Ivy to Fraudulent Game「B.O.Y.」インタビュー|対バンツアーを経て春にZepp 2DAYSライブに挑戦、歩みを止めないバンドの今 (2/2)

希望の季節、春に逢えたら

──11月から1月にかけては対バンツアーが行われました。改めて、Ivyにとって対バンライブとはどういったものですか?

寺口 やっぱり一緒にやるバンドが違えば来る人も違うし、対バンツアーっていつどこでやっても見える景色が違うんです。自分自身、それぞれの場所で違う自分になっている感覚があるし、対バンするバンドから自分への影響も必ずあるし。

福島 絶対に感化されるものはあるよね。それは自分たちのライブに投影されていく。その日にしかないムードって絶対にあると思う。

福島由也(Dr, Cho)

福島由也(Dr, Cho)

寺口 それに、ワンマンはみんな自分たちのことを好きで来てくれるけど、こういう対バンツアーでは、ほかのバンドのファンの人たちが俺たちを観てどう思うのかがすごく気になるんですよ。音楽が好きな人とたくさん出会いたいし、愛してほしいとも思うし。一緒にやるのがどんな表現をするバンドだとしても、「俺たちはこんなに楽しんでいて、こんなに自信を持ってやっているんだから、絶対に届くはずだ」という気持ちも今はあります。

──ツアーに招くバンドは、どうやって決めていくものなんですか?

寺口 個人的なきっかけがあったり、すでにつながりがあったり、いろんな形がありますね。例えば今回のツアーの初日に一緒にやるanewhiteは、ボーカル(佐藤佑樹)がカフェで俺に声をかけてくれたことがあって。そこで初めて出会ったんですけど、俺らのことを昔から好きでいてくれたみたいで、「一緒にやりたいです」と言ってくれたんです。それで音源を聴いてみて、こっちも「ぜひ、一緒にやりたい」となって。ほかにも、moon dropやThis it LASTは、逆にこの間ツアーに呼んでくれたバンドたちだったりもします。

──今回の対バンツアーだけでなくても、下の世代のバンドと一緒にライブをやる機会も増えていると思うんですけど、自分たちと下の世代の違いみたいなものを感じることはありますか?

寺口 そうだな……俺たちが20代前半だった頃と、今のそのくらいの世代の子たちがやっている音楽の形は違いますよね。よりJ-POP的なものが増えていると思うし、失恋の歌が多かったりもするし。バンドに限らず、音楽のチャートを見ても、「俺もここに対して勝負しないといけないんだな」と思いますね。やっぱりラブソングからは逃げられないというか。そこは今、戦っている部分ですね。

──なるほど。

寺口 俺は自分の歌を信じているくせに、自分がアウトプットする言葉には制限をかけすぎてしまっている部分があるんですよ。普段だったら言えるはずの言葉なのに、音楽になると言えない言葉というのもたくさんあって。そこは、俺が逃げてるんだなと思うんです。この先はそういう言葉も、ちゃんと落とし込んで戦わないといけないなと思います。どストレートな失恋ソングを聴くと、特にそう思うんですよね。正直「全然よくないな」と思う曲もあるんですけど。でも、それが響いているから、お客さんは集まっているわけだし、俺の好みの曲じゃなくても、「この歌詞のこの1行はすごいな」と思うこともあるんです。「この1行はどうやって生まれたんだろう?」と思ったりする。

寺口宣明(Vo, G)

寺口宣明(Vo, G)

──4月14、15日には、Zepp DiverCityで2DAYS、「春の中へと」と題されたライブも開催されます。1日目が対バンで、2日目がワンマンという、特別なスタイルですね。

寺口 まず、2日間やるのかどうかをめちゃくちゃ話し合いました。

福島 ワンマンは必ずやりたかったんですけど、奇跡的に2日間、会場を押さえられるかもっていう話になって、挑戦しようと決めました。

──Ivyにとって、どんな2日間になりそうですか?

寺口 ゲストバンドも自分たちに縁のある仲間を呼ぼうと思っていて。まったく違う2日間になると思いますね。今はまだ覚悟しかないですけど、大きい会場であろうと、後ろの人まで「来てよかった」と思えるようなライブにしたいです。俯瞰じゃなくて、「自分に向けて歌ってくれている」「自分に向けて鳴らしてくれている」と思ってもらえるような、「もっと前まで行きたい」と思えるようなライブにしたい。みんなが当事者になれるようなライブに絶対にしたいですね。

福島 挑戦的な2日間ですけど、イメージとしては、ツアーからストーリーはつながっているので。1本1本のライブで得られたものを次につなげていって、その繰り返しの中ですごい日になるんじゃないかと思います。

──対バンツアーのタイトルは「春に逢えたら」で、Zeppでの2DAYS公演のタイトルは「春の中へと」です。「春」という季節をタイトルに掲げたことにはどういった思いがありますか?

寺口 このタイトルは俺が考えたんですけど、春って、光とか、花とか、連想されるものがたくさんあるじゃないですか。そういうことも踏まえて、俺にとって春は、希望というか。ツアー自体は寒い時期に始まるので、全然春じゃないんですけどね。でも春に向かっていくようなツアーにできればいいなと思ったんですよね。それはもちろん、「今」を見ていないというわけではなく。1日1日をみんなと一緒に凍えていられたら、春になっても一緒にいられるんじゃないかと思ったんです。

左から寺口宣明(Vo, G)、福島由也(Dr, Cho)。

左から寺口宣明(Vo, G)、福島由也(Dr, Cho)。

ライブ情報

Ivy to Fraudulent Game Presents “春の中へと”

  • 2023年4月14日(金)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
    <出演者>
    Ivy to Fraudulent Game / 神はサイコロを振らない / SHE'S
  • 2023年4月15日(土)東京都 Zepp DiverCity(TOKYO)
    <出演者>
    Ivy to Fraudulent Game

プロフィール

Ivy to Fraudulent Game(アイヴィートゥーフロウジュレントゲーム)

2010年10月に群馬県で結成された、寺口宣明(Vo, G)、カワイリョウタロウ(B, Cho)、福島由也(Dr, Cho)からなるロックバンド。バンド名には「Ivy=植物の蔦の意で、生命力が強く、広範囲に伸び成長して行く蔦のように音楽やバンドもなっていけるように。Fraudulent Game=イカサマ的な意で、良い意味で期待を裏切っていきたい」という願いが込められている。主に作詞、作曲、アレンジを手がける福島が紡ぎ出す楽曲を鮮烈なものにするライブパフォーマンスに定評がある。フロントマンである寺口が稀有な歌唱力で楽曲の世界観を再現し、多くのファンを魅了している。2017年12月にビクターエンタテインメント内のレーベル・Getting Betterから1stアルバム「回転する」をリリースし、メジャーデビュー。その後も音源のリリースとツアーを重ね、2020年10月には東京・TSUTAYA O-EASTで有観客配信ワンマンライブを行った。2021年4月に3rdアルバム「再生する」を発表。9月2日にmurffin discsに移籍し、mini muff recordsとタッグを組んで自身のブランド「from ovum」を立ち上げる。移籍後、第1弾作品となる配信シングル「Day to Day」をfrom ovumよりリリース。2022年5月にニューアルバム「Singin' in the NOW」を発表し、同月より全国21カ所を回る対バンツアー「Ivy to Fraudulent Game Presents "Singin' in the fellows"tour」を行った。10月に大島知起(G)が脱退するもバンドはサポートギタリストを迎えて活動を継続。11月から2023年1月にかけて対バンツアー「Ivy to Fraudulent Game Presents “春に逢えたら”」を行った。2月に新曲「B.O.Y.」を配信リリースし、4月には東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で2DAYS公演「春の中へと」を開催する。