7ORDER×SHE'S・the telephones|新たな出会いで意気投合!ツーマンライブに向けて語り合う (2/4)

諸葛孔明やん!

──服部さんと真田さんがギタリストとして大事にしていることはありますか?

服部 まず、歌を立てたいというのが絶対で。あとは竜馬の楽曲に対するイメージを大切にしています。デモの段階でギターが入っていなくても、どんな感じがいいかというイメージは竜馬の中にあると思うので、そこは聞き出して。最近は具体的なアレンジじゃなくて「怪しい感じ」「怖い感じ」とざっくり言われてもわかるようになってきましたね。そういうふうに曲の雰囲気やイメージは崩さずに、でもギターソロでは好きなように自分を全開で出していて。ギターソロも“歌”だと思って作っていますね。

真田 僕は申し訳ないですけど、ギタリストとして意識していることは何もなくて(笑)。サックスがあって、曲の中でキーボードがあれだけ動いていたら、ギターの場所はそんなにないんですよ。僕がギタリストとしてやることって実はパワーコードとかコードトーンでオブリ的に埋めていくくらいで、ソロをもらえたら「ありがとうございます」みたいな。自分自身もどっちかというと、バンド全体の空間を掌握しているほうが好きなんです。どこで誰が何をしてるとか、ステムがこれくらいで動いてるっていうのを頭の中で組んで絵を見ているのが楽しいんですよね。だから、モニタースピーカーとかも全部フラットで聴いてます。

左から真田佑馬(G / 7ORDER)、服部栞汰(G / SHE'S)。

左から真田佑馬(G / 7ORDER)、服部栞汰(G / SHE'S)。

井上 諸葛孔明やん! 戦局を見て人を動かす、みたいな。

真田 (笑)。Coldplayのジョニー・バックランド(G)もそういう考え方らしくて。きれいな旋律を出すための一部としてギターがあるというような。でも、ライブ中に絵で派手に魅せるというのは意識してますね。AC/DCのアンガス・ヤング(G)みたいな、ステージ上で動けるギタリスト。急に踊り出すのとかも、絵として見ていて面白いし。

──最近は安井さんもギターを弾いていますよね。

安井 今回のツアーが初エレキでしたね。

井上 そうなんですか!

安井 ずっと指の運動をやってます(笑)。

井上 最近ギターを始めたってことですか?

安井 去年の夏にアコギを始めました。

井上 エレキのほうが弾きやすくないですか?

安井 そうですね。あと、エレキはスタジオで弾いたときに「おおお!」ってなります(笑)。

真田 音圧がね(笑)。

安井 「すごい! カッコいい音!」みたいな。歌いながら弾くってすごく難しいんだなと感じています……。

──ライブやMVで使っているエレキギターはご自身のものですか?

安井 そうです。さなぴー(真田)と昔買いに行きました。

真田 「あのギター眠ってるよね? 弾こっか」って(笑)。どうしてもステムを入れないといけなくなっちゃうから、人数的に弾ける人がいるなら弾いたほうがいいかなと。

安井 「はい! やらせていただきます!」って感じでした(笑)。

──ボーカリストとして安井さんと井上さんが大事にしていることは?

安井 なんだろう? 前は自分の声があんまり好きじゃなかったんです。特徴的すぎて、ハマる曲とハマらない曲があるなと。でも、最近はそれも個性かなと思えるようになって。昔は「どうしたらこの感じが消えるかな?」ってなるべくアクを抜こうとしていたんですが、最近はあまりそういう変な意識をしないで自分の気持ちいい響きで歌おうと思うようになりましたね。

井上 自分の声が最初から好きな人はあんまり見たことがないな。みんなそうかも。僕は“表現”という部分に一番重心を置いているかもしれないですね。僕は昔から自分がうまく歌えている感覚がほぼなくて。小学1年生からピアノをやっていて音感はあったので、自分のピッチのズレが気になるし、10年以上コンプレックスを抱きながらずっと歌っていたんです。でも、そこをいい意味で気にしなくなって、表現に全振りするようになってからは歌うのが楽しくなって。音程が取れるとかビブラートがすごいという技術的なことよりも、人に届けようという気持ちで表現することのほうが自分にとって大事なんだろうなと思っています。

左から井上竜馬(Vo, Key / SHE'S)、安井謙太郎(Vo / 7ORDER)。

左から井上竜馬(Vo, Key / SHE'S)、安井謙太郎(Vo / 7ORDER)。

幸せな空間になればいいな

──対バンライブはTOKYO DOME CITY HALLで開催されます。

井上 僕らは初めての会場ですね。

安井 TOKYO DOME CITY HALLは縦に長いイメージがあって。昨日観に来てもらったガーデンシアターにちょっと近いかも。

井上 ガーデンシアターは天井が高かったですよね。

安井 あんな感じです。

真田 みんなこっちを見てくる感じなんですよ!

服部 どの会場でもみんなステージは見てきますから(笑)。

安井 (笑)。でも、確かに上から見下ろされているイメージですね。

──お互いのファンに向けて「ライブのここに注目してほしい」というポイントは?

井上 僕らはライブ中、ツンデレでいたいんです。曲の世界観によって「楽しもうぜ!」というときもあれば、「別にいいっすよ、見んといて」ぐらいに突き放して殻にこもる瞬間あったりする。その両方の押し引きを楽しんでほしいですね。初めて観てくれる人が多いところでライブをするのはワクワクします。限られた時間でたくさん曲をやって、SHE'Sの音楽を知ってもらいたいです。

左から服部栞汰(G / SHE'S)、真田佑馬(G / 7ORDER)、安井謙太郎(Vo / 7ORDER)、井上竜馬(Vo, Key / SHE'S)。

左から服部栞汰(G / SHE'S)、真田佑馬(G / 7ORDER)、安井謙太郎(Vo / 7ORDER)、井上竜馬(Vo, Key / SHE'S)。

真田 僕らは優しい曲を歌っていたかと思えば急に踊り出したり、ヘビーなギターがくることもあるかもしれないですけど、楽しんでもらえたらうれしいです。その場が幸せな空間になればいいなと思うし、そのために僕たちは全力で音楽をやるだけだなって。

安井 変なやつらだと思うので、初見だとびっくりする感じかもしれない(笑)。この前フェスに初めて出させていただいたときも、「Get Gold」という曲で途中で楽器を置いて踊るとき、お客さんが「えっ、何?」とびっくりしていたので。こういう機会がないとなかなか出会えることがないと思うので、「珍しい生き物を見れたな」という気持ちでSHE'Sのファンの皆さんに観ていただけたらうれしいです。

プロフィール

SHE'S(シーズ)

2011年に結成された、井上竜馬(Vo, Key)、服部栞汰(G)、広瀬臣吾(B)、木村雅人(Dr)からなる大阪発の4人組ピアノロックバンド。全作品のソングライティングを担う井上が奏でるピアノをセンターに据え、エモーショナルなロックナンバーからバラードソングまで壮大なスケール感で届ける。2012年に「閃光ライオット2012」でファイナリストに選出されたことをきっかけに2016年6月にメジャーデビューを果たした。2021年にバンド結成10周年、メジャーデビュー5周年のアニバーサリーイヤーに突入し、地元の大阪・吹田市での周年キックオフ公演を皮切りに、初の東阪野音ワンマンなど、さまざまな周年企画を敢行。その集大成として、2022年2月には初の東京・日本武道館公演「SHE'S in BUDOKAN」を開催した。3月にアニメーション映画「ブルーサーマル」の主題歌を表題曲としたシングル「Blue Thermal」を発表。5月に配信シングル「Grow Old With Me」をリリースし、9月より対バンツアー「SHE’S UNION Tour 2022」を開催した。

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