音楽ナタリー Power Push - JMC
“お茶の間EDM”を歌う 新鋭ポップユニット
2009年に福岡で結成されたエレクトロポップユニット・JMC(ジュミッチ)。トラックメーカー兼ラップ担当のJUMPEIとボーカリストのMicchiyからなる彼らは、九州各地での精力的なライブ活動を経て、2014年秋に東京へ移住する。その後さまざまなイベントやフェスに出演するようになり、熱い注目を集める中でついに今夏メジャーデビューを果たした。
音楽ナタリーでは今回、彼らの結成秘話やメジャー1stミニアルバム「さよならチャンキー、納豆PARTYで御座います。」の全貌をひも解くインタビューを実施。ユニークで耳に残る音楽と熱量の高いパフォーマンス、そして親しみやすい人柄が持ち味の彼らに話を聞いた。
取材・文 / 川倉由起子 撮影 / 笹森健一
“うたのおにいさん”になりたくて
──2人はどのように出会って、JMCを結成したんですか?
Micchiy 出会いは6年前になるんですが、2人とも福岡のモデルタレント事務所に所属していまして。そこの先輩後輩なんです。
JUMPEI 僕が先に所属しててソロで音楽活動をしてたんですけど、「誰かとユニットを組んでやってみたら?」って社長に提案されて。ちょうどその頃にMicchiyが事務所に入ってきたんで、じゃあ一緒にやろうかということになりました。
──お互いにピンと来るものや惹かれるものがあったんでしょうか?
JUMPEI というか……Micchiyは最初、事務所の見学に来ただけだったんです。
Micchiy 最初はね(笑)。どういうことかというと、僕、もともとは“うたのおにいさん”になりたくて。高校卒業後は保育士の専門学校に行ったんです。その後、どうしたら“うたのおにいさん”になれるか知り合いに相談したら、福岡にいい芸能事務所があるよって紹介してもらって。見学に行ったらちょうどそこにJUMPEIくんがいて、「なんかやれそうじゃん。一緒にやっちゃいなよ!」って社長が。
──ノリで決まっちゃったんですね(笑)。
Micchiy いきなりそんなことになるとは思わなくてビックリしました! でもなんかの縁かなと思ったし、僕は“うたのおにいさん”になりたかったので、歌を学べるならどんなチャンスもつかんでいきたいなって。
──JUMPEIさんは初対面のMicchiyさんの印象はどうでしたか?
JUMPEI 今、思い出しても笑えるんですけど、見学に来たMicchiyに社長が「何かやってよ」って言ったんです。それでMicchiyが歌った歌がめっちゃ面白くて。
Micchiy 昔、NHK教育テレビ(現Eテレ)の「おかあさんといっしょ」の中でやってた「ぐ~チョコランタン」っていう劇にスプーっていうキャラクターがいて、そのキャラクターの歌を歌いました(笑)。
JUMPEI みんな大爆笑! で、僕は「こいつ面白れーな。一緒にやりたい」って思って。
Micchiy “うたのおにいさん”になりたいって言って事務所に来たからには、それを歌うしかないと思ったんです(笑)。
KREVAさんの一言でJMCに
──JMCと書いて読み方はジュミッチ。この名前はどうやって決まったんですか?
Micchiy ある日、JUMPEIくんから「JUMICCHI(ジュミッチ)ってどう? カッコよくない?」ってメールが来て。JUMPEI+Micchiyだからそのスペルにして、僕も「いいですね」ってすぐ返事して、その日に決まりました。JMCという表記は、僕らの大尊敬する事務所の先輩・KREVAさんに「JUMICCHIって検索しようと思ってもスペルがややこしくて検索できねえ。お前らもうJMCでいいんじゃねーの? キャッチーだし」って言われて「はい、そうします!」って。
──KREVAさんの一言で。
Micchiy はい。速攻変えました(笑)。
──事務所で出会った2人がJMCとして活動していくことになったわけですが……そもそもお互いの音楽ルーツや趣味は一致していたんですか?
JUMPEI 僕は小6のときにDragon Ashさんの「陽はまたのぼりくりかえす」を聴いて衝撃を受けて。そこからヒップホップのルーツを探ったり、洋邦問わずいろんなヒップホップやラップの曲を聴くようになりました。Dragon Ashさん以外だと、RIP SLYMEさん、KICK THE CAN CREWさんがド真ん中でしたね。
Micchiy 僕は初めて買ったCDが、くずの「ムーンライト」で。「ムーンライト」もすごく好きなんですけど、CDの最後にぐっさん(山口智充)がいろんな方のモノマネをしながら歌う隠しトラックが入ってて、それが衝撃だったんですよ。きれいな歌声とメロディで、“いい歌詞”を歌わなくちゃいけないっていう固定概念がそこでなくなって、音楽ってこんなに自由でもいいんだって。そこで音楽の面白さを知ったんです。
──ということは、2人の音楽の趣味はバラバラですね。
Micchiy はい。だからJMCで曲を作るってなったときはお互いに“参考曲”を持ち寄るんです。こういう雰囲気の曲はどう?って既存の曲を。そこで僕はヒップホップをJUMPEIくんに教わって、僕は気分のアガるノリのいい曲を持っていって。そうしていくうちに、好きなジャンルは全然違うけど、“ノレる”とか“心が動く曲”という共通点があるなと思って、そういう音楽をやっていこうということになったんです。今では四つ打ちを取り入れたり、ガチャガチャした面白い曲を作ってみたり、ライブで楽しめる曲というのをすごく意識してやっています。
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- ミニアルバム「さよならチャンキー、納豆PARTYで御座います。」 / 2015年8月19日発売 / Colourful Records / 1404円 / VICL-64372
- ミニアルバム「さよならチャンキー、納豆PARTYで御座います。」
収録曲
- 初めましてJMCです。
- 納豆 ON THE RICE
- ございまスタイル
- 改めましてJMCです。
- モリモリチャンキータイム
- 日本全国PARTY音頭
- さよならSUMMER
- さよならSUMMER ~エピソード3~
- さよならSUMMER ~急いで口で…編~
- さよならSUMMER ~曲数かせいでます編~
- さよならSUMMER ~Ver.3.2.1~
- 納豆 ON THE RICE(Instrumental)
- ございまスタイル(Instrumental)
- モリモリチャンキータイム(Instrumental)
- 日本全国PARTY音頭(Instrumental)
- さよならSUMMER(Instrumental)
JMC(ジュミッチ)
トラックメーカー兼ラッパーのJUMPEIとボーカリストのMicchiyの2人からなるエレクトロポップユニット。2009年に結成され、2010年に1stミニアルバム「Jumusic Store」を発表する。九州を拠点に活動する中で、2010年12月に韓国でライブを行うなど海外にも進出する。2013年11月に活動拠点を東京に移し、2015年8月にビクターエンタテインメントよりミニアルバム「さよならチャンキー、納豆PARTYで御座います。」でメジャーデビューした。