ナタリー PowerPush - JASMINE

新曲「Best Partner」で描いた 大切な人への思い

姉とは3年間、口をきかなかった

──ちなみに、お姉さんとは何歳差なんですか?

3つ違いです。

──先程のエピソードを聞くと、かなり仲のいい姉妹かなって思うんでけど、ずっと昔からそうなんですか?

小6までは仲良かったですね。でも中学の3年間は一切口を聞かなくて。

──何があったんですか?

私がグレちゃって(笑)。それにお姉ちゃんが怒って、会話をしなくなったんです。

──お姉さんはすごく心配だったんでしょうね。

JASMINE

当時、私のことが理解できなかったらしいです(笑)。お姉ちゃんは勉強もできたし、親からも期待されまくってたんで。それで私が勝手な行動するのが許せなくて、お姉ちゃんの言うことにもことごとく反抗するからもう嫌い!……みたいな。

──なるほど。

家の廊下ですれ違うと、肩でタックルしてきましたから(笑)。それでどんどんケンカになっちゃうから、なるべく会わないようにしてたんです。でも私が中学を卒業する頃に久々に話して、仲直りしました。それ以降は一緒に買い物へ行ったり、遊びに出かけることもありますね。

──JASMINEさんの音楽活動も応援してくれてるんですか?

多分……。でも、その感じを私にあまり出さないんですよ。

──恥ずかしいのかな?

どうなんだろう? でもきっと、私が落ち着く場所でいてくれてるのかなって思います。お母さんが普段この業界や仕事のことを「どうなの?」ってしつこく訊いてくるんで(笑)、お姉ちゃんはあえて逆のスタンスでいてくれてるのかなって。

──今の話を聞いてから「Best Partner」の歌詞を見ると、妙に納得させられる部分が多くて。てっきり親友に向けた曲かと思ってたんですが、お姉さんだと思って聴くといろいろしっくりくるんですよね。例えば「あれこれ口うるさい」とか。これはあまり親友には言わないかなと。

あははは(笑)。ホント、姉は小さいことまでうるさいですから(笑)。でも私、親友にもこういう気持ちですね。

──この曲は、リスナーがそれぞれ自分のベストパートナーを思い浮かべて聴けそうな仕上がりですね。

私が書いたときには完全にお姉ちゃんを浮かべてましたけど、出来上がった曲はほかの人も浮かぶし、皆さんに自由に聴いてもらいたいですね。

楽器が怒ってる感じ

──サウンドも、イントロから細やかなストリングスがきれいで。アレンジでこだわったことや、オーダーしたことはありましたか?

とりあえず、すごく攻めてる音にしたかったんです。生楽器で繊細さは残しつつ、全部の楽器が怒ってる感じを出したかった。

──「音が怒ってる感じ」というのは面白いですね。

ピアノでパンチを出しつつ、ストリングスで切羽詰まったような感じを出して。あとは、ギターもわりと肝になってると思います。

──エッジの効いた、決して落ち着けるサウンドではないですよね。でもそれがクセになるというか。

ありがとうございます。

──歌声も攻めてる感じですが、どんなことを思って歌いましたか?

7月1日に行われた「Baby-G presents Girl's PARTY DANCE CONTEST」でのライブの模様。

やっぱりお姉ちゃんと仲直りした日のことですね。わかり合えなかった3年間を経て、2人で向き合って話したあのときの気持ちに戻って歌いました。

──感慨深い思いが込み上げてきたり?

その日、お互いが腹を割って話したときに、お姉ちゃんの気持ちが全部わかったんですよ。さっきも言ったように、お姉ちゃんは私がなんでグレてるのかわからなくて、どうにかしたいっていう気持ちが伝わらなくてつい怒りに変わっちゃったんだって。私はいつも口うるさいなあって思ってたんですけど、そんなに考えてくれてたんだ……っていうのを、レコーディングのとき改めて思いました。

JASMINE(じゃすみん)

1989年生まれの女性シンガーソングライター。幼い頃からゴスペルやブラックミュージックに親しみ、17歳から都内のクラブを中心に本格的な歌手活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、2009年6月にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズからシングル「SAD TO SAY」でメジャーデビュー。JASMINE本人がすべての作詞作曲を手がけており、心を打つメロディと等身大の感情を描く鋭い歌詞で熱い注目を集める。2010年7月には1stフルアルバム「GOLD」をリリース。2011年は楽曲制作やライブを中心に活動し、約1年ぶりとなるニューシングル「Best Partner」を2012年7月に発表した。