すとぷりの中では“ジェル様”
──アルバムの最後に収録されている「Believe」は、すとぷりメンバー全員で歌唱している楽曲です。作詞はジェルさんが手がけていますが、すとぷり全員が歌う曲の詞を書くのはこれが初めてですよね?
そうなんですよ。それが超楽しくて。もちろん僕がみんなの歌う歌詞をうまく書けるか、不安もあったんですが、それよりも楽しさのほうが完全に勝っていました。
──メンバーそれぞれの語りの部分もジェルさんが考えたんですか?
はい。ただこの部分、作曲をしてくれたるぅとくんからは何も言われてなかったんですよ。歌詞を書いていく中で「ここ、なんかめっちゃ間があるやん」と思って。聴いているうちにセリフを入れたくなって「るーちゃん、ここにセリフ入れていい?」と聞いたら、「うん。そのつもりだよ!」という返事がありました。
──言葉にせずとも通じるものがあったわけですね。
できれば最初から伝えてもらったら早かったんですが、「それくらいわかるよね!」みたいな感じだったので(笑)。結果的にるぅとくんと通じ合えていたのでよかったです。
──すとぷりのメンバーが歌唱するということで、歌詞の書き方に変化はありましたか?
僕のソロ曲の歌詞はあくまで僕目線なんですが、すとぷりの楽曲だと当然メンバーそれぞれの目線を意識していて。僕だけが思っていることじゃなくて、みんなが考えていること、メンバーと話したことを頭に浮かべながら歌詞を書きました。だから歌詞をよく読むとほかの曲とはちょっと違う感じになってるかもしれないです。
──これはころんさんのソロアルバムの特集でも投げかけた質問なんですが(参照:ころん「アスター」インタビュー)、ソロアルバムでのジェルさんのボーカルと、すとぷりというグループの中でのジェルさんのボーカルにはどういう違いがあると自覚していますか?
ソロで歌うときはわりと曲に合わせて自分の歌声を変えるようにしているんですが、すとぷりの中では“ジェル様”みたいなイメージを強く持っていますね。
──ちょっと年上で高貴な感じというか……。
そうです。かわいい声を得意とするメンバーが多いので、僕が特徴を出すとすればアダルトな感じ。やっぱりそのイメージが強いと思います。
ボイスドラマだからできるネタを
──YouTubeでは「黒のユートピア」のミュージックビデオが公開されていますが、ジェルさん自身がソロとして実写という形でMVに登場するのは初めてですね。
すとぷりとしてのライブ映像とか、メンバーと合唱している映像とかはあるんですが、自分が主役の実写MVは初めてですね。正直不安はあったんですけど、いざ撮影があるとすごく楽しくて。普段は声だけで表現しているわけですが、実写映像だと体の動きすべてが表現に直結するんですよね。それが自分の中では新しくて、いろいろ試行錯誤しながら演じさせていただきました。
──ちょっと幻想的な雰囲気をまとった映像ですよね。
中世の世界を舞台とした、囚われた魔女の物語ですね。映画みたいな世界観になっていて、曲の深みがMVで一層増したという手応えがあります。アルバム初回限定盤の付属DVDに収録されているオフショット映像では、僕が撮影で興奮している姿を観ることができます(笑)。セットも本格的だったので「すげー! すげー!」ってはしゃいじゃって。あと「歩き方はこうかな? ちょっと変かな?」と悩んでいる姿とか。「ちゃんとがんばってMV撮っているんだぞ!」ということが、DVDを観ていただけるとわかると思います。
──アルバムは初回限定ボイスドラマCD盤も用意されていて、こちらでは“遠井さんシリーズ”のボイスドラマを聴くことができます。これまで映像とセットで表現してきた“遠井さんシリーズ”をボイスドラマにするというのは、すごく挑戦的な試みだと思いました。
そうなんですよ。正直、すごく悩みました(笑)。すべてのキャラクターを僕が演じているわけですから、映像がないと声の特徴をこれまで以上にちゃんと表現しなきゃいけないんですよね。ただ、映像がないボイスドラマだからこそ表現できるネタがたくさんあったので、「これでもか!」というくらいやりたいネタを詰め込みました(笑)。ドラマの最後にアルバムのジャケットアートワークにつながる話も出てくるので、“遠井さんシリーズ”のファンはぜひドラマCDも聴いてほしいです。
──「Believe」はボーカリストであり、作曲家であり、さらに脚本家でもあるというジェルさんのクリエイターとしての魅力が詰まった1枚になりましたね。
これまではやりたいことをいろいろやって、それがバラバラに存在していたんですが、それを1つにまとめて、僕のやりたいこと、やってきたことが集まった最高の作品になったと自負しています。「僕のリスナーだったらこういうの喜ぶだろうな」と考えながら作品を作るのはすごく楽しかったです。
──いろんな表現に挑戦してきたジェルさんが、今後やってみたい表現はありますか?
バンジージャンプですね。
──バンジージャンプ?
バンジージャンプって、表現の1つなんですよ。自分がいかに度胸があるかを見せる機会でもありますし、飛び立つ一瞬までどれくらいの間を取るか。飛んだときにどんな絶叫を発するか……。
──リアクションを含めて人を楽しませるコンテンツとして、バンジージャンプに興味があるんですね。
そうなんです。ただ自分が飛んでみたいというだけではなく、観ている人に楽しくなってもらうためのエンタメとして注目しています。
──先ほど「ワイヤーアクションをしてみたい」という話もありましたし、飛ぶのが好きなんですね。
大好きです(笑)。ワイヤーアクションは本気でやりたいですね。いつか大きなステージでワイヤーアクションを披露しますので、その際はぜひ取材をお願いします(笑)。
ライブ情報
- ジェル 生配信3D歌ライブ
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配信日時:2021年2月27日(土)18:00~