ナタリー PowerPush - KEYTALK
新たな可能性を提示する“メジャー1st”アルバム
アルバムでの初挑戦
──今作では八木さん初作曲となる「YGB」が収録されていますよね。
八木 はい。3人はずっと作曲していたので、僕も作りたいとは思っていて。ミーティングをきっかけに初めて作りました。
──タイトルの意味は?
八木 なんだと思いますか?
──八(Y)木(G)ビート(B)?
八木 正解です! すいません、薄っぺらな意味で(笑)。
寺中 おい!! 俺がタイトル付けたんだけど!(笑)
小野 (笑)。4人全員が作曲した初のアルバムにもなったので、そういう意味でもこれまで以上の一体感も生まれているかなと思います。
──確かに4人とも作曲するバンドって強みになりますよね。ほかに何か新たな挑戦をしたなって思う曲はありますか?
寺中 「メロディ」は自分がやりたいことにチャレンジできた曲ですね。今までもスローテンポの曲はあったんですけど、ちょっとひねりを入れていたんです。でもそのひねりを取っ払って、思いっきりストレートなバラードを書いてみようって思って生まれたのがこの曲で。まだ小さな変化かもしれないですけど、これからも妥協せずに新しいことに取り組んでいきたいです。
──歌詞に関してはいかがでしょう? 「こういうトーンが多いな」と改めて感じた部分はありますか?
首藤 わかりやすいものからわかりにくいものまで、いろいろなことが表現されていると思います。片思いの高校生の話を描いた「プルオーバー」から、超常現象をテーマにした「BEAM」までありますからね(笑)。
それぞれが考える“KEYTALKらしさ”
──先ほど“KEYTALKらしさ”を考えたっていう話がありましたけど、それぞれが考える“KEYTALKらしさ”を言葉にすると?
首藤 わかりやすいのは、声質の違う2人のボーカリストがいることですよね。あとは日本人好みのメロディは意識してますし、速めのBPMで四つ打ち裏打ちのビートが多いっていうのも特徴だと思います。
八木 切なくキャッチーなメロディとインパクトのあるギターリフ、ですかね。
小野 日本人に響く、洋楽にはあまりないメロディラインだと思います。いい意味でいなたさがあって、踊れるけど心にも残るメロディ。踊れるだけでもない、聴かせるだけでもない、その両方が共存できるのが、KEYTALKかな。
寺中 3人が言ってくれたのが、ほぼすべてだと思います。ただ、個人的にはあまり意識しすぎずに作るのが最終的には“KEYTALKらしさ”になるのかなって。先ほど話した「メロディ」なんかはかなりBPMが遅いけど、それも1つの僕たちらしさだと思うし。だから自分のやりたいこと、作りたい曲をちゃんと貫くことが大事なのかなって。
首藤 確かにこれからも今のスタイルのサウンドを続けていきたいとは特に思っていなくて。そもそも、こういう速めの四つ打ちでペンタトニックを多様したサウンドって、やり始めたときはダサいと思っていたんです。ただ気が付いたらクセになっていて(笑)。
──それは何かきっかけがあったんですか?
小野 もともとはインディーズのときにリリースした「TIMES SQUARE」に収録されている「トラベリング」っていう曲を作ったときに、耳に残るペンタトニックスケールの応酬みたいな、今のギタースタイルのアイデアが生まれたんです。それを重ねていくうちに、1つのプレイスタイルとして完成されてきて、4人が共通してイメージする“KEYTALKらしさ”につながったんだと思います。
首藤 だからKEYTALKの特徴になっているペンタトニックスケールの中毒性が今の日本のロックの中で注目されていることはすごく面白いですよね。そう考えると、他のスタイルでも、まだみんなが気付いてないけど、実はたくさんの人が求めているスタイルもあるんだろうなって思うんです。これからはそういう新しいスタイルも追求していきたいですね。
- ニューアルバム「OVERTONE」/ 2014年5月21日発売 / Getting Better
- 初回限定盤A [CD2枚組+DVD] 3996円 / VIZL-680
- 初回限定盤A [CD2枚組+DVD] 3996円 / VIZL-680
- 初回限定盤B [CD+DVD] 3456円 / VIZL-681
- 通常盤 [CD] 2916円 / VICL-64168
- 通常盤 [CD] 2916円 / VICL-64168
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CD収録曲
- バミューダアンドロメダ
- コースター
- MURASAKI
- BEAM
- はじまりの扉
- お祭りセンセーション
- パラレル
- メロディ
- Siesta
- シンドローム
- YGB
- 雨のち。夏、
- プルオーバー
初回限定盤A付属CD「KTEP SP」収録曲
- orange and cool sounds
- MABOROSHI SUMMER
- 太陽系リフレイン
- マキシマム ザ シリカ
- 桜の風吹く街で
- S.H.S.S. (Live)
- fiction escape (Live)
- sympathy (Live)
初回限定盤A&B付属DVD 収録内容
- 「KEYTALK Member Interview Files」
- 「MURASAKI」ミュージックビデオメイキング
- 「コースター(USTREAM Ver.)」ミュージックビデオ
KEYTALK(キートーク)
2009年7月結成。首藤義勝(Vo, B)、寺中友将(Vo, G)、小野武正(G, Cho)、八木優樹(Dr, Cho)の4人からなるロックバンド。2010年3月に1stシングル「KTEP」を発表し1000枚を即完売させる。結成当初は寺中がボーカルを務めていたが、2010年より徐々に首藤と寺中のツインボーカルスタイルに。2012年4月には初の海外ライブを台湾で行い活動範囲を拡大させていく。2013年には全国40カ所におよぶツアー「ONE SHOT WONDER TOUR 2013」を敢行し成功を収める。同年11月にビクターエンタテインメントよりシングル「コースター」でメジャーデビュー。2014年3月にはシングル「パラレル」、そして5月21日にニューアルバム「OVERTONE」をリリース。