ナタリー PowerPush - 筋肉少女帯
オーケン&うっちーが振り返る4半世紀
俺、今頃「サンジャポ」のひな壇にいたんじゃないかな
──まあ、音楽面でも何かに目覚めたわけですね。
内田 ここ1~2年ということはギター弾き始めてからですね。
大槻 うん。人生ってわかんないもんで、俺タレント時代にいろいろタレントさんから名刺とかもらったのよ。その人がそのすぐあとに独立して事務所を立ち上げたりしたの。そこに誘われたりもして、そのときそこに入ってたら今またどうなってたかなっていうのも思うよね。今普通に「サンジャポ」のひな壇にいるんじゃないかとか。
──それ、どのへんの人なんですか?
大槻 これは名前を出さないほうがいいと思うけど、古館伊知郎さん。古館さんに「あなたは面白い。連絡してください」って言われてお名刺いただいたことある。そのあとすぐ古館プロジェクトが立ち上がって。
内田 じゃあ三田佐代子さんと同じだ。
──じゃあ、普通にサムライ出てるだけですよ、それ(笑)。結局、「トーキング・ブルース・リー」(サムライで放送していた、大槻ケンヂ司会の格闘技番組。元ネタは「古舘伊知郎のトーキングブルース」)やったりして。
大槻 今の東京03の人の役どころで、「ゆずポン、駆け抜けたねえ」とかね、なんら変わりないことを。ワハハハ!(笑) これ、面白いから名前を出していいです!
──了解しました!
橘高くんをタレントにできないかと思って
大槻 俺、今橘高くんをタレントにできないかと思ってるんだけどさ。彼は絶対面白いと思うんだよ。絶対面白オジサンとしてTHE ALFEE高見沢さん級のニーズが出ると思う。
──ダイアモンド☆ユカイ級の。
大槻 うん、あと水戸さんは絶対普通にどっかの事務所でタレントさんでやるべきだと思うんだよな。
内田 水戸さんはそのへんあるみたいよ。でも橘高がトークしたらテロップがブワーッて画面いっぱいになってしまうんじゃないですか?
大槻 高速でしゃべるからね。
──橘高さんの面白さがようやく伝わってきた感じがありますよね。ケラさんも「筋肉少女帯自伝」を読んで「ナゴムじゃないから興味なかったけど、橘高が一番面白かった」って言ってたし。
大槻 彼は面白いですよ! 偏見かもしれないけど、そもそもヘヴィメタルの人って面白いよね。なんか熱いじゃないですか、エナジーが。橘高さんはよく筋少に入ったよね。
内田 そうだね(笑)。
大槻 ビジョンがあったんだろうね。
──あと何か言い残したことはありますか?
内田 なんかあるかな? あとで橘高に叱られないように。
大槻 あ、そうだね。それは重要。
内田 プロモーションにぬかりがあると。
大槻 あ、彼に対してのフォローじゃなくて告知としてのフォローか(笑)。
──大槻さんが筋少のことを小説化しようとして中断したのも、メンバーからの反発があったからなんですよね。
大槻 でも、それ内田くんだよ。
──あ、そうなんですか?
大槻 うん。僕の梶原一騎執筆法に対して。
──盛りすぎ問題。
大槻 うん。戦記読者としていかがなものか、と。
内田 いや、あれでも抑えてたんですけど。
大槻 ベトナム戦争と印パ戦争をごっちゃにしたような、面白ければいいじゃないか的な、それはいかんのじゃないかってことを言われた気がしたんですよ、僕は。
内田 たぶんそれもあんまり言ってないと思う。
大槻 それも盛ったっていうのかい? それで僕はガーンときて、その梶原一騎執筆法に関してちょっと控えるようにして。特に筋肉少女帯に関しては、ブログとかでもあんまり情報を開示しないというか、名前もあんまり出さないようにしてるんです。そのぐらい気を遣ってるんです。
内田 それは伝わってますよ! その気遣いは。
──でも、名前ぐらいは出したほうがいいですよね。
内田 まあね。
大槻 うむ、でもそこはゼロか100かなんで。
内田 まあね、6年ぐらいこの感じで続いてるので、こんな感じでいいんじゃないですかね。
大槻 そんな感じでいいね。
- ニューアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」/ 2013年5月29日発売 / 3000円 徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-73905
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収録曲
- 中2病の神ドロシー ~筋肉少女帯メジャーデビュー25th記念曲
- 妖精対弓道部 ~「妖精対弓道部」主題歌
- 日本印度化計画
- 踊るダメ人間
- 釈迦
- 香菜、頭をよくしてあげよう
- 機械
- 再殺部隊
- 蜘蛛の糸
- キノコパワー
- パノラマ島へ帰る
- くるくる少女
- 孤島の鬼
筋肉少女帯(きんにくしょうじょたい)
1982年に中学の同級生だった大槻ケンヂ(Vo)と内田雄一郎(B)によって結成。インディーズでの活動を経て、1988年にアルバム「仏陀L」にてメジャーデビューを果たす。1989年に橘高文彦(G)と本城聡章(G)が加入し、「日本印度化計画」「これでいいのだ」「踊るダメ人間」などの名曲を発表。特に「元祖高木ブー伝説」はチャートトップ10入りを記録し、大きな話題に。大槻による不条理&幻想的な詩世界とテクニカルなメタルサウンドが好評を博すものの、1998年7月のライブをもって活動を凍結。各メンバーのソロ活動を経て、2006年末に大槻・内田・橘高・本城の4人で活動再開を果たす。2007年9月には約10年ぶりのオリジナルアルバム「新人」をリリース。日本武道館公演や「FUJI ROCK FESTIVAL」「ROCK IN JAPAN FESTIVAL」といった大型イベントへの出演など、精力的なライブ活動を展開する。2013年にはメジャーデビュー25周年を記念して、新録音によるセルフカバーベストアルバム「公式セルフカバーベスト 4半世紀」を発表した。