音楽ナタリー Power Push - 「KNOTFEST JAPAN 2016」
クラウン(Slipknot)×ROTTENGRAFFTY
国境を超えたイベント論
11月5、6日に千葉・幕張メッセ国際展示場9~11ホールにてSlipknot主催のフェス「KNOTFEST JAPAN 2016」が開催される。音楽ナタリーではこのイベントを盛り上げるため3回にわたり特集を展開する。
1回目はSlipknotのショーン“クラウン”クラハン(Per, Cho)と、イベントに出演するROTTENGRAFFTYの座談会をお届け。ROTTENGRAFFTYも自主企画フェス「ポルノ超特急」を開催しているとあって、話題は「KNOTFEST JAPAN 2016」から自主企画イベントのだいご味などについてまで、多岐にわたった。
取材・通訳 / ポゲデ ティアナ 直子 文 / 小林千絵 撮影 / 三浦健太郎
Slipknotに衝撃を受けたNOBUYA
──2組は今日が初対面ということですが、NOBUYAさんは2000年に行われたSlipknotの最初の来日ツアーを観に行ったそうですね。
NOBUYA(Vo / ROTTENGRAFFTY) はい。大阪のBIGCATに友達と観に行きました。CDを聴いて「こんなバンドがおるんや!」って衝撃で。ライブでは楽曲のクオリティとか演奏のクオリティもすごいんですけど、何よりパフォーマンスがすごいと思った。表現がよくないかもしれないんですけど、めちゃくちゃ凶暴なサーカスみたいだったんですよ。Slipknotから一番刺激を受けたところって、そういうライブでのパフォーマンスかもしれないです。
クラウン(Slipknot) 「パフォーマンスがいい」って言ってもらえることは最大級の褒め言葉だ。ありがとう。音楽はもちろん曲やテクニックも大事なんだけど、Slipknotはショー、パフォーマンスをすごく大切にしてるんだ。だからそこを魅力として挙げてくれたのはすごくうれしい。
NOBUYA あとサビのメロディにも刺激を受けたよ。「そのフレーズ欲しいな」って思うこともあるくらい。
クラウン ありがとう。僕たちにとってもメロディは大きなパーツであって……メロディと不協和音の統合って言うのかな。メロディについて言ってくれるのもうれしいな。
「KNOTFEST」と「ポルノ超特急」
──「KNOTFEST」の魅力はなんだと思いますか?
クラウン 「KNOTFEST」はアートであり、パフォーマンスであり、夢であり、悪夢であり、愛であり、名誉であり……いろんなバンドがつながるきっかけにもなっていて光栄だね。日本、アメリカ問わずにいろんなバンドが同じイベントに出るというのは、お金もかかるけど、すごく素晴らしいことだと思う。これがロックンロールなんだよ。
NOBUYA 僕らはあまり海外に出て行く機会がないんです。友達のバンドが海外のフェスに出ていったり、BABYMETALが海外で人気が出ているのをうらやましいと思って見ていて。だから今回、Slipknotが日本に来てフェスをしてくれて、大好きな海外のバンドと競演できるのは奇跡ですね。最大のチャンスだと思ってます。
──ROTTENGRAFFTYも音楽フェス「ポルノ超特急」を自分たち主催で行っていますよね。自分たち主催のフェスの魅力はなんでしょうか?
N∀OKI(Vo / ROTTENGRAFFTY) 仕事っぽくないって言うんかな。出番が終わってもみんな会場に残って、最後のバンドを盛り上げる感じがいいですよね。全国で世話になったバンドとかライバルとかと、仲間の絆を深められるのが魅力だと思います。
クラウン 僕にとってもそうで、「KNOTFEST」は仕事じゃない。本当に夢みたいな時間ですごく幸せ。
N∀OKI Slipknotもいつか「ポルノ超特急」に出てください! 僕らの夢叶えてください。
クラウン もちろん! マネージャーの電話番号渡すね(笑)。
N∀OKI わあ! ほんまにいつか出てくれたら最高やな。
HIROSHI(Dr / ROTTENGRAFFTY) そうやな。
「KNOTFEST JAPAN 2016」に向けて
──「KNOTFEST JAPAN 2016」の出演者の中で、気になるバンドを1組ずつ教えてください。
NOBUYA これまでに聴いてきたバンドばっかりなんですけど……1バンド挙げるとしたらDeftonesかな。Deftonesはダークなところがすごく好きで。生で観れるのもうれしいんですけど、同じイベントで同じ日にやれるっていうのが夢でしかない。
クラウン Deftonesは何回か一緒にやってるけど、すごく素晴らしいバンドだね。僕は1バンドを挙げることはできないなあ。アメリカのバンドはみんな友達だし、日本のバンドは知らないバンドもいるけど楽しみ。ROTTENGRAFFTYのライブ中はステージ袖で観てるよ。
侑威地(B / ROTTENGRAFFTY) おお! ありがとうございます。
クラウン 僕はいろんなバンドとすぐ友達になるんだよ。前回「KNOTFEST」に出たONE OK ROCKとも友達だしね。だからROTTENGRAFFTYとも仲よくなれてうれしいんだ。人と出会えるのがロックのいいところだと思う。
──では最後に「KNOTFEST JAPAN 2016」への意気込みを教えてください。
クラウン 日本はすごく大好きな国だし、日本に来るたびにいい影響をもらえるので、今回戻って来れてすごくうれしいよ。今すごく興奮してるし、「KNOTFEST JAPAN 2016」での経験を次の作品につなげていきたいと思ってる。いろんなアーティストのライブを観て、インスピレーションを受けられるのもすごく楽しみだな。
NOBUYA 「KNOTFEST JAPAN 2016」の出演者の中で、ROTTENGRAFFTYが一番日本っぽいバンドだと思うんですよ。まさか僕らが呼ばれると思ってなかったし、SlipknotはROTTENGRAFFTYを結成したときからメンバーみんな聴いていて、一番刺激を受けたバンドなので、とにかくすごく光栄です。
N∀OKI CDもTシャツも持ってるし、本当にSlipknotをリスペクトしてるんですよ。まさか競演することになるとも思わないくらい、むちゃくちゃ遠い存在やったのに。今、話をしてるのも感動だし、当日は夢が叶って泣きそうですね。
クラウン ありがとう。僕たちにとって「KNOTFEST」はフィロソフィーなんだ。たくさんのアーティストと一緒にプレイするのが楽しいし、皆さんが「『KNOTFEST』に出れてうれしい」と言ってくれることをすごく光栄に思う。いつかは日本での「KNOTFEST JAPAN」じゃなくて、アメリカの「KNOTFEST」にも出てもらいたいね。
N∀OKI おお! うれしい。ありがとう。
- CONTENTS INDEX
- クラウン(Slipknot)× ROTTENGRAFFTY 座談会
- クラウン(Slipknot)× Crossfaith 座談会
- 「KNOTFEST USA 2016」SiM密着レポート&MAN WITH A MISSION、Slipknotライブレポート
KNOTFEST JAPAN 2016
- 2016年11月5日(土)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - <出演者>
Slipknot / Deftones / Disturbed / A Day To Remember / Hoobastank / Issues / SiM / RIZE / ROTTENGRAFFTY / OLDCODEX / coldrain / Crystal Lake
オープニングアクト:a crowd of rebellion / Survive Said The Prophet / jealkb / THE SIXTH LIE - 2016年11月6日(日)
千葉県 幕張メッセ国際展示場9~11ホール - <出演者>
Slipknot / Marilyn Manson / Lamb of God / In Flames / Anthrax / Butcher Babies / MAN WITH A MISSION / the GazettE / Crossfaith / MUCC / HER NAME IN BLOOD / CRAZY N' SANE
オープニングアクト:THE冠 / 魔法少女になり隊 / 彼女 in the display / SALTY DOG
Slipknot(スリップノット)
アメリカで結成されたヘヴィメタルバンド。1999年にリリースした1stアルバム「SLIPKNOT」が世界的な大ヒットを記録した。各メンバーがそれぞれユニークなマスクを被ってパフォーマンスをすることでも知られ、2000年2月には初来日公演を成功させた。2012年から開催していた自主企画イベント「KNOTFEST」を、2014年には「KNOTFEST JAPAN」として日本で開催。ONE OK ROCK、MAN WITH A MISSION、SiM、Crossfaithら日本のアーティストが出演した。2016年10月に2度目の「KNOTFEST JAPAN」を開催する。
ROTTENGRAFFTY(ロットングラフティ)
NOBUYA(Vo)、N∀OKI(Vo)、KAZUOMI(G, Programming)、侑威地(B)、HIROSHI(Dr)により1999年に京都で結成されたロックバンド。パンクやラウドロック、打ち込みなどさまざまな要素を取り入れたミクスチャーロックサウンドが魅力で、関西を中心に精力的なライブ活動を行う。2001年2月にミニアルバム「RADICAL PEACE×RADICAL GENOCIDE」をリリース。2003年3月発売のミニアルバム「SYNCHRONICITIZM」ではIKUZONE(Dragon Ash)をプロデューサーに迎え、楽曲に更なる厚みを加えた。同年11月にシングル「悪巧み~Merry Christmas Mr.Lawrence」でメジャーデビュー。その後も数々の作品を生み出し、2006年にJ(LUNA SEA)が立ち上げた新レーベル「INFERNO RECORDS」に移籍。シングル「マンダーラ」をリリースした。その後、2010年に約4年ぶりとなるアルバム「This World」を発表し、ロックファンに健在ぶりをアピール。2011年にはベストアルバム「SILVER」「GOLD」を発表、レコ発ツアーは各地でソールドアウトとなる。2013年にリリースした5thアルバム「Walk」がバンド史上最高セールスを記録。約8カ月にわたる全国ツアーも大成功に収めた。2014年6月に5thシングル&DVD「世界の終わり」を発表。2016年10月に6thシングル「So...Start」をリリースした。
2016年10月19日更新