「DOOR」のテーマは「生き様」

──タイトルの「DOOR」にはどんな思いが込められていますか？

いろんなドアが閉じてしまったとしても、また新しいドアをどんどん開けていきたいっていう気持ちですね。今回のアルバムを作ってみて、1stから物語が全部つながってるなと思ったんですよ。前回の「YOU」の最後に入っていた「YOU」という曲は「数え切れない出会いの中で、あなたの笑顔だけが愛おしい」と思える人に出会った、という内容だったんですけど、その後、幸せな生活の中でいつしかときめきは薄れていき……。でもそれより深い愛があるって気付くのが今作の1曲目「ただいま」なんです。ただその幸せも長く続かなくて、2曲目「Door」で次の扉を開いて、また次の恋に落ちて3曲目「くちづけ」みたいな苦しい気持ちになって……。

──本当だ。そうやって見ると、一連のストーリーとしても捉えられますね。

4曲目以降もいろんな気持ちがあって、ドアを開けたり閉めたりするけど、夢は見続けたいよねっていうので最後は「Dreamer」で終わるんです。もとをたどれば、そんな感じで1stから脈々と続く物語があるんです（笑）。

──その物語は、JUJUさん自身のその時々のモードとリンクして進むところも当然ありますよね？ 今後も含めて。

そうですね。皆さんそうでしょうけど、生きてるといろんなことがありますから（笑）。

──ところでこれまでのアルバムは、1st＝「人生」、2nd＝「愛」、3rd＝「女性」、4th＝「あなた」というテーマがあると以前お話されていました。「DOOR」はどうですか？

お、その質問は初めて聞かれました。そうだなあ……生き様！ そういう言葉で人生を振り返ったことはないけど、人は皆、通ってきた道が生き様ですから。今作には皆さんにも起こりうることがたくさん入っているし、テーマと言われたらやっぱりその言葉がしっくりくると思います。

ツアーは10周年のご挨拶回り

──4月からは全国ホールツアーがスタート。7月のファイナル沖縄まで、昨年のツアーに続いてけっこう細かく回りますね。

そうなんです。ファイナルが沖縄っていうのは前回と一緒で、もうこれは決まってるんです。最後が沖縄って……いいですよねえ（笑）。

──他のアーティストも最終公演を沖縄にする人は多いですが、それはなぜなんでしょう？

ファンの皆さんも大切なんですけど、やっぱり長い間一緒に回ってくれるバンドやスタッフへのご褒美という意味もありますよね。沖縄の前が佐賀で、そこから3日空いてるのも「前乗りしてもいいですよ」とか「長い間家族と離れたりするから、ぜひ家族も呼んでください」っていう。……だからまあ、最大の理由は私たちが楽しみたいってことですね（笑）。

スタッフ　機材も海を渡るのでね（笑）。

そう！ 予備日も入れたら、3日は見とかなきゃいけないんですよ（笑）。

──（笑）。10周年のツアーという意味では、どんな思いを伝えて回りたいですか？

それはもう感謝の気持ちだけですね。「ここまで連れてきてくれてありがとうございました。これからもよろしくお願いします」って。10周年のご挨拶回りです。

──バンドメンバーやスタッフとの絆もさらに深まりそう。

深まると思います。バンドはずっと同じメンバーで長いし、本当に家族みたいなものなので。たぶんまた超楽しいツアーになると思います。あの、うちのバンドメンバーとツアースタッフの何人かでバンドを組んでるんですけど、その人たちの演奏コーナーも最近は楽しみの1つで。最後に私の曲をやってくれると、けっこう感動的で泣いちゃうんですよね。まあ、ボーカルは照明さんなんですけど（笑）。

──4月から活動10年目を迎えるJUJUさんですが、いいスタートが切れそうですね。

はい。最初の3カ月をツアーに使って、そこから先はお楽しみ！ということで。いろんな企画を練ってますので、ぜひ期待していただければと思います。