ナタリー PowerPush - JASMINE

20歳の気持ちをリアルに伝える 大型新人メジャーデビュー!

天をも突き抜けていきそうな美しく透明な歌声。キレイに形作られたものを嫌い、リアルな言葉で自らの想いを表現する強固な姿勢。──2009年夏、音楽シーンに一石を投じそうな新人・JASMINEが登場する。

そんな彼女の素顔は、圧倒的な歌声からは想像できないような、あどけない表情で屈託なく笑う普通の20歳の女の子。デビューまでの軌跡や1stシングルに込めた想いについて、彼女独自の和やかなテンションで進んだインタビュ ーをお届けしたい。

取材・文/川倉由起子

子供の頃から「音楽をやらなきゃ!」って思っていた

──メジャーデビューに向けての率直な感想はいかがですか?

早く発売日になればいいのにっていううれしさと、ちょっと怖いなっていう気持ちがあって。ついにあの未知の領域に足を踏み込むんだ……っていう感じです(笑)。

──つい先日20歳になったばっかりですが、幸先の良い20代ですよね。

そうですね、ありがとうございます!

──ではさっそくインタビューの本題へ。そもそもJASMINEさんは、子供の頃から周りに音楽があった環境だったんですよね。

そうなんです。お父さんがちょっとロック、お母さんがブラック寄りな音楽をよく聴いてて。スティービー・ワンダーやJACKSON FIVEが家でよくかかっていました。あとお母さんがエレクトーンの先生で、お父さんも昔からギターを弾いていた人で。小さい頃、母によく「あんた、マイケル・ジャクソンを歌えるようになってみなさいよ」って言われてました。♪A・B・Cーっていうアレを……。

──なかなか高いハードルを設けられていたんですね(笑)。ところでJASMINEさん自身が本格的に音楽の道を志そうと思ったキッカケは?

それが実はよくわからないんですよー(笑)。なんとなくずっと歌手になりかったというか、「音楽をやらなきゃいけない!」みたいな使命感があって。うちは家族みんな楽器ができるんですけど、私だけ音符も読めないし、楽器を覚えるのも嫌いで。じゃあ楽器を覚えなくていい歌にしよう! っていう感じだったんだと思います。

──結構単純な動機で(笑)。

そう、歌が一番ラクじゃー! って。それで歌ったらお母さんがほめてくれるようになって、「あ、これでやっと家族に認められた」みたいな。

──ちょっとコンプレックスみたいなものがあったんですかね。

そうですね。私はリコーダーしかできないので(笑)。

ゴスペルクワイアでは、みんなが自由に笑っていた

──それから歌を本格的に歌い始めたのは?

中1の夏にゴスペルクワイアのライブを見に行って、なんだこれ!? って衝撃を受けて。学校の授業でやる合唱とは全然別モンだなって思ったんです。同じ合唱なのにココまで違うか!? っていうくらい、そこにいる人たちに歌わさ れてる感がまったくなかったんですよ。

──迫力も違いました?

そう。みんな本当に自由に笑ってて動いてて、とにかく「なんか楽しそう!」って思って。年齢や服装もみんな違うんだけど、歌でひとつになってる、みたいな。音楽の授業が退屈なのはコレだ、好きでやってるから楽しいんだ! って感じたんですよね。

──それからすぐにゴスペルクワイアに入ったんですか?

まずはとにかく興味が湧いて。お母さんに調べてもらって一度見学に行って、その日のうちに入りました。

──入団してみてどうでした?

楽しいっていうのはもちろんでしたけど、歌詞が全部英語なのがたいへんでしたね。私は13歳くらいで、まだ何にも読めない時期だったんで(笑)。でも合唱をやるときは発音練習から始めるので、そこで覚えればいいや、みたいに楽観してました。

1カ月くらいでデビューできるって思ってたんです

──で、16歳くらいからは渋谷のクラブで歌い始めるんですよね。

友達のツテをたどって出させてもらってました。オリジナルもたまにやるけど、マライアのカバーとかもやったりして。でも一番多かったのは、ラッパーのフィーチャリングとしての出演でしたね。

──そうなんですか。

とりあえず人前で歌うことが苦手だったので、それを克服したいっていうのがあって。デビューのキッカケをつかみたいというより、とりあえず場慣れのためと思っていたんです。

──ゴスペルクワイア時代は人前で歌うのが恥ずかしくなかったんですか?

みんなで一緒に歌うので。私ひとりのプレッシャーじゃないというか、それとは全然別モノでしたね。

──で、結局は今のレコード会社にデモテープを送ってデビューを決めたんですよね。

はい。でも個人的な未来計画では、17、8歳でデビューすると決めてて。でも気付いたら18歳とかになってて、「やっべー!」って(笑)。そんなときにお母さんがオーディションのチラシを見せてくれて、デモ音源を送ってみた んです。

──じゃあ予定より2歳ほど遅れちゃった?

そうなんですよー! しかも私、音源を送って1カ月くらいでデビューできるもんだって思ってたんです。実際には全然時間かかっちゃいましたけどね(笑)。

──普段のJASMINEさんの性格はどんな感じなんですか? 個人的には超ポジティブなイメージがあるんですが。

うーん、二面性アリです(笑)。落ちるときはズドーンと行きますし。そんなときは、メッセージ性の強いAIさんとかの曲を聴いて気分を上げますね。普段はビヨンセとか、洋楽のR&Bをよく聴きます。実は前まで曲の好き嫌 いが結構激しかったんですけど、最近は選り好みせず、何でも聴いていこうって。自分もいろんな感じの曲をやりたいので、幅広くいろんな人の歌を聴いてみようと思ってるんです。

1stシングル『sad to say』 / 2009年6月24日発売 / 1223円(税込) / Sony Music Associated Records / AICL-2017

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CD収録曲
  1. sad to say 試聴はこちら
  2. i'm in luv wit u [1989 remix]
  3. i'm in luv wit u [laid back remix]
JASMINE(じゃすみん)

13歳でゴスペルクワイアに加入し、15歳でアメリカ遠征に参加。その後シンガーの道を志し、17歳から都内のクラブを中心に本格的な活動をスタートさせる。その圧倒的な歌声がリスナーや音楽関係者から高い評価を受け、ソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズとメジャー契約を締結。2009年春からは音源未発表にもかかわらずJ-WAVEでレギュラー番組を担当し、その飾らないキャラクターも話題に。楽曲はすべて本人が作詞作曲を手がけ、心を打つメロディと等身 大の感情を描く鋭い歌詞が熱い注目を集めている。