豆柴の大群|祝メジャーデビュー!5人が示す新しいWACKアイドルの形、クロちゃんとの関係値、プレッシャーに打ち勝ち成長を続ける強い気持ち&クロちゃんからメンバーへ“贈る言葉”

TBS系「水曜日のダウンタウン」内のオーディション企画「MONSTER IDOL」にて、クロちゃん(安田大サーカス)プロデュースのアイドルグループとして2019年12月に誕生した豆柴の大群。その後プロデューサーのクロちゃんは解任され、BiSH、BiS、EMPiREらが所属する音楽事務所WACKの一員として活動することが決まった。

音楽ナタリーでは、結成から1年も経たずしてavex traxからのメジャーデビューが決まった豆柴の大群のメンバー5人にインタビュー。これまでの活動を振り返りつつ、10月7日発売のニューシングル「AAA」でメジャーデビューを飾ることについての率直な感想、アドバイザーであるクロちゃんとの関係性、そしてグループとして掲げる目標について語ってもらった。

また特集の後半にはクロちゃんのコメントを掲載。「サマバリ」「恋のかけ算 ABCDEFG」のタイトルや歌詞に込めた思い、メンバーに水着を着せたミュージックビデオ撮影のエピソードに加え、メンバー1人ひとりへの“贈る言葉”、豆粒(豆柴の大群ファンの呼称)に向けたメッセージを紹介する。

取材・文 / 田中和宏 撮影 / 草場雄介

クロちゃんのドミノ倒し

──8月5日放送の「水曜日のダウンタウン」で、クロちゃん(安田大サーカス / 豆柴の大群アドバイザー)が皆さんの1stアルバム「スタート」の在庫CD7000枚を使ったドミノにチャレンジしました。ゴールのくす玉が割れた瞬間に豆柴の大群のメジャーデビューが発表されて視聴者を驚かせましたが、メジャーデビュー決定を知ったときの心境は?

カエデフェニックス まさかドミノ倒しのゴールでメジャーデビューが発表されるなんて予想もしていなかったのでとても驚きました。

ナオ・オブ・ナオ 放送当日は何も知らされずに「『水ダウ』をメンバーと一緒に観ましょう」と伝えられて集まっていたので、CDを一生懸命並べているクロちゃんを純粋に応援してました。ドミノ倒しのゴールシーンで「メジャーデビュー決定!」と出てきて、「『クロちゃんドミノ倒し成功おめでとう』とかじゃないんだ」と変に冷静に思う部分もあったし、最初は何が起きているかわからなかったです。

ミユキエンジェル 状況がつかめなかったけど、だんだん我に返って「メジャーデビュー!? えー!! やったー!」って感じ。

アイカ・ザ・スパイ 何が起こっているかわからなくなるくらいびっくりしたもんね。

──実は豆柴の大群に関する発表があるんじゃないかと予想してた人はいなかった?

ハナエモンスター いませんでしたね。発表ごとはワンマンライブでされるイメージがあったので、まさか地上波でメジャーデビューの発表があるなんて。でもこれからもっと活動の幅が広がっていくといいなと思いましたし、不安よりも期待のほうが大きかったです。

豆柴の大群

初ワンマンは絶対にお客さんの前で

──豆柴の大群のこれまでのできごとも振り返っていきたいと思います。まず今までで一番うれしかったことは?

一同 メジャーデビュー!

──全員一致ですね。では、大変だなと感じたことは?

ナオ・オブ・ナオ

ナオ いっぱいあるけど、印象に残ってるのは「りスタート」でオリコンチャート1位を獲ったあとですね。「次、どうなっちゃうんだろう」というプレッシャーを感じて。

ミユキ うれしかったけど、先のことをいろいろ考えるきっかけになりました。

カエデ プレッシャーは常に感じますね……。メジャーデビューが発表された「水曜日のダウンタウン」の放送回でも、クロちゃんがドミノに使ったのは売れ残った私たちのアルバムだったんです。企画としてはいいとしても、それだけの売れ残りが出てしまって、期待に応えられなかったのは悔しいなと正直に思いました。だからこれからは、もっとたくさんの人に応援してもらえるようにがんばりたいです。

──デビューと同時にシングルチャート1位を獲得して華々しいスタートを切りましたが、これからがんばろうというタイミングでコロナ禍があり。ワンマンライブもできないまま今に至っているというのは歯がゆい状況ですね。

ミユキ コロナでライブができなくなったのは本当につらかったです。予定していた活動もほとんどできなくなってしまいましたし。

ナオ 本当は5月にやる予定だったワンマンライブがまず7月に延期になり、そのあと中止になったというのはつらかったですね。先が見えない怖さもありますし、マイナビBLITZ赤坂でワンマンライブをする予定でしたけど、9月で閉館しちゃうし、そのステージにワンマンで立てないというのは悲しくもありました。

ハナエ 初ワンマンはやっぱりお客さんの前でやりたいという気持ちは強いですね。

──その気持ちが10月24日に東京・昭和女子大学人見記念講堂で開催予定の“ソーシャルディスタンスライブ”と銘打ったワンマンライブ「豆柴の大群のりりスタート」に向かっているわけですね。先行きが不透明な中で、今後についてグループで話し合う機会はあった?

ナオ 渡辺(淳之介 / WACK代表)さんがTwitterにも書いていましたけど、表に出られない今だからこそ「爪を研いでおくしかない」とは私たちも直接言われていて。だからアルバム曲の振り付けもずっと練習を続けてきましたし、まだ披露できていない曲がたくさんあるので、次に出られるライブに向けた準備をしています。

一蓮托生? クロちゃんについて思うこと

──話はさかのぼりますけど、2019年末にクロちゃんがプロデューサーを解任されたとき、メンバーはどんな心境だったんですか?

ハナエモンスター

ハナエ 私はもともとWAggで活動していたので、WACKの音楽をやりたかったこともあったし、ちょっとうれしかったんですよね、渡辺さんの下で活動できるということが決まって。でもクロちゃんがいなくなると、興味を持ってくれていた人が急に離れていくんじゃないかという不安もあったので、感情的にはごっちゃごちゃでした。

ナオ クロちゃんが作ったグループなのに、作った本人との関わりがなくなるってどういうことなんだろうと思いました。クロちゃんがいたらいたで不安だったけど、いなくなられても不安みたいな(笑)。WACKのアーティストとして活動できるのはすごくうれしいけど、クロちゃんがいなくなっても私たちは豆柴の大群として続けていくことになるから、これから私たちはどうがんばっていけばいいのかなという点で頭がこんがらがってしまって。でも私はWACKのオーディションを受け続けてやっと入れたので、やっぱりうれしい気持ちが強かったです。

──ナオさんは「WACK合同オーディション2019」に候補生として参加していましたけど、ほかの皆さんは?

ナオ あの「MONSTER IDOL」オーディションは、WACKのオーディションを1度でも受けたことのある人たちが話をもらったものだったんです。ハナエ以外はBiSさんとCARRY LOOSEさんのオーディションに応募してたんですよね。

ハナエ 「MONSTER IDOL」の最初は、クロちゃんが関わるとは私も聞いてませんでした。

ミユキ 電話で「テレビでやるWACKのオーディションです」と言われたんですよ。

ナオ そうそう。「『ラストアイドル』的なオーディションがあります」って最初は聞いてましたけど……大嘘でしたね(笑)。

一同 ははは(笑)。

ナオ 「ラストアイドル」的なテレビ番組でWACKのオーディションがあるなんて言われたら、絶対出たいじゃないですか。「出ます!」って即答して、会場に行ったらクロちゃんが出てきた。

──クロちゃんにアイドルとしての運命を左右された皆さんですが、最終オーディションでクロちゃんに落とされたカエデさんは、クロちゃんのプロデューサー解任後、渡辺さんの計らいで豆柴の大群への加入が決まりました。

カエデフェニックス

カエデ 「水ダウ」の生放送でクロちゃんの解任が決まったとき、「ああ、みんなクロちゃんから解放されてよかったね」と思いました、正直(笑)。私は罰ゲームの執行人として番組に呼ばれていましたけど、そのときはメンバーじゃなかったのでどこか他人事というか。だから罰ゲームでクロちゃんが水に沈められている姿を見ながら、「みんな本当によかったね」という気持ちで見てました(笑)。罰ゲームのあとに私の加入が発表されたときは、本当にWACKのアイドルになれるんだという喜びでいっぱいでした。

──じゃあクロちゃんが今年2月にアドバイザーとして返り咲いたときはどう思ったんですか?

カエデ 解任後の期間で、クロちゃんの偉大さと言いますか、「クロちゃんがいないと……」と感じることがあったので、また関われてうれしかったです。

──クロちゃんのアドバイザー就任はWACKサイドの楽曲「大丈夫サンライズ」と、クロちゃんプロデュース曲「ろけっとすたーと」のMV再生数を競った結果、「大丈夫サンライズ」の再生数は371万回再生、「ろけっとすたーと」は469万再生と、約100万の差を付けてクロちゃん楽曲が勝利したことで決まりました(参照:豆柴の大群、アドバイザーとしてクロちゃん返り咲き「次は夏曲で水着!」)。でもコメントなどを見ると、「大丈夫サンライズ」の楽曲への評価が高い印象もあり、結果的にかわいいだけではない、豆柴の大群の新たな一面がアピールできた印象もありました。

ハナエ ある企画で人気曲の投票をして、そのときは「りスタート」「ろけっとすたーと」「大丈夫サンライズ」の3曲しかなかったんですけど、「大丈夫サンライズ」が1位だったんですよね。だからYouTubeの再生数では負けたのに、曲自体は人気ということがわかって。どうしてそうなるのか、不思議ですね。