音楽ナタリー Power Push - J
ロッカーであり続ける男の原動力
Jがロッカーであり続ける理由
──Jさんが音楽活動を継続している原動力はなんですか?
もともとベースを弾くとかバンドを組むとか、つまり音楽をやるという選択肢しか自分にはなかったから、1つのことをやり続けているという感覚すらなくてね。日常生活すべての時間が自分自身のアウトプットになってくるわけで。そこからはもう逃れられないんだよね。
──作りたい曲、鳴らしたい音を常日頃から考えているということでしょうか。
そうだね。できることがそれしかないんでね(笑)。例えば普通の社会人だったら適性とか条件を鑑みて転職する可能性もあるけど、俺には向いてるとか向いてないを考える以前に音楽しかなかったからさ。だから俺、そもそも普通の人と感覚が違うというか、まあ狂ってるんだよ(笑)。
──では活動を一時的にストップするといった発想は?
そういう意味では、一時的ではなく本当にストップするときは、俺が終わるときだろうね。もちろん今までだって当然、いくらでも曲が湧き出てくるときもあれば、なかなか出てこないときもあったよ。
鹿鳴館での成功体験
──お話を伺って、来年ソロデビュー20周年を迎えるJさんが今なお進化を求めていることがわかりました。
自分の作り出す音楽が俺自身にフィードバックされることもあるし、当たり前だけどうまくいったかどうかは行動すれば自ずとわかることだし。ダメだったら次に成功させるにはどうしたらいいかとか、どうやってカッコよく生きられるかもずっと考えてるね。「世界を手にした!」って感覚を味わってみたい人は一度ミュージシャンをやってみるといいかもね(笑)。
──どういうときにそういう感覚になるんですか?
自分がステージに立って、大勢のお客さんを前に最高な演奏をしたときだね。それってなかなか体験できないことでしょ? 昔、まさにそんなことがあってさ。鹿鳴館でのライブに向かうとき、権之助坂を機材車で上がって行ったら、真っ黒い服を着た人たちが会場近くの歩道橋の上までズラーって並んでて。「これ、俺たちのお客さん?まさか。」と思ったけど、ライブハウスの人に「これ全部LUNA SEAのお客さんだよ」って言われて。一瞬で変わるときが来るんだよ、ホントに1つのきっかけで。日々活動を続けていくうちに、デモテープとか、ライブの評判が口コミで広がって、自分たちが表現しようと思った世界に共鳴してくれる子たちがたくさん出てきたんだ。
──目に見える成果は糧にもなりますよね。
うん。今はわかりやすい成功事例が減ってるから、若手はどこに向かえばいいのか悩ましい状況かもしれない。CDセールスが全体的に落ちていて、苦しい状況になってることは確かだよね。ウチにも毎週車買ってるようなメンバーがいたけど、今は難しいよね(笑)。
──今も昔も簡単にできることではないですよ(笑)。
まあ車を買うのも立派なモチベーションの1つだから。そんなイカれたストーリーをファンだって聞きたいはずじゃん。「え、ホントにそんなことってあるの?」みたいな話をさ。俺自身、そういう話をガキの頃に知ってロックスターに憧れた節はあるからね。
ミュージシャンのススメ
──LUNA SEAは押しも押されもせぬロックスターですが、LUNA SEAくらいの規模のバンドになると自分のやりたいことだけをやり続けるのが難しくなりませんか?
でも俺は自分が求めることじゃないと動かないタイプの人間で、なぜかいまだに飢えてるんだよね。昔は武道館でやりたいとか、東京ドームをファンでいっぱいにしたいとか、そういう目標はあったよ。それを経て、どんどん満たしてくれるものがなくなっていく実感はあるけど、それでも満たしてくれるものを今なお探し続けている感じ。
──アーティストとしてたくさんの成功を収めていても、未だに飢えを感じるんですね。
まだまだね(笑)。経験してしまえば、物理的なビジョンっていうのはどんどん減っていくけど、ゴールがどこかに行けばあるっていう簡単な話ではないから、自分の本能や欲求を信じて進み続けるだけなんだ。最近はライブ、楽曲、ベース、自分がどうあるべきかってことを突き詰めていくことに本当に喜びを感じてるし、その成果を得られたときにまた次のステージに行けるとも思ってる。周りがどれだけ褒めてくれたとしても、それで自分の本質は変わらないからね。
- ライブ&ドキュメンタリーBlu-ray / DVD「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」/ 2016年3月16日発売 / ONECIRCLE
- 「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」Blu-ray Disc / 8424円 / CTBR-14905~6
- 「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」DVD2枚組 / 8424円 / CTXR-14907
収録内容
- Opening
- Go Charge
- Verity
- Document 1
- PYROMANIA
- Document 2
- Rollin'
- I know
- Document 3
- Sixteen
- go crazy
- Document 4 -Immortal galaxy-
- Jayne
- wall
- Document 5
- GO with the Devil
- Document 6
- BUT YOU SAID I'M USELESS
- Document 7
- never gonna die
- addiction
- break
- Document 8
- Believer
- NOWHERE
- Feel Your Blaze
- Ending
<MUSIC VIDEO>
- I know
- J LIVE TOUR 2015~2016 -TOUR the eternal flames FINAL-
- 2016年5月5日(木・祝)大阪府 BIGCAT
- 2016年5月7日(土)東京都 EX THEATER ROPPONGI
- J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights-
- 2016年8月11日(木・祝)東京都 赤坂BLITZ
<出演者>
J / DOOM - 2016年8月12日(金)東京都 赤坂BLITZ(※ファンクラブ「F.C.Pyro.」限定)
<出演者>
J
J(ジェイ)
1992年、LUNA SEAのベーシストとしてアルバム「IMAGE」でメジャーデビュー。1997年のバンド活動休止期間にシングル「BURN OUT」でソロデビューを果たす。2000年12月のバンド終幕以降、本格的なソロ活動を開始。LUNA SEA時代からソングライターとして知られる彼ならではの、パワフルでパンキッシュなロックサウンドが高い支持を得る。2003年にはソロとしては初となる東京・日本武道館でのライブを敢行。また楽器メーカーESPから発売されているJオリジナルモデルのベース販売数は累計で5万本に達し、世界でもっとも売れているアーティストモデルのベースとなっている。2008年にLUNA SEAが“REBOOT”(再結成)して以降は、ソロと並行して音楽活動を展開。2015年9月に通算10枚目のオリジナルフルアルバム「eternal flames」をリリースしたのちに全国ツアーを開催した。2016年3月、「eternal flames」のレコ発ツアーのライブ映像とレコーディングドキュメンタリーを収めた映像作品「CRAZY CRAZY V -The eternal flames-」を発表。5月に大阪と東京で最新作のレコ発ツアーの追加公演「J LIVE TOUR 2015~2016 -TOUR the eternal flames FINAL-」を実施し、8月には自身の生誕ライブ「J Birthday LIVE 2016 -Special 2 Nights-」を開催する。