03. 人から箱男(筋少×カラオケDAMコラボ曲)
作詞:大槻ケンヂ 作曲:本城聡章
──昨年リリースされたシングル曲です。もともと今回のアルバムにも入れる予定だったんですか?
大槻 そうですね。
橘高 アルバムで聴いてほしい気持ちもあって。マスタリングも新しいものになってます。
──カラオケDAMとのコラボ曲ということで、同曲を歌うキャンペーンも展開されました。
大槻 あのキャンペーンは、なかなかバカイベントでよかったですね。メンバーがそれぞれカラオケで1曲ずつ歌うんですけど、みんなあんまりカラオケ行かないからキーが誰も合ってなくて。「愛のメモリー」とか入れるから(笑)。
橘高 キー合わせすらまともにできない(笑)。一般的なよくある光景だよね。
04. サイコキラーズ・ラブ
作詞:大槻ケンヂ 作曲:本城聡章
大槻 僕はラジオをよく聴くんですけど、J-POP的なものが流れてくるのを聴くと、みんな真っ当なことを歌ってるんですよね。そういうJ-POP的なメロディに乗せて奇妙なことを歌う曲ってあまり聴いたことないから、自分で作ってみようと思って。サイコキラー同士が出会い、支え合って生きていこうという歌詞にしてみたんです。
──男女2人共サイコキラーというのがポイントですね。
大槻 8曲目の「告白」もそうですけど、「人の心があまりよくわからない人の歌を作ろう」というのが今回のテーマの1つにあったんです。
橘高 この詞で、この楽曲っていうのが筋少らしさなんだよね。ここで「Future!」の名のもとに、この曲を新曲として発表してるところが今回のアルバムの軸じゃないかなと思いました。
大槻 「Future!」という言葉には非常にポジティブで明るい印象がありますけれども、僕は「人として美しく真っ当な人生を送ってる人にだけ未来があるわけじゃないだろう」と思っていて。どんな精神的マイノリティにも未来はあってしかるべきだという気持ちを歌いたかったんですよね。
05. ハニートラップの恋
作詞:大槻ケンヂ 作曲:内田雄一郎
内田 昔からGSっぽい曲をたまに作っていて、そろそろまたやろうかなと思って楽しく作りました。実はこれ、人間椅子とやったコラボ曲「地獄のアロハ」のときに出したデモが基になってるんです。「ワジー(和嶋慎治)だったらこのGS感をどう料理するかな」と思ってたら、採用されなくて(笑)。
本城 よかった。今回のために残してくれて(笑)。
大槻 歌詞のイメージは、映画「パルプ・フィクション」のジョン・トラボルタとユマ・サーマンです。あの音楽もサーフロックみたいなイメージでしたね。
橘高 最初はもうちょっとGS寄りだったんだけど、「パルプ・フィクション」っぽさが詞も含めて出てきたので、トレモロのギターを入れたりして、サーフロックメタルという新機軸を打ち出してます。
大槻 ほかの曲もそうだけど、特に「オーケントレイン」と「ハニートラップ」は、内田くんとおいちゃん(本城)がやってるFoo-Shah-Zooというバンドのボーカル・扇愛奈ちゃんがコーラスを入れてくれたのが、かなりフックになってますね。
06. 3歳の花嫁
作詞:大槻ケンヂ 作曲:本城聡章
──「3歳の花嫁」はアルバムの最後を飾るかもしれなかった曲ですね。
橘高 大槻くんの設計図では、最近ライブでメンバーが歌うコーナーがあるから、橘高、本城、内田の3人で歌える曲もあったらいいんじゃないかってことで。間奏で本城くんがギターソロを弾いて、次に俺のソロ、内田くんのベースソロがあるのは、3人で歌ってセンターでソロ回しをする展開の名残です。結局、大槻くんが歌ったほうがいいねということになって。
大槻 詞を書いたら、どうしても3人で歌う感じにならなかったんです。
本城 「3歳の花嫁」だし、3並びでいこうと思ってソロ回しは残しました。
大槻 「余命1ヶ月の花嫁」とか、“花嫁シリーズ”ってあるじゃないですか。だから僕も「余命いくばくもないお父さんと3歳の娘との結婚式」を映画化したら当たるんじゃないかなと思って、本当は小説で書こうと思ってたんですけど、この曲でアイデアを使っちゃいました。今だったらお父さん役は誰だろうな? ちょっと前だと、大沢たかおさんといったあたりかな(笑)。さっき言った「深夜特急」も大沢さん主演でドラマ化されてましたよね。
橘高 キャスティングまで決まってんだ?(笑)
──歌詞に登場する「フラッシュ・ゴードン」のサントラのくだりも世代的にグッときました。
橘高 俺はQueenマニアですけど、あのサントラで一番好きだったのが「The Wedding March」だったんです。
大槻 「フラッシュ・ゴードン」はダメ映画としても有名ですけど、逆にそのダメさがポップで最近の映画ではギャグとして使われるんです。「テッド」とか。そういう意味合いで使いたい気持ちもあったんですよね。
──これ、映画化いけそうな気がします。
大槻 ちょっと真面目に考えちゃうよね。逃げた嫁の役は誰かなあ。でもきっと、「3歳の花嫁」は映画としては絶対出来が悪いんだよね(笑)。で、筋肉少女帯が原作なのに、ぬるいJ-POPが流れて終わるという。おかしいだろ!(笑)……あっ、大泉洋さん主演がいいね! 大泉洋さん決定! 次、行きましょう。
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07. エニグマ
- 筋肉少女帯「Future!」
- 2017年10月25日発売/ 徳間ジャパンコミュニケーションズ
-
初回限定盤A [CD+Blu-ray]
5400円 / TKCA-74581 -
初回限定盤B [CD+DVD]
4860円 / TKCA-74582 -
通常盤 [CD]
3240円 / TKCA-74583
- CD収録曲
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- オーケントレイン
- ディオネア・フューチャー
- 人から箱男(筋少×カラオケDAMコラボ曲)
- サイコキラーズ・ラブ
- ハニートラップの恋
- 3歳の花嫁
- エニグマ
- 告白
- 奇術師
- わけあり物件
- T 2(タチムカウver.2)
- 初回限定盤A Blu-ray / 初回限定盤B DVD 収録内容
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「猫のテブクロ完全再現+11(赤坂版)LIVE」2017年3月20日(月・祝) 赤坂BLITZ公演よりアルバム完全再現パートを全曲収録
- 筋肉少女帯 New Album「Future!」発売記念「一本指立ててFuture!と叫べ!ツアー」
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- 2017年11月11日(土)愛知県 名古屋 CLUB QUATTRO
- 2017年11月16日(木)東京都 EX THEATER ROPPONGI
- 2017年11月25日(土)大阪府 BIGCAT
- 2017年12月10日(日)東京都 赤坂BLITZ
- 筋肉少女帯(キンニクショウジョタイ)
- 1982年に中学の同級生だった大槻ケンヂ(Vo)と内田雄一郎(B)によって結成。インディーズでの活動を経て、1988年にアルバム「仏陀L」にてメジャーデビューを果たす。1989年に橘高文彦(G)と本城聡章(G)が加入し、「日本印度化計画」「これでいいのだ」「踊るダメ人間」などの名曲を発表。特に「元祖高木ブー伝説」はチャートトップ10入りを記録し、大きな話題に。大槻による不条理&幻想的な詩世界とテクニカルなメタルサウンドが好評を博すものの、1998年7月のライブをもって活動を“凍結”。各メンバーのソロ活動を経て、2006年末に大槻・内田・橘高・本城の4人で活動再開を果たす。2007年9月には約10年ぶりのオリジナルアルバム「新人」をリリース。東京・日本武道館公演や「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」といった大型イベントへの出演など、精力的なライブ活動を展開する。2015年5月には人間椅子とコラボバンド「筋肉少女帯人間椅子」でシングル「地獄のアロハ」を発表。2016年10月にはベストアルバム「再結成10周年パーフェクトベスト+2」、2017年10月にはオリジナルアルバム「Future!」をリリースした。