音楽ナタリー PowerPush - 黒夢

清春の告白

今年デビュー20周年を迎え、7月よりこれを記念したロングツアー「黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP」を開催中の黒夢。2010年の本格再始動後、精力的に活動を続けてきた彼らだが、このツアーを“最後のロングツアー”と銘打っており、ファンを騒がせている。

今回ナタリーは、その真意を確かめるべく清春にインタビューを実施。黒夢としての未来、そしていちアーティストとしての彼のスタンスに迫った。

取材・文 / 小野島大 ライブ写真撮影 / 山内洋枝

 
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理想的な状態だから区切りを付ける

──今は長いツアーの前半が終わったところですが、手応えはいかがですか?

清春(Vo)

ツアーらしいツアーは15年ぶりぐらいなんですけど、今回のツアーをやる目的というのが、区切りというか……5年前に(黒夢を)復活させたんですけど、もともと94年にデビューして99年の無期限活動停止まで5年間しか活動してないんですよね。それで復活してからもちょうど5年。僕と人時くんは、黒夢が活動停止している間にソロ活動があって、僕の場合はsadsも含めて、それぞれ10年ぐらいやってるので、これでお互いの単独のミュージシャンとしての活動期間に黒夢の活動期間が追い付くんですよ。

──いろんな数が合致する。

そう。それで、これ以上やるのかやらないのか、ということを考えたんです。もともと黒夢ってパッと咲いてパッと散ろう、みたいなイメージがあったんですよ。持って2、3年かなっていう。当時は音楽自体にあまり自信がなかった頃ですから。ヴィジュアル系の創生期でしたけど、その中で売れるとか有名になることが目標だったんで。それが思いのほか続いて、認知もされてしまった。手に入れたいものが手に入ると、人時と不仲になってしまって。音楽的に2人でこれをやろうっていうものも特にないし、仲も悪いし、やる理由がない。それで活動停止したんですけど。でも今回の5年間というのは全然感覚が違ってるんですよ。お互い離れてやっていた10年間で、ミュージシャンとしての目覚めとか、経験とか、キャリアとか、若い頃とのビジョンの違いなどを経ての5年だったんで。

──なるほど。

だからこの5年間はちゃんと音楽をプレイすることを第一の目標としてやってきたんですよ。なので……今回のツアーはもちろん手応えはあるんだけど、なんか感じたことのない手応えなんですよ。以前とはまったく違う、別ものの意識の中で自然にやれちゃってるという。懐かしさもあるし、彼とまたバンドをやってるんだって喜びもあるし。僕ら2人の関係で言えば、91年に結成してるんですけど、そこから数えても今一番仲がいいですね。なぜかっていうと、1回バラけるって経験をしてるし、お互いがちゃんと音楽をやって生活している最中での再結成でしたから、94年からの5年間……何も見えないままやってた5年間よりは、ちゃんとしたアルバムも作れてるし、ツアーもちゃんとやれている。ライブでも出したい音が出せている。お互い大人になったね、前はこうじゃなかったよねって感じを分かち合いながら各地を回ってる感じですね。

──平たく言えば、非常に充実していると。

うん、そうですね。特にこの2年間……「黒と影」ってアルバムを作り始めてから現在までの2年間はお互いを尊敬できるような、そんな関係になってると思います。

──じゃあ理想的な状態じゃないですか。

うん、理想的ですね。当時の終わり方が最悪の終わり方だったんで、今はすごく理想的なんですよ。なので“理想的なまま続ける”んじゃなくて、“理想的な状態のまま区切りを付けたい”っていうのが僕らの中であって。

──ああ、その心理は一体どういう?

このままずっとやってたら、また壊れるんじゃないかって思うんです。このまま7年、10年ってやっていくうちに、違う理由で壊れるんじゃないかって予感が、たぶん2人の中でよぎるんですよね。僕らがクラッシュした理由ってツアーをやりすぎたからだと思うんですけど。100本以上やってましたからね。しかも前のツアーのときは一切一緒にいなかったんですよ。移動も違う、楽屋も違う、打ち上げも違うしホテルも違うって状態だった。でも今回は全部一緒ですからね。当時の5年間すべてよりも、このツアー──昔ほど体力もないので、50本程度ですけど──のほうが一緒にいる時間が長いんじゃないかっていうぐらい。でもこのまま続けていくと壊れてしまうんじゃないかっていう不安がどうしても拭えない。なのでいい状態のまま区切りたいっていう。

人時(B)

──それはお互いで話し合った結果なんですか?

いや、それは特に向き合って話してないんです。ただ、今いい感じだよね、楽しいねっていう雰囲気はすごくあって。人時くんは僕の考えてることが一番わかる人なんで、「清さん、(今回のツアー最終日の)2月9日になったら一旦休むんだろうな」って、なんとなく伝わってるんですけど。そんな感じですね。復活は人時くんから言ってきたんですけど、もう十分復活したんじゃない?っていう感じもありますからね。

──でもうまくいっているものをあえて止める必要はないんじゃないかって、素人考えでは思いますけど。

まあ解散はしないですよ、でも活動のペースは落とすでしょうね。……お互い黒夢しかやってないような当時のスタイルじゃないから。僕も……sadsはまた別として、この10年でソロミュージシャンとしての意識が強まって、ソロをずっとやっていきたいし、彼もいろんなバンドで弾いたり自分のソロもあるんで、それを続けていく。だから5年前と比べて“黒夢がない”という状態から“黒夢がある”という状態に変わってるんだけど、お互いの生活の中で見えてるものは変わらないっていう状態なんです。なのでやりたかったらやればいいし。でも相当やりたくなるまではやらないでおこうかな、とは思いますけど。

──今のバンドだったら、アルバムを作ってツアーやって2~3年お休みしてまたアルバム作って、ぐらいのペースでやっているケースは珍しくないですからね。

僕らの場合、毎年アルバム出してツアーしてましたから、“休む”って感覚がなかったんですよ。

──特に清春さんはそうですよね。

僕は毎年なんらかアルバム出しますしね。うちの親父もそうですけど、休むって感覚が全然ないんですよ。休んで、止まっていられる余裕があればいいけど、気持ち的にも物理的にも。黒夢しかやらないんだったらフルでずっとやり続ける。アルバム作ってツアーして、すぐまたアルバム作ってツアーして、っていう活動が、黒夢しかやらない場合は理想ですね。

──でも実際には、清春さんも人時さんも、黒夢しかやってないわけじゃない。よくバンドを長いことやってる人に聞くのは、そのバンドしかやってない状態だと、煮詰まることも多い。でもほかにアウトプットの回路があれば、すごく楽になるし、バンド内の関係性もよくなる、と。

はい。僕らもこの先そうなれるのかもしれないですね。来年の2月にツアーが終わるんですけど、20周年が終わるとかツアーが終わる寂しさをまだ感じてないんで。もしかしたらこの先もやろうって気持ちになるかもしれない。ただ、なんとなく「やらないんだろうな」っていう予感はある。

New Single(ライブ会場限定販売)タイトル、価格未定
発売会場

2015年2月3日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
2015年2月5日(木)大阪府 なんばHatch
2015年2月9日(月)愛知県 Zepp Nagoya

※上記3公演のチケットをお持ちのお客様のみご購入いただけます。各会場とも販売数量には限りがございます、予めご了承下さい。

黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP VOL.2「毒と華」
  • 2014年12月4日(木)福島県 郡山HIP SHOT JAPAN
  • 2014年12月5日(金)岩手県 Club Change WAVE
  • 2014年12月12日(金)京都府 京都FANJ
  • 2014年12月13日(土)京都府 京都FANJ
  • 2014年12月14日(日)滋賀県 SHIGA U★STONE
  • 2014年12月20日(土)富山県 MAIRO
  • 2014年12月21日(日)長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
  • 2014年12月23日(火・祝)神奈川県 yokohama Bay Hall
  • 2014年12月24日(水)神奈川県 yokohama Bay Hall
  • 2014年12月30日(火)大阪府 なんばHatch
  • 2014年12月31日(水)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2015年1月6日(火)東京都 新宿LOFT(ファンクラブ会員限定)
  • 2015年1月7日(水)東京都 新宿LOFT(ファンクラブ会員限定)
  • 2015年1月10日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2015年1月11日(日)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2015年1月16日(金)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2015年1月17日(土)北海道 札幌PENNY LANE24
  • 2015年1月21日(水)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2015年1月22日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2015年1月28日(水)大阪府 BIGCAT(ファンクラブ会員限定)
  • 2015年1月29日(木)愛知県 THE BOTTOM LINE(ファンクラブ会員限定)
  • 2015年1月30日(金)神奈川県 CLUB CITTA'
  • 2015年2月3日(火)東京都 新木場STUDIO COAST
  • 2015年2月5日(木)大阪府 なんばHatch
  • 2015年2月7日(土)岐阜県 岐阜club-G
  • 2015年2月8日(日)岐阜県 岐阜club-G
  • 2015年2月9日(月)愛知県 Zepp Nagoya

2015年1月、2月公演はイープラスにて2次プレオーダー申し込み、12月8日(月)23:59まで受付中!

スマートフォン向け音楽プレイヤーアプリ「黒夢公式アプリ」
黒夢(クロユメ)

清春(Vo)と人時(B)の2人からなるロックバンド。1994年2月にシングル「for dear」でメジャーデビューし、「優しい悲劇」「Like @ Angel」「少年」など数々の名曲を発表。1995年5月にリリースされたアルバム「feminism」以降、すべてのアルバムがチャート上位を記録する。しかし人気絶頂のさなか、1999年1月に無期限活動休止を発表。その後、清春はsadsを結成し、人時もソロプロジェクトを始動する。2009年1月に日本武道館にて解散ライブを開催し活動に一旦終止符を打つも、翌2010年1月に再始動を発表。2011年2月にシングル「ミザリー」をリリースしたほか、同月に国立代々木競技場第一体育館にて復活ライブを敢行。同年11月に復活後初めてとなるアルバム「Headache and Dub Reel Inch」、2014年1月にアルバム「黒と影」をリリースした。2014年7月より最後のロングツアーと銘打ち「黒夢 DEBUT 20TH ANNIVERSARY TOUR 2014 BEFORE THE NEXT SLEEP」を開催中。