライブにするか考えるのもすごく楽しいんですよ。

──なぜ宇宙旅行というストーリーを用意したんでしょうか? ライブの直前にリリースされたメジャーデビューアルバムには宇宙的な要素は特にちりばめられていませんでしたよね。

確かに宇宙の曲なんてなかったんですけど、なぜか宇宙ってイメージが浮かんだんですよね。メジャーデビューを記念したワンマンライブだったので、そのときにしかできないことをしたいと思って、思い付いた言葉をどんどん挙げていって、それをつなげていく“アレ”をやって……なんて言うんでしたっけ?

──マインドマッピングですね。

そう! それをやっていくうちに「スペースシャトル」というワードがしっくり来たんです。私はメジャーデビューという発射台から飛び出していく存在で、皆さんの応援が燃料になるんだって考えたら、自分をスペースシャトルに見立てたようなライブをするのがいいんじゃないかって思い付いたんです。

──ライブの中ではオーディエンスの声援を集めてエネルギーに変えるひと幕もありました。

皆さんの応援が燃料ではあるんですけど、最初にいただいた燃料だけでこれからずっと飛び続けられるわけではないと思っていて。それこそ、これからましのみのことを知ってくれる人たちもいるだろうし、この先にまた皆さんの応援が必要になってくるときがくる。そういうテーマを裏設定みたいに考えつつ、ワンマンライブを用意してたんです。

──9月に行われるワンマンライブ「ぺっとぼとリテラシー ほとばしるバテで夏を締めくくりまショータイム Vol.2」の準備は進んでいますか?

まだ具体的な形には全然落とし込めていないんですけど「ほとばしるバテで夏を締めくくりまショータイム」というタイトルなので、みんなでバテるくらい盛り上がって「はい、今年の夏バテはここで締めくくり」ってできるような、勢いのあるライブにしたいなっていうのは考えています。シングルのテーマも「夏」だったし、「夏」というキーワードを軸に前回のライブを超えるエンタテインメントを皆さんに体験していただきたいです。

──ちなみに、ましのみさんがこの夏にやりたいことはなんですか?

花火は観たいですね。散々インドア派とか言っといて花火かよって感じですよね。

──いえいえ(笑)。

ホントに日光が苦手なので、別に夜だったら外を出歩いて楽しみたいんですよ。だから盆踊りで屋台が並んでるのを見るだけでテンション上がっちゃうんですよね。お祭りも大好き。お祭りの中でも最上級なのが花火大会だと思ってるので、花火大会は今年の夏も楽しみたいし、手持ち花火もしたい。意外とベタなのが好きなんです。あと夏の締めくくりにワンマンライブがあるのはすごくありがたいですね。夏の間にバテて何もできなくても、最後はちゃんとライブをやって締めればいいので。今から楽しみにしています。

ましのみ
ましのみ「どうせ夏ならバテてみない?」
2018年8月1日発売 / ポニーキャニオン
ましのみ「どうせ夏ならバテてみない?」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
2160円 / PCCA-04685

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ましのみ「どうせ夏ならバテてみない?」通常盤

通常盤 [CD]
1296円 / PCCA-04686

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CD収録曲
  1. どうせ夏ならバテてみない?
  2. 海水掛け合いっこ
  3. コレクション of コネクション
  4. どうせ夏ならバテてみない? (Inst.)
  5. 海水掛け合いっこ (Inst.)
初回限定盤DVD収録内容
  • どうせ夏ならバテてみない? Music Clip
  • Digest of「ぺっとぼとリテラシー~別途ほとばしるショータイムへようこそ~Vol.1@Shibuya WWW X」
  • どうせ夏ならバテてみない? Making
ましのみ
ましのみ
1997年生まれのシンガーソングライター。2015年1月に東京・下北沢LOFTで初ライブを行い、大学に通いながら都内で精力的にライブ活動を行う。2016年3月、音楽コンテスト「Music Revolution 第10回 東日本ファイナル」でグランプリを獲得。同年9月には東京・恵比寿天窓.switchで自身初のワンマンライブ「ましのみ 初ワンマンライヴ~サブタイトルなんてつけたくない~」を実施した。2017年10月、東京・WWWで行われたフリーライブでポニーキャニオンからのメジャーデビューを発表し、2018年2月にメジャーデビューアルバム「ぺっとぼとリテラシー」をリリースした。同年8月にはメジャー1stシングル「どうせ夏ならバテてみない?」を発表。9月には東京・UNITでワンマンライブ「ぺっとぼとリテラシー ほとばしるバテで夏を締めくくり​まショータイム Vol.2」を開催する。