マカロニえんぴつ「LiKE」 PR

はっとり(マカロニえんぴつ)×柳沢亮太(SUPER BEAVER)|先輩と後輩、ジャンル違えど共鳴し合う2人の価値観

マカロニえんぴつが2月13日に新作ミニアルバム「LiKE」をリリースした。2017年12月発表の1stフルアルバム「CHOSYOKU」がロングヒットを記録し、昨年10月リリースのシングル「レモンパイ」でさらに多くのリスナーの支持を得た彼らの新作には、耳なじみのいいキャッチーな魅力にあふれた全5曲が収録されている。

音楽ナタリーでは、新作の発売を記念してフロントマンのはっとり(Vo, G)と、音楽レーベル兼マネジメント事務所・murffin discsの先輩にあたるSUPER BEAVERの柳沢亮太(G)との対談を実施。両バンドの印象論に始まり、コンポーザーである2人ならではの目線でそれぞれの歌詞、メロディ、バンドのスタンスなどについて意見交換をしてもらい、多くのリスナーを魅了する楽曲を生み出している両者の思いを紐解いた。

取材・文 / 天野史彬 撮影 / 前田立

近い“ツボ”を持った2人

はっとり(マカロニえんぴつ)

──まずは、お二人の関係性から伺いたいのですが。

柳沢亮太(SUPER BEAVER) 先輩です(笑)。

はっとり(マカロニえんぴつ) 後輩です! 僕らがmurffin discsのTALTOというレーベルに入ったのはかなり最近なんですけど、最初は自分から先輩と話をすることもなかなかできずにいて。そんな中でヤナギさんは最初から話しかけてくれたし、僕らのアルバムを聴いてくれてました。まだレーベルになじめていなかった頃から、音楽で認めてくださったのはうれしかったです。

──柳沢さんは当初、マカロニえんぴつにどのようなイメージを持っていましたか?

柳沢 そもそもTALTOには東京カランコロン然り、SAKANAMON然り、eggmanの中でも一癖あるアーティストがそろっているんです。キャッチーなんだけどクセ者というか(笑)。最初、マカロニはその中の末っ子というイメージでした。クセはもちろんあるけど、僕にとってはすごく心地のいいクセで。自分のツボに入る楽曲たちだったんですよね。

──マカロニが突いた柳沢さんのツボはどんな部分だったのでしょう?

柳沢 一番はやっぱりメロディですね、サビにある泣きの感じというか。あとマカロニはメロディに対するコードの当て方とか、僕のすごく好きなポイントを突いてくるんですよ。

はっとり 僕もヤナギさんが作る曲のサビやコード進行を聴くと、同じソングライターとして、「ああそこ! 気持ちいい!」ってなります(笑)。すごく勝手ながら、近いツボを持っているのかなって。

大きな背中を見せてくれたSUPER BEAVER

──はっとりさんは、ご自分たちがSUPER BEAVERから受けた影響があるとすれば、それはどんな部分にあると思いますか?

はっとり マカロニって、最初の頃は「曲がいい」と言われることはあっても、「ライブがいいよね」とか「いいバンドだよね」とは全然言われてこなかったんです。でもTALTOに入ってから、SUPER BEAVERやsumikaのような先輩たちがやっている規模の大きなライブを間近で観させてもらう機会も多くて。酒の場ではめちゃくちゃな先輩たちがステージでカッコよく歌っているのを目の当たりにしたんです。ライブに臨む気概というか、気合いというか……みんな、ライブにすべての思いを注いで立っているような感じがして。そういう姿を見て、「ライブって人間性が出るんだな」と思ったし、「なんで俺たちはライブをやっているんだ?」「なんで俺たちはいい曲を作ろうとしているんだ?」と初めて考えさせられた。そのきっかけがSUPER BEAVERであり、murffin discsっていうレーベルだったんです。大きい背中を見せつけられた感じがしました。

柳沢 それはうれしいな。

はっとり SUPER BEAVERは曲もさることながら、渋谷(龍太 / Vo)さんの歌う言葉の重みがすごくて。あれはバンドとして紆余曲折を経て、いろんな思いを背負い続けてきたからこそなんだろうなって。あの説得力は真似したくてもできないです。喋り方や内容だけを真似して出せる雰囲気でもないので、僕らは僕らなりのやり方を見つけ出さなきゃいけない。そこに苦しみもするんですけど、でもそういう先輩たちのおかげで、マカロニはこの1、2年で成長できている気がします。メンバー脱退とかいろいろありましたけど、先輩たちの背中を見てきたことで成長できた部分は大きいと思います。

マカロニえんぴつはホールで観たい

柳沢 「バンドマンがなぜ、曲を作るのか?」って、その理由は人によってさまざまだし、特に今は「音楽」とひと口に言っても、その立ち位置は千差万別だと思うんだけど、少なくともSUPER BEAVERは、ライブがすごく好きなんだよね。曲を作って、ライブをして、その経験が曲に返ってくる……それをずっと繰り返している。だからどうしても「ライブ」という観点でバンドを見てしまう。すごく覚えているのは、マカロニと出会った頃に「マカロニえんぴつはホールで観たい」って言ったこと。

柳沢亮太(SUPER BEAVER)

はっとり はい、覚えてます。

柳沢 最初にライブを観たときにそう思った。正直、最初に観たマカロニのライブがすごくよかったとは思わなかったんだけどね。でも最初からそういうことをイメージさせるバンドだったんだよね、マカロニは。それってすごく大きなことで。僕らは泥臭いライブハウスも大好きだし、それでも1歩1歩進んでいろんなことに挑戦してみたいと思ったから、今年はホールツアーを開催して。でも、マカロニは、いきなり「ホールで観てみたい」と思わせるものがあった。

──その要因はどこにあったのでしょう?

柳沢 マカロニの曲って、セッション感が強いんです。メロディがいいのはもちろんだけど、各楽器のアンサンブルの気持ちよさも、メロのよさを後押ししていると思う。そういう魅力のある音楽って、ライブハウスで気合いを入れてグワッといくよりも、もっと違う規模や雰囲気のステージで、いい意味で余裕を持って観てみたいと思わせるもので。例えば今回のミニアルバム「LiKE」に収録されている「働く女」なんて、すごく勝手なイメージだけど、ブルーノートやCOTTON CLUBみたいな場所で、みんながおしゃべりしているようなリラックスした状態の中で音楽が鳴っている……そんな楽しさがある曲だと思っていて。

──確かに、とてもゆったりとしたグルーヴ感のある曲ですよね。

柳沢 バンドマンはどうしても「ライブハウスを盛り上げたい!」と思うものだし、その感覚は純粋なものだと思うけど、何も手が挙がることだけが盛り上がっている証ではないので。同じように「踊る」とひと口に言っても、四つ打ちがすべてじゃない。縦ノリじゃなくても、横ノリでゆらゆらする感じも「踊る」ということだと思う。マカロニはそういう踊り方がすごく合っているバンドだと思うし、曲をつなげるときにも、勢いでつなげるんじゃなくて、バンドのセッションでつなげてみるとか。そうすることで、プレイヤーとしての面白さももっと出せると思う。で、そういう音楽の楽しみ方をするとしたら、目指すべきは大きなライブハウスっていうよりも、ホールのような場所なのかなって。