音楽ナタリー PowerPush -こゑだ

ソロとして届ける「はじめまして」

2011年に弱冠15歳でsupercellのゲストボーカルオーディションに合格し、同ユニットの2013年のアルバム「ZIGAEXPERIENTIA」で鮮烈な印象を残した、こゑだ。年齢を感じさせないボーカリストとしての圧倒的な技量と強烈な個性は人々の耳を奪うものだった。それから2年、ついに彼女はミニアルバム「Nice to meet you.」でソロデビューを果たす。タイトル通り“自己紹介”を兼ねたこの1枚で、彼女は作詞作曲をも担当し、自身の世界観を人々に伝える作業に取り組んだという。ボーカリストという範ちゅうを超えて、作り手としての知られざる表情を見せ始めた彼女。作品作りの難しさや衝撃的な闘病を乗り越えて完成させた今作について、いまだ19歳の才能は自分自身で何を思うのか。

取材・文 / さやわか 撮影 / 笹森健一 

 
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メロディと歌詞で自分の世界がさらに伝えられる

こゑだ

──こゑださんは、過去にsupercellのゲストボーカリストとして活動してきました。今回はついにミニアルバム「Nice to meet you.」を発表してソロデビューとなります。自身の名前でCDが出ることについて、どんな気持ちですか?

今までは歌で自分の世界観を表現していたんですけど、今回は作詞作曲も自分で手がけたので、メロディや歌詞でも自分の世界を伝えることができるようになりました。今まであまり表に出ていなかったぶん、聴いた人からどういう反応が返ってくるかという不安もありますけど、今はまず自分の世界をさらに皆さんに知ってもらえるのがすごくうれしいです。

──もともと自分で曲を作ることはあったんですか?

ゲストボーカルとしてデビューしてからは歌に徹していたんですけど、趣味で曲作りを楽しんだりはしていたんです。でもそれを人に聴いていただきたいとはあまり思っていなくて、いずれこれが皆さんに届く日が来ればいいなというくらいの感じでした。はっきりと自分の作ったものを聴いてもらえるんだなと自覚したのは、今回ソロデビューの話をいただいたときで。

──趣味で作っていた頃の曲も今回のミニアルバムに収録されているんですか?

高校1年生くらいのときに曲を作り始めたんですけど、今回収録した「DanSin'」は、2番目に作った曲なんです。トイレでボーッと壁の模様を見たり、トイレ内にお母さんが飾っていた写真集の表紙を見たりして妄想していたら浮かんできたのがこの曲で。だけどソロデビューが決まってからは仕事として作らなきゃいけなくなって……私はすごく負けず嫌いなところもあるので「自分には絶対に曲が作れる」というプレッシャーをかけてしまったところがあるんですよ。そのせいでかえって作れなくなってしまって。例えば「Endless end.」なんかは、スランプのときの曲という印象がありますね。そういう意味では、昔の自分から今の自分まで、いろんな頃の自分が入ったミニアルバムになったと思います。

こゑだ

──周囲の人に作ったものを聴いてもらうときはどんな気持ちでした?

聴いてもらう前はかなり不安でした。「DanSin'」は楽しく作った曲なので、もう誰に何を言われても「これは絶対にいいんだ」と思えていたんですけど、「Endless end.」は、「これをみんなどう思うんだろう……」みたいな思いがあって。それに仮の状態のものを人に聴いていただくのも初めてでしたしね。でもどの曲も皆さんからの評判がよくてうれしかったというか、どれか1つがいいというのではなくて、全体的に好いてもらえたんですよ。それがよかったなと思います。

「両極端」が出た

──今回、作った中で特に印象に残っている曲は「DanSin'」と「Endless end.」ですか?

すべての曲が自分の子供みたいな感じなので、どれが印象深いということもないですね。歌詞も、どこかしら自分の心の中にあるものを書いているので。「おやすみ」に関しては自分がつらいなと思っているときに言われたい言葉だし、「w.t.s.」に関しては、言いたいこともあるし聞きたいこともあるんだけどなかなか言い出せない自分の恋愛感情みたいなものが出ています。「Lovism」は、自分の嫉妬深い側面を出せたらいいなと思って作った曲です。「w.t.s.」は心に秘めているんだけど、「Lovism」は自分の心にあるものを相手に押しつけちゃう感じなんですよね。

──なるほど。

こゑだ

また私はいつも自分と一緒にいてくれる人には悲しい思いをしてほしくないなと思っているんです。お仕事の現場もそうなんですけど、ちょっとピリつく空気とかあるじゃないですか。それを自分がいることによって極力やんわりできたらいいなみたいに思っていて。そんな楽しい感じを入れたいと思って作ったのが「Happy☆Day」。そうやって、自分のいろんな側面が出てるんです。

──ソロアルバムならではの、こゑださん自身のいろんな面が出た1枚なんですね。

はい。今回のアルバムの制作で、自分は意外とネガティブな面を持っているんだなとわかりました。人からは「すごく極端」って言われます。うれしいことはワイワイ楽しめるんですけど、悲しいことがあるとすごく落ち込んじゃったりして。その両極端のところが、今回のミニアルバムには出たんじゃないかなと思います。

「Nice to meet you.」リリースパーティ

2015年6月28日(日)東京都 TSUTAYA O-WEST

こゑだ 1st Mini Album「Nice to meet you.」発売記念イベント サイン&握手会

2015年6月6日(土)福岡県 アニメイト福岡天神
[1回目]OPEN 12:30 / START 13:00
[2回目]OPEN 15:00 / START 15:30

2015年6月7日(日)東京都 SHIBUYA TSUTAYA
START 13:00

こゑだ

福岡県出身の女性シンガーソングライター。2011年に開催されたsupercellのボーカリストオーディションで、当時15歳にして約2000人の応募者から選出され、2013年11月にリリースされたsupercellのアルバム「ZIGAEXPERIENTIA」でボーカルを担当した。2015年6月にミニアルバム「Nice to meet you.」でソロデビュー。ソロ作品では作詞作曲も自身で行っている。