ナタリー PowerPush - JUJU
“本性”と“生き様”刻んだ 5thアルバム「DOOR」
JUJUが5枚目のオリジナルアルバム「DOOR」を3月5日にリリースする。
2014年のデビュー10周年を前に放たれる今作は、その節目にふさわしい「次なる扉を開けて進んでいこう」という意思が込められた1枚。王道のバラードはもちろん、最新シングル「Hot Stuff」のような彼女の新機軸であるダンスロックチューン、ルーツであるヒップホップやR&B、ハウスを軸にしたナンバーなど、聴き手も1曲ごとにどんどん新しい扉を開いていけるような仕上がりとなっている。今作の制作秘話と4月から始まる全国ツアーについてじっくりと話を聞いた。
取材・文 / 川倉由起子
バラードばかりが私ではない
──オリジナルアルバムは2年8カ月ぶり。前のアルバム「YOU」からそんなに時間が経っていたんですね。
はい。でも、もともとそんなに時間を空けるつもりはなくて、2011年に「YOU」を出した時点で「次はクラブミュージックばかりのアルバムを作りたい」って勝手にイメージしていたんです。「YOU」は「あなたと私」というすごく密な部分を描いたアルバムでバラードが多かったんですけど、バラードばかりが決して私ではないし、もともとクラブミュージックが大好きだから。今度は「YOU」の真逆を行くようなアルバムが作ってみたいなって。
──けれど、そのあとにリリースしたのは、初のベストアルバム(2012年11月リリースの「BEST STORY ~Love stories~」「BEST STORY ~Life stories~」)、ジャズアルバム(2013年6月リリースの「DELICIOUS ~JUJU's JAZZ 2nd Dish~」)、日本フィルハーモニー交響楽団と共演したコンサートを収録したクラシックアルバム(2013年12月リリースの「GIFT」)。今まで評価を培ってきたJ-POPフィールドとは異なる趣のアイテムが届けられていました。
それもホント偶然が重なったというか。「DELICIOUS」(2011年リリースの初ジャズアルバム)はスヌーピーで有名なピーナッツから「何か一緒に作りませんか?」ってオファーを受けて、じゃあジャズアルバムを作りましょうってことになって。2012年はレコード会社から「今年はベスト出そう!」って言われて(笑)。2013年も1月期のドラマ「TAKE FIVE」に、ジャズのスタンダード「Take Five」を歌うジャズシンガー役で出演したら音源化を望む声をたくさんいただいて、「じゃあもう1枚ジャズアルバムを作ってみよう」ってなって。あと去年は過去最長のツアーをやってたんですけど、それが終わったらジャズツアーが始まって、そうこうしてたら10月10日の「JUJU PREMIUM CLASSIC CONCERT 2013」が迫ってきて。12月には、またもや皆さんの要望をいただいてそのコンサート音源を出すことになり……。
──気付いたらあっという間に2年8カ月経っていたと。
そうです(笑)。だいたいデビュー当初から“JUJU”っていうものは、いろんなチャンスやお話をいただいて、 それにチャレンジし続けていたと思うんですけど、それがまだまだ続いてるって感じでしたね(笑)。
私の本性を皆さんに知っていただこうと
──ひさしぶりのオリジナル作「DOOR」はファン待望の1枚だと思うのですが、楽曲のバリエーションが広い、聴いてて本当に楽しいアルバムでした。
お、それはうれしい! さっきも言ったように、今回はまずクラブミュージックに特化したものを作りたい、アップの曲もどんどんやっていこうという思いがあって。ツアーを回っていても、皆さんにもっと盛り上がってもらえるポテンシャルがあるのにそういう曲が足りないって思ってたんですよね。だから今回そういう曲が増えたぶん、ライブでやるのがめちゃくちゃ楽しみです。
──JUJUさんのライブといえば、聴かせるバラードの印象が強いですよね。
私のライブって、アップテンポのセクションに入ったとしてもどのタイミングで立っていいかわからないみたいなんですよ(笑)。これ立つの? 立たないの?ってお見合いをして、やっぱ立たないよね……着席って(笑)。見てたらすごく立ちたそうな人もいっぱいいるんですけどね。だから今回はそういうセクションだよって如実にわかるような流れを作れると思います。
──アップナンバーといえば最新シングル「Hot Stuff」をはじめ、新録曲にも高揚感のあるダンスチューン「Heart Beat」やグルーヴィな「Who's Gonna Say It's Not」などが。これらはどのようなコンセプトで作っていきましたか?
今回はぜひ私の“本性”を皆さんに知っていただこうという感じでしたね。もともとはヒップホップやR&B、ハウスだったりが私の中ですごく大きな割合を占めてるし、「JUJUってバラード歌ってるけど、こういうのがルーツにあったんだね」って思ってもらえるとうれしいなと。「Hot stuff」みたいな曲って「あれ? JUJUってこういうのも歌うんだ」とか思われるかもしれないけど、実はこの歌って素の私に一番近かったりして。はっちゃけ感とかやさぐれ感とか、そういうのが丸っきり私なんですよ(笑)。だから「こういう面もあるんだ」とか「こういう人なんだね」って知っていただきたいです。
- ニューアルバム「DOOR」2014年3月5日発売 / Sony Music Associated Records
- ニューアルバム「DOOR」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3990円 / AICL-2650~1
- 通常盤 [CD] 3150円 / AICL-2652
CD収録曲
- ただいま
- Door
- くちづけ
- 春雪
- 星月夜
- Hot Stuff
- Heart Beat
- sign
- Distance
- Who's Gonna Say It's Not
- hero #51
- ねえ
- ありがとう -Beginning of Everything ver.-
- 守ってあげたい
- Dreamer
初回限定盤DVD収録内容
JUJU JAZZ TOUR 2013 ライブ映像
- It's A Jazz Thing!!
- We Are In Love
- Take Five
- My Foolish Heart
- Misty
- Give Him The Ooh-la-la
- Sway
- In A Sentimental Mood
- When You Wish Upon A Star
- Summertime
- It Don't Mean A Thing
- ニューシングル「Door / Hot Stuff」2014年2月19日発売 / Sony Music Associated Records
- ニューシングル「Door / Hot Stuff」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 1700円 / AICL-2636~7
- 通常盤 [CD] 1223円 / AICL-2638
CD収録曲
- Door
- Hot Stuff
- Viva La Vida
- Door -Instrumental-
- Hot Stuff -Instrumental-
初回限定盤DVD収録内容
JUJU PREMIUM CLASSIC CONCERT 2013 ライブ映像
- この夜を止めてよ
- YOU
- Distance
- ありがとう
JUJU(じゅじゅ)
18歳で単身渡米。ニューヨークでシンガーとしての実績を積んだのち、2004年8月にシングル「光の中へ」でメジャーデビュー。2005年から日本でのライブ活動をスタートさせる。2006年にリリースしたシングル「奇跡を望むなら...」はロングヒットを記録。2010年3月発表の3rdアルバム「JUJU」は第52回日本レコード大賞優秀アルバム賞を受賞し、同年9月にリリースしたカバーアルバム「Request」はオリコン2週連続1位を獲得する。2012年11月には2枚同時に初のベストアルバム「BEST STORY ~Love stories~」「BEST STORY ~Life stories~」をリリース。2011年、2013年にはジャズアルバムを発表した。2014年3月に約2年8カ月ぶりのオリジナルアルバム「DOOR」をリリース。JUJUとしての活動10周年を迎える同年4月より、全国ホールツアーを開催する。