階段を1段ずつ登ってるから旬で終わらない

──デビュー以降、きゃりーぱみゅぱみゅの名前はすごい勢いで全国へ広まりましたね。関わるスタッフの数も増えたと思いますが。

巻き込んだ人の量が増えれば増えるほど普通はブレるじゃないですか。でも僕は増えれば増えるほど、きゃりーのプロジェクトはうまくいくっていう自信があるんです。それは先程も言ったように、チーム全員が同じ方向を向いてて、全員がきゃりーらしさをちゃんと伝えられる人間だから。チームが大きくなることは、応援団が増えるみたいなものです。

──プロジェクトが大きくなることで、輪の中心にいるきゃりーさん本人が変わってしまうということはないでしょうか？

ないと思いますよ。彼女が一番大変だし、一番がんばってると思いますけど、変わらず地に足が付いてる。僕らとしても彼女が19歳の女の子として当たり前のことをできたり、普通に育っていける環境を作りたいですね。結婚してもおばさんになっても「きゃりーぱみゅぱみゅ」でい続けることをサポートしてあげたいなって。

──なるほど。今お話を伺っていて、きゃりーさんは努力家で芯のある人なんだと改めて思いました。

そうなんですよ。良いことは「良い」、嫌なことは「嫌だ」、遅刻したら「すいません」、何かしてもらったら「ありがとう」ってはっきり言える子です。まあ当たり前なんですけど、ちゃんと言えるって大事ですよね。地に足付けて生きてるというか、自分なりの道をちゃんと歩んでるんじゃないかな。

──だからこんなに輪に広がっても、同じスタンスのままでやれているのかもしれませんね。

何事にも旬ってあると思うんですけど、彼女の場合、そうじゃなくてちゃんと階段を登ってってると思うんです。エレベーターじゃなくてちゃんと階段を1段ずつ登ってると思う。だから初心を忘れずラフォーレ原宿でイベントだってするし、最初のワンマンも「もっと大きいところでできるでしょ」なんて言われたけど渋谷CLUB QUATTROにしたんです。それをファンの方もちゃんと理解してくれているから、ブームじゃなくて「きゃりーぱみゅぱみゅ」っていうひとつのカルチャーになっていくんじゃないかなとは思いますね。

3つが揃えば絶対に世界を取れる

──1stフルアルバム「ぱみゅぱみゅレボリューション」は、きゃりーサウンドをまとめて聴ける集大成的な作品ですね。

名前は知ってるけどこの子何してるの？って思ってる人たちに届けばいいですね。「何してるかわからない子」にしたくないんです。ちゃんと歌を歌ってて、アーティストで、だけどファッションリーダーでもあって。そういう存在感をわかってもらえる作品だと思います。

──最後に、今後きゃりーぱみゅぱみゅはどうなっていくのか、目標も含めて教えてください。

これまでと変わらずに音楽もファッションも伝えていくと思うんですけど、そのチャンネルというか活動する場は無限だと思ってて。日本はもちろん、海外も視野に入れて活動していきたいですね。原宿カルチャー、中田くんのサウンド、きゃりーっていうアイコン、この3つが揃えば絶対に世界取れるって思ってますから。中国でもアメリカでもブラジルでも、世界中どこでもやっていけると思います。