音楽ナタリー Power Push - KEMURI

もがいてきた20年の答えがここに

ゲスト3組は影響されたバンドであり、信頼できる友達

──あらためてReel Big Fish、Less Than Jake、Skankin' Pickleの3バンドと一緒にツアーをやりたいと思った理由を教えてください。

津田 自分たちが大好きなバンドたちだからですね。特にLess Than Jakeは楽曲作りとか、ファッションとか、物販のやり方とかも影響受けましたね。マーチャンダイズもいっぱい作ってて、「こんな物販もあるんだ!」ってKEMURIをやるにあたってすごく影響受けた。3バンドとも昔からCDとか7inchアナログとかも買ってたし、思い入れがあります。あと友達ですしね。影響されたバンドだけど、信頼できる友達でもある。それもツアーを一緒にやる大きな理由。

伊藤 僕たちの思い入れが一番! KEMURIが結成した1995年当時、たくさん好きなバンドはいたけど、ライブを観て本当にいいと思った3バンドですね。演奏とパフォーマンスのバランスが新しくて面白かった。曲もいい。そうだ、Skankin' Pickleのライブを初めて観たとき、みんなデカくてびっくりしたんですよ(笑)。メンバーの身長が190cmぐらいあるの。その中でギタリストのリネットは、女性だけどやっぱり187cmぐらいある大きな人で。ものすごくギターがうまい。

田中‘T’幸彦(G)

田中 うまかったですよねー。

伊藤 ギター小僧だったT(田中)は、パンクバンドのギタリストの中で群を抜いてギターがうまいリネットがいるSkankin' Pickleを夢中になって聴いてたよね。

田中 すごくハマったんですよ。ギターはうまいし曲の展開もほかのバンドとは一線を画してた。

伊藤 音楽だけじゃなくて、ファッションも新しかったしね。当時、スカのバンドはスーツを着てルードボーイみたいなファッションだったけど、スカパンクバンドはスケーターファッションで。Skankin' Pickleはいち早くそういうファッションになってたんじゃないかな。ラフなスタイルで新しいなーって思ってたら、Less Than Jakeはもっと汚いファッションで(笑)。

──確かにそうですね(笑)。

伊藤 ファッションも新しい、自分たちで物販に立つといった活動のやり方も新しい、サウンドも新しい。目新しさっていうのは段々なくなっていくものだけど、この3バンドは時代の切り取り方が面白いの。頑固なとこは頑固なんだけど、ある意味ミーハー感満載だし。ミーハー感って音楽を作るにあたってすごく重要だしね。独特なミュージシャンシップを持ち続けている。これからの自分たちにすごく刺激になるだろうなというのはあるかな。1998年に「Ska Against Racism Tour」っていう、マイク・パークが主催した長い長いアメリカツアーがあったんだけど、それで彼らの考え方やライフスタイルを垣間見てね。お客さんとナチュラルに接してるんですよ。KEMURIは今もコバケンが物販をやっているし、メンバーも会場をブラブラしてお客さんと話したりする。それもこの3バンドの影響で。KEMURIは以前、そういうことができなくなった時期もあったから。再結成した今、すごくナチュラルにやれている感じがするんですよ。

──オープンな姿勢、D.I.Y.の姿勢ですね。

伊藤 そう。そういうとこから始まったんだよね。Less Than JakeとReel Big Fishは解散しないでずっと続けてきて、世界中で知られてるバンドなのに、そういうとこは変わらなくて。ホントにナチュラルだし自分たちでやれることは自分たちでやっている。学ぶべきところはまだまだありますね。

もがいてきた20年の答えが「SKA BRAVO」ツアーにある

コバヤシケン(Sax)

コバヤシ 僕、再結成してから、ずっと聴いてきてくれた人や新しく興味を持ってくれたお客さんのために活動してきたって感覚があるんだけど、「SKA BRAVO」ツアーは自分たちのためにやろうって、今、話を聞いていて思いました。同窓会じゃないけど、「俺たち、元気にまた始めたよ」って3バンドに伝えたいし、彼らもずっと続けてるし。いいライバル心を持ってそういうのを確認し合いたいっていう。

津田 Less Than JakeもReel Big Fishも何回か日本に来てるけど、観に行けなかったことが多くて悔しかった。去年、レコーディングでアメリカに行ったときにもLess Than Jakeのライブが近くであったんだけど、僕だけ行けなくて。で、ふみおくんがダイブをしたって聞いて(笑)。

伊藤 3周ぐらいモッシュもしたよ(笑)。

津田 だから今、どんなライブをやるのかすごく楽しみ。あいかわらずLess Than JakeのMCはフザけてるんだろうな(笑)。

KEMURI 20th Anniversary Japan Tour "SKA BRAVO"

2015年9月25日(金)大阪府 なんばHatch
<出演者>
KEMURI / Reel Big Fish / Less Than Jake / Skankin' Pickle
2015年9月26日(土)愛知県 DIAMOND HALL
<出演者>
KEMURI / Reel Big Fish / Less Than Jake / Skankin' Pickle
2015年9月27日(日)東京都 新木場STUDIO COAST
<出演者>
KEMURI / Reel Big Fish / Less Than Jake / Skankin' Pickle
ベストアルバム「SKA BRAVO」
2015年6月17日発売 / ONECIRCLE

CD+DVD
4536円 / CTCD-20023/B

Amazon.co.jp

CD
2700円 / CTCD-20024

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KEMURI 20th Anniversary Tour 2015「F」

  • 2015年10月4日(日)北海道 Zepp Sapporo ※ゲスト:10-FEET
  • 2015年10月10日(土)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2015年10月11日(日)京都府 KYOTO MUSE ※ソールドアウト
  • 2015年10月16日(金)千葉県 千葉LOOK ※ソールドアウト
  • 2015年10月17日(土)埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
  • 2015年10月18日(日)埼玉県 HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
  • 2015年10月22日(木)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2015年10月23日(金)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2015年10月24日(土)千葉県 KASHIWA PALOOZA
  • 2015年10月31日(土)長野県 Sound Hall a.C
  • 2015年11月1日(日)石川県 金沢EIGHT HALL
  • 2015年11月3日(火・祝)新潟県 新潟LOTS
  • 2015年11月7日(土)神奈川県 Yokohama Bay Hall
  • 2015年11月8日(日)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠
  • 2015年12月5日(土)宮城県 Rensa ※ゲスト:SHANK
  • 2015年12月6日(日)岩手県 Club Change WAVE
  • 2015年12月12日(土)長崎県 DRUM Be-7
  • 2015年12月13日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2015年12月19日(土)広島県 広島CLUB QUATTRO
  • 2015年12月20日(日)香川県 DIME
オリジナルアルバム「F」
2015年7月15日発売 / ONECIRCLE

CD+DVD
4536円 / CTCD-20025/B

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CD
2700円 / CTCD-20026

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KEMURI(ケムリ)

KEMURI1995年結成のスカコアバンド。「P.M.A(Positive Mental Attitude/肯定的精神姿勢)」をバンドの哲学として、活動を展開する。当初からアメリカのレーベルと契約していたため、「アメリカからの逆輸入バンド」として話題となった。ハードコアやパンク、レゲエといった要素を取り入れたサウンドが特徴で、日本のスカコアシーンの代表的存在。2007年12月9日のZepp Tokyoでのライブを最後に解散したが、2012年9月、Hi-STANDARDからの呼びかけに応じ、「AIR JAM 2012」にて約5年ぶりに復活を果たす。2013年1月、南英紀(G / 現 Ken Yokoyama Band)の脱退と初代ギタリスト・田中‘T’幸彦の復帰を発表。その後、ツアーや音源リリースなどを重ね、精力的に活動をする。結成20周年を迎えた2015年6月にベストアルバム「SKA BRAVO」を、7月に11thアルバム「F」をリリースした。