音楽ナタリー Power Push - コレサワ

私からしか生まれない“自営ポップ”

“聴き流される”のが一番つらい

──2曲目の「ショートカットに憧れて」や4曲目の「シンデレラ」は、とてもコレサワさんらしい曲という印象でした。

そうですね。女子感がヤバいです。この2曲は以前から歌っている曲で、ライブでの評判がよかったので「作品に入れたいな」って思っていた曲ですね。

──未発表の曲をライブで歌って、周りの評判や反応を見ながら作品作りに反映させることはよくあるんですか?

コレサワ

そうですね。自分が作る曲は、できたときは全部いいと思ってライブでやるんですけど、やっぱり反応が返ってくる曲と、返ってこない曲があるんです。

──この2曲に関してはどんなリアクションがありました?

「ショートカットに憧れて」は女の子が歌詞に共感してくれるし、男の人も「キュンキュンする」って言ってくれます。ストーリー仕立てだから感情移入できるのかな。あと私がロングヘアーだから、リアルに伝わるのかもしれないです。

──確かに、曲の世界をイメージしやすいかもしれません。

はい。だからこの歌を発表したら、もう髪の毛切れないなと思って(笑)。私も実際ショートカットに憧れているし「切りたいな」とも少し思うんですけど。

──しばらくはロングヘアーで過ごす感じでしょうか。

そうですね。

── 「シンデレラ」はいつ頃から歌っている曲なんですか?

これは「ショートカットに憧れて」より前……2年ぐらい前からですね。この曲はバンドメンバーのプレイがカッコいいから、長いセットのライブのときにメンバー紹介も兼ねてやる曲なんです。なのでCDに入れるとなったときも、いつもライブをやっているメンバーでガッと録りました。

──レコーディングはいかがでしたか?

いつものメンバーやし、そんなにきっちりとせずライブ感を意識して録りました。なので「シンデレラ」は聴いていて一番“生感”を感じられる曲だと思います。

──歌詞についても聞かせてください。「シンデレラ」は特に、聞き手をキュンとさせるようなコレサワさんらしいフレーズが並んでいると思います。言葉選びに関して、意識していることはあるんですか?

コレサワ

あんまり考えてないです。「シンデレラ」って歌詞だけ見たらちょっとエッチなんですけど、「エッチやなー!(笑)」って思いながら、ふざけて部屋で書いてただけなんです(笑)。でも楽曲自体がアップテンポで華やかなので、全然エッチさは気にならないですよね。歌詞の中に「ドキがムネムネよ」ってフレーズがあるんですけど、これは高校のとき中退しちゃった女の子が口癖のようにずっと「ドキがムネムネ」って言っていたのを思い出して。「あの子元気かな?」って思いながら使ってみました。

──このフレーズ、すごくアクセントになっているなと思いました。ちなみにコレサワさん、歌詞を書くのとメロディを作るのとではどっちが楽ですか?

楽なのは曲ですね。曲のほうがなんとでもなる感じがあります。でも、いいメロディが生まれたときよりは、いい歌詞を書けたときのほうが「よっしゃあ」って思うかな。“聴き流される”のが一番つらいから。それを、印象的な言葉でどうやっていろんな人の耳に引っ掛けるかっていうことは、すごく悩みますね。

人任せにしてたら結局変わらない

──そして、3曲目の「バックアップ」がこれまでの曲にない新しい感じで。

新しいですよね。

──この楽曲は、どういったところから生まれたんでしょうか。

コレサワ

「J-POP」と「バックアップ」はアレンジャーさんに付いてもらったんです。この「バックアップ」はヤマモトショウさんにお願いしました。ショウさんがふぇのたすっていうバンドをやられていたときからずっと存在は気になっていて、今回「ああ、ショウさんとやってみたいなあ」とお願いしました。そうしたら本当に携わってくださることになって、「ショウさんとやるならこういう曲がいい」とイメージして、ばーっと曲を書き上げた感じです。

──アレンジに関してはヤマモトショウさんにお任せだったんですか?

そうですね。私はアコギで弾き語りした音源しか送りませんでした。「コレサワ×ヤマモトショウぐらいの勢いで作ってください!」ってお願いしたので、アレンジに関しては本当に丸投げでしたね。

──デジタルサウンドが印象的なポップなサウンドに仕上がっていますが、このアレンジをコレサワさんが聴いたときの第一印象はいかがでした?

自分が絶対やらないような感じだから「新鮮やなあ」っていうのがまず一番にありました。それと「バックアップ」って携帯やパソコンの作業で使う言葉なので、ちょっと機械っぽい感じとも合っていたのでいいなあと思って。

──とは言えクラップの音だったりコーラスの感じはどこか聴き馴染みがあって「コレサワさんの曲らしいな」とも思ったんですが、そういうところもまったく指示をせずという感じですか?

あんまり言ってないです。「飛行機の音を入れてください」ぐらい。

──なぜ飛行機の音にこだわりを?

海外とかに、自分を探しに行く人のイメージです。この曲を作る前、うちも「新しいことをやったら自分が変われるのかな?」って考えていた時期があって。免許を取るか英会話教室に通うか、マネージャーさんにすごい相談してたんですけど(笑)、そんなときに友達とお風呂屋さんに行ったら「そうやって何かに変えてもらおうと思ってるうちは変わらんで」って言われたんです。

──そうなんですね。

コレサワ

うちは教習所に変えてもらおうと思ってたし、英会話教室の先生に自分を新しい方向に変えてもらおうって思ってたけど、人任せにしてたら結局変わらないってことを風呂場で気付かせてもらって、自分の考えが変わったんです。「自分がちゃんと変わりたい」って思わなきゃ意味がないし、変わるきっかけを自分で見つけなきゃいけないし。そのきっかけがうちは友達だったんですけど、そこから曲がすごく作りやすくなって、「ジエイポップ」の制作が波に乗ったんです。

──歌詞の中に「何かに変えてもらおうだなんて 思っているうちは変わらないってこと ランチをしてたら友達に言われた」とありますけど、このくだりは実話だったんですね。ランチは本当はお風呂で。

そうですね。

──「バックアップ」の仕上がりは、コレサワさん的にはいかがですか。

歌っていて、めっちゃ楽しいです。「バックアップ」は新しいコレサワを垣間見れるというか……ずっとこういう曲がやりたかったんですよ。けど「柄じゃないな」とか、「今までのタイプじゃないな」って思っていたからやらなかったんですけど、やっぱりやりたいことをやればいいかなって。こういうエレクトロっぽい曲は、前から好きだったんです。それを自分がやってみたら、こうなったって感じです(笑)。

ミニアルバム「ジエイポップ」/ 2016年9月21日発売 / 1300円 / RECO RECORDS / RECO-004
「ジエイポップ」
収録曲
  1. J-POP
  2. ショートカットに憧れて
  3. バックアップ
  4. シンデレラ
  5. おやじ

「J-POPしか歌えないっツアー 仲間編」

2016年10月29日(土)
東京都 渋谷Star Lounge
出演者コレサワ / フレンズ
2016年11月2日(水)
愛知県 ell. SIZE
出演者コレサワ / MOSHIMO / CHAI
2016年11月3日(木・祝)
大阪府 FANJ twice
出演者コレサワ / 絶景クジラ
2016年11月5日(土)
福岡県 Queblick
出演者コレサワ / みるきーうぇい / パノラマメロウ
2016年11月12日(土)
宮城県 FLYING SON
出演者コレサワ / GOOD BYE APRIL / ∞Z

「J-POPしか歌えないっツアー ぼっち編」

2016年11月27日(日)
東京都 gee-ge.
出演者コレサワ / macico
2016年12月4日(日)
北海道 musica hall cafe
出演者コレサワ / LOVERSSOUL
2016年12月10日(土)
静岡県 LiveHouse窓枠Cafe「AOZORA」
出演者コレサワ
2016年12月11日(日)
京都府 京都ROOTER×2
出演者コレサワ / 金木和也
2016年12月17日(土)
新潟県 Blue Cafe
出演者コレサワ / and more
2016年12月18日(日)
広島県 音楽喫茶 ヲルガン座
出演者コレサワ / 渕上里奈
2017年1月7日(土)
香川県 SPEAK LOW
出演者コレサワ / and more

nana x コレサワ「バックアップ」コラボコンテスト

nana×コレサワpresents コレサワ「バックアップ」コラボコンテスト

「ジエイポップ」の発売を記念して、音楽SNSアプリ「nana」では「『バックアップ』コラボコンテスト」を開催。新曲から定番曲まで、nanaにアップされているコレサワ楽曲すべてが審査対象で、審査にはコレサワ本人も参加する。
最優秀賞受賞者にはコレサワと楽曲レコーディングができる権利がプレゼントされる。また優秀賞受賞者は10月より開催されるコレサワの全国ツアー「J-POPしか歌えないっツアー」へ招待され、コレサワとグリーティングすることができる。

<応募期間>
2016年8月19日~2016年9月18日23:59
<企画ページ>
http://nana-music.com/topics/nanakoresawa/
コレサワ
コレサワ

大阪出身の女性シンガーソングライター。日常の風景を独自の視点で切り取ったポップなナンバーを得意としている。またメディアに顔出しをせず、「れ子ちゃん」と言われるクマのキャラクターがビジュアルを担当する。2015年4月に、初の全国流通盤であるミニアルバム「君のバンド」を発表。8月にテレビ東京「廃墟の休日」エンディングテーマに使用された「シュシュ」を配信リリースした。12月には2ndミニアルバム「女子、ジョーキョー。」を発表。2016年9月に3rdミニアルバム「ジエイポップ」をリリースする。10月からはバンド編成によるツアー「J-POPしか歌えないっツアー 仲間編」を、また11月からは弾き語りツアー「J-POPしか歌えないっツアー ぼっち編」を実施する。