クレジットは「じん（自然の敵P）」ってかなり面白い

──ちょっと話は変わるんですけど「自然の敵P」の由来ってなんなんですか？

出たっ！（笑）　ニコニコ動画のボーカロイドカテゴリには、楽曲を投稿した人が自分でPを名乗らない場合、曲を聴いた人が名前を付けてもいい、っていう文化があって。その名前の付け方っていうのが、動画を分類したり検索したりするための「タグ」ってあるじゃないですか。曲を聴いた人が、まず、その曲や動画のイメージなんかから「○○P」って、好きな名前をタグとして入力するんです。で、投稿した人がタグロックっていう機能を使って、そのPタグを誰にも消せないようにしたら、その日からその人は「○○P」を襲名することになるんです。そんな説明を例のお兄さんから受けたあと、「人造エネミー」の動画ビュアーを見てみたら、僕のところにもPタグが付いていたんですよ。あとから聞いたところによると、ある程度注目が集まっている楽曲の場合、いくつもPタグが付くから、その中から好きなものを選べばよかったらしいんですけど、まあ、そんなことも知らずに「来たっ！」って感じでロックしたのが「自然の敵P」なんです（笑）。

──じゃあ、名付け親や由来は不明のまま？

いや。実はTwitterのフォロワーさんのひとりが入れてくれたタグだったらしくて、しばらく経ってから「自然の敵Pってタグを付けたのは私です」って名乗り出てきてくれました。で「どういう意味なんですか？」って聞いたら「人造エネミー＝人が造った敵。人工物でさらに敵ということは自然にとっても敵なんじゃないか」と。

──あれっ？ その人、ちょっと意味を取り違えてますよね（笑）。

僕も最初は「おやっ？」ってなったんですけど（笑）、このダサい感じ、カッコよくない感じはすごく好きなので、まあいいか、と。こうやってアルバムやシングルをリリースさせていただいたり、小説を書かせていただいたりしても、クレジットは「じん（自然の敵P）」ってかなり面白いよな、と思ってるんで。本当にいい名前をつけてくれたな、と。

やっぱりライブをやってみたい

──あとすごく下らないお話なんですけど、「カゲロウデイズ -in a daze-」の「あとがき」が……。

やっぱり気になりました？（笑）

──はい（笑）。なんでこの人は処女小説のあとがきに幼稚園児レベルの下ネタみたいなことを延々と書いているのかな、と。

だって商業メディアで大々的に「チンチン」って言える機会なんて滅多にないじゃないですか！ でも、この小説は僕がプロデュースした、僕のプロジェクト。完全に僕の持ち物だから、まあ言ってもいいんじゃないかな、と（笑）。Twitterのフォロワーさんからも「GJ！」「よくやった！」「えらい！」ってホメていただきましたし。というか、実はあともうひとつ、カバーのところにある作者コメントでもちょっと勝負をしてるんですけどね。

──あっ、縦読みになってる！ しかも内容がヒドい（笑） 。

その縦読みと「チンチン」こそが、作者が「カゲロウデイズ -in a daze-」で最も訴えたかったことですから。みなさんにもぜひ買って確認してもらいたいですね（笑）。

──最後に今後の予定や目標ってありますか？

「チルドレンレコード」のパッケージの中に極端に大きな文字で極端に大きな情報が載ってるので、そちらをご確認ください（笑）。あとはやっぱりライブをやってみたいし、実際に計画してるんですよ。生バンドとボーカロイドを同期させるのは結構大変だし、それに、せっかくライブをやるんだったら肉声の方がダイナミックだから、ボーカリストのオーディションをして、一緒に演奏してみよう、って。僕は今、さっきもお話しした「IA」っていう女性ボーカルもののボーカロイドを使っているので、女性限定。しかも原曲のままプレイしたいので、ボーカルのキーも限定というかなり変なオーディションなんですけど、ボカロ特有のあのキーレンジで高速ボーカルが歌える方は、ライブをやりたい僕を助けると思って、ぜひとも応募してください（笑）。