ナタリー PowerPush - 映画「マン・オブ・スティール」

ヒャダインが夢想する「僕がスーパーマンだったなら」

「あまちゃん」、クイズ王になる

──過去の作品を参照しながら、そこまで分析的に「マン・オブ・スティール」を語れるほどの「スーパーマン」ファンであるヒャダインさん的には、スーパーマンという人自身には憧れます?

ゾッド将軍が絶対に攻めてこない保証があるなら、ぜひなりたいですね。

──あはははは、なんたるご都合主義(笑)。じゃあ、スーパーマンになったら何をしましょう?

ヒャダイン

「マン・オブ・スティール」でも少し触れられてましたけど、スーパーマンって基本的に無酸素状態でも全然OKなんですよ。だから素潜りしたいかなあ。で、新鮮なバフンウニを獲ってみたりとか。

──スーパーマンになってやりたいことは密漁(笑)。

いや、ちゃんと免許は取りますよ。スーパーマンは正義の味方ですから。だから言ってしまえば「あまちゃん」ですよね。海女さんをやりながら自分で曲を書いてロコドルとしてデビューして……。

──あっ、そこはスーパーマンとしてではなく、ヒャダインさんとしての能力を発揮するんですね。

さっきもお話した通り、スーパーマンの能力を地球で全開にしたら畏怖の対象になっちゃいますから。で、ロコドルとして注目されるようになったら、ゆくゆくはクイズ番組に出て。スーパーマンは透視能力も持ってるので、司会の方が持っているクイズの答えを透視して、全問正解で優勝する!

──そこはスーパーマンの能力を全開にしちゃうんですか(笑)。

やっぱり知識があるキャラだと思われたいじゃないですか。クイズタレントとしてドンッと打って出るためにはやむを得ない。スーパーマン自身はクリプトン星から地球に送られてくるカプセルの中で、地球に関する知識をインプットされてるんですけど「今年の女子サッカー日本代表 vs ○○戦のPKで、なでしこJAPANの3番目のキッカーは誰だった?」なんて問題が出たらやっぱり困ると思うんですよ。

──カプセルが教えてくれるのは過去の地球の情報だけですからね。

しかも僕、スポーツが苦手なんで、そういうときはやっぱり透視せざるを得ないじゃないですか!

石油王にオレはなる!

──ただスーパーマンの能力を使ってなりたいものがクイズに強いロコドルって、ちょっと寂しくないですか。クイズに強いタレントさんのセカンドキャリアってなんですかね?

ニュースのコメンテーターとかなのかなあ。でも、時事問題についてコメントするのにスーパーマンの能力ってあんまり役に立ちそうにないなあ。……わかった! クイズの賞金を元手に会社を立ち上げます! 建設業!

──ゼネコンですか!?

ヒャダイン

ええ。高速で移動できて、どんな重たいものでも運べるスーパーマンの能力があればどんな建物だって1日で建てられますから。僕が1人でタワーマンションを建てます! マンションの建設現場ってホコリが飛び散ったり、騒音が鳴ったりしないように建物を覆う幕を張ってるじゃないですか。だから実際の作業を見られることもないし、ビュンビュン飛び回って、ガッシャンガッシャン、タワーマンションを建てますよ!

──さっきから伺ってると、基本的にDIYですよね。ロコドルになるのもヒャダインさんなら曲を書くのもヒャダインさん。ゼネコンの社長も現場監督も鳶も全部ヒャダインさん(笑)。

「マン・オブ・スティール」を観ればわかるように、スーパーマンは基本的に孤独な男ですから。食い扶持も全部自分で稼ぎますよ。……ただ確かに1人でゼネコンは心細いなあ。でもスーパーマンの能力は株式トレードとかマネーゲームには向いてないだろうしなあ。それに正義の味方である以上、あんまり汚いこともできないしなあ。

──確かに「スーパーマン、インサイダー取引で逮捕!」みたいなニュースは見たくないです。

ですよねえ。スーパーマンになったらなんでもできると思ってたんだけどなあ。透視能力がある上に動体視力もすごいからカジノに行っても大勝ちできるだろうし、凍える息を吐けるから冷凍マグロを作るバイトとかもできそうだし、あとスカウトマンとかもできそうですよね。全国を一瞬のうちに飛び回ってカワイイ子を見つけては芸能事務所に売り込むとか。

──なんか全部「スーパーマンならでは」というよりもライフハック的。「目の前にある仕事をいかに効率よくこなすか」みたいな話になってますけど(笑)。

そうか。これじゃあ自分で自分のことをいいように使ってるだけだ(笑)。なんかせっかくスーパーマンの能力を手に入れたのに、一生働きづめ。静かな余生とか過ごせそうにないですねえ。老後はゆっくり過ごしたいんだけどなあ、温泉に入ったりして。……ってそれだ! 温泉掘りましょう! いや油田を掘りましょう!

──いいですね! 「石油王になる」は確かに夢がある(笑)。

ですよね! ……いや、これからは油田じゃないな。レアアースとレアメタルと、あとはメタンハイドレートか。これなら自分の資金源は確保できるし、日本のエネルギー自給率の問題も解消できる。ちゃんと社会の役に立つ正義の味方、スーパーマンっぽい仕事だし。うん、これだわ。これからはメタンハイドレートの採掘に全力を尽くします!

──がんばってください! 応援しています!

ヒャダイン
映画「マン・オブ・スティール」2013年8月30日(金)全国ロードショー
映画「マン・オブ・スティール」

あなたは知っているだろうか。アメコミ史上最高のヒーローを。
すべての戦うキャラクターの中で、圧倒的な人気を誇り続ける不動の男を。
──それこそが、スーパーマンだ。ヒーローと名の付く男たちは大勢いても、ナンバーワンは、世界にスーパーマンしかいない!
そんな最強ヒーローの誕生秘話が、この夏、初めて明かされる! これまで一度も描かれることのなかった核心のストーリー。新たなるスーパーマンの物語が、いよいよここからスタートする──!

脚本・製作:クリストファー・ノーラン(「インセプション」「ダークナイト」シリーズ)
監督:ザック・スナイダー(「300<スリーハンドレッド>」)
キャスト:ヘンリー・カビル、エイミー・アダムス、ローレンス・フィッシュバーン、ケビン・コスナー、ダイアン・レイン、ラッセル・クロウ

ヒャダイン

ヒャダイン

1980年7月4日生まれの音楽クリエイター。3歳でピアノを始め、作詞・作曲・編曲を独学で身に付ける。京都大学を卒業後、2007年に本格的な音楽活動を開始。前山田健一として、倖田來未×misono「It's all Love!」、東方神起「Share The World」などのヒット曲を手がける一方、ニコニコ動画などの動画投稿サイトに匿名の「ヒャダイン」名義で作品を発表し大きな話題を集めた。2010年5月には自身のブログにてヒャダイン=前山田健一であることを告白。その後もヒット曲を量産し、2011年4月にシングル「ヒャダインのカカカタ☆カタオモイ-C」でヒャダインとしてメジャーデビューを果たした。2012年11月には初のソロアルバム「20112012」を、2013年1月には6枚目となるソロシングル「23時40分 feat. Base Ball Bear」を発表。同5月には7thシングル「笑いの神様が降りてきた!」をリリースした。