板野友美|ソロ10作目で追及した“自分らしさ”

ぱるるの解釈

──「Just as I am」を聴いた周りの皆さんの反応はいかがですか?

ぱるる(元AKB48の島崎遥香)と食事に行ったとき、「新曲聴いてよ。歌詞書いたんだ」って聴いてもらったら、すっごく気に入ってくれて「この曲、ずっと聴きたいです。送ってください!」って(笑)。ミックス前の音源だったんですけど、送ったら「歌詞も送ってください!」と言われて、本当にずっと聴いてくれてるそうなんです。でも、そのあと会ったときに話を聞いてみたら、ぱるるの解釈はまたちょっと違っていて。

──どんなふうに解釈していたんですか?

板野友美

「何も変わらず 1日が私を置いていく」というのは、私は「あっという間に1日が過ぎちゃって、私はもっと成長したいのに付いていけない。もっとがんばんなきゃ」みたいな気持ちで書いたんですね。でも、ぱるるは「周りがどんどん変わっていって、私だけが置いていかれている」という捉え方をしていて。サビの「何処かへ続いている旅の途中だから 何が見えるのか 知らないまま歩いて行くの」も私はさっき言ったような前向きな解釈で書いたんですけど、ぱるるはプラスな捉え方ではなかったんです。ちょっとマイナス思考な捉え方だったけど、この歌詞に励まされると言っていて。人それぞれニュアンスの捉え方は違っても、最終的に背中を押していることになるのであれば、それは間違いではないのかなって。

──貴重な意見ですね。しかもAKB48から別の世界に羽ばたくという、同じ道を歩んだ方の意見ですし。

そうですね。環境が変わればやっぱり「この先どうなるのかな」という不安はあるし、特に芸能の世界なんていろいろあるから先の不安は大きいんですよね。明日仕事があるかどうかもわからなかったりするから(笑)。悩むことも多いから、考え方1つでその先の道を開けていけたり……開けなかったり。何事も前向きに考えることで、いい道につながっていくんじゃないかと思っています。

──自分の意図したものと違う解釈をされるのは、面白いものですか?

面白いですね。まだまだ全然書けないし、秋元先生がよく使われるような比喩表現……空を人間関係に例えるとか、そういう表現はまだ私にはできないけど、26歳の1人の女性として思うことや、経験して感じた何かを書くこと自体が、意味のあることなんじゃないかと思うんです。ありのまま、今の自分にしか書けない歌詞が書けたんじゃないかなと思います。

──板野さんはこれまでも作詞には挑戦してきましたけど、今このタイミングでシングル表題曲の歌詞を書いたことで、作詞に対する向き合い方に変化はありましたか?

やっぱり作詞は難しいです(笑)。ボキャブラリーが豊富じゃないとダメだと思うし、私らしい言葉の使い方ができるようになれば、もっと歌詞が豊かなものになるんじゃないかなと思うんですけど、まだまだですね。今は同世代の子や、同じ気持ちを抱えている人に届く歌詞になればいいなと思っています。

おばあちゃんになったときに見上げたい空

──LAでの写真集とMVの撮影についても詳しく聞かせてください。そもそもLAを選んだのはなぜなんですか?

私、AKB48を卒業するまで海外旅行をしたことがなかったんです。卒業したあとに初めて家族で海外旅行に行くことにしたんですけど、そのときに行ったのがLAなんですね。たまたま「世界で一番怖い遊園地」を探したらLAだったんですけど(笑)、勝手に運命だったと思っていて。空気は澄んでいて、緑もあるけど街もあるし海もある。すべてがそろっていて、ハワイほどのんびりしてないけどゆっくりできるみたいな。そんな雰囲気に心を奪われて、大好きになったんです。

板野友美

──「自分らしさ」を表現するのにぴったりな場所だと。AKB48卒業という節目の時期に感じた思いに対する伏線回収みたいな意味合いもあるんですかね。

そうですね。今回こうやって10作品目という節目にLAに行けたのは本当によかったです。行くと毎回パワーをもらえる、私にとってのパワースポットみたいな場所でもあるんですよ。初めてのときも、なぜか初めてじゃないような気持ちになって、心が癒されるような感じがしたし。

──なんならいつかは移住したい?

本当に! おばあちゃんになったときに毎日あの空を見上げていられたら幸せだろうなって(笑)。

──それだけ愛着のある風景が、写真集やMVという形で自分の作品にできたのは、相当うれしいことですよね。

そうですね。MV撮影をした場所は仕事じゃないと入れないような場所だったし、また新しいLAが発見できたのもよかったです。

──写真集は「初の下着カット」みたいな触れ込みもありました。音楽メディアなのであまり関係ないですけど(笑)、一応聞いておいていいですか?

あまり抵抗なくと言ったらアレですけど……ハワイで撮影した写真集(2017年8月発売の「release」)のときはなぜ出したかと言うと、それまでの私のイメージを覆せるような、そのときの私をもっと知ってもらいたいと思ったんです。アイドルのときや、ソロのジャケット写真では決め顔のイメージが強いと思うので、プライベートの自分に近い表情を見せられたらいいなって。写真集においては素の自分を出したいという思いがあったので、今回は1人旅をしているような気分で、旅行に付き添ってもらっているような感じだったんです。だから「下着を見せます!」みたいな感じじゃなく(笑)、26歳の大人としての自然体が見せられたらと思ったのと、いわゆるグラビアではなく、女優として映画に出るような気持ちで物語の流れとして撮るような気持ちで挑んだので、自然な感じでしたね。

ツアーは全曲生バンドで

──シングル発売後にはひさびさのライブツアーも決定しました。今回は生バンドを率いてのツアーだそうですが(参照:板野友美「ずっとやりたかった」生バンド編成の全国ツアー決定)。

そうなんです。ライブはすごく楽しみにしてたのでうれしいです。これも1つの挑戦なんですけど、今まではダンスナンバーが多かったので、ライブと言えば機械音に合わせて絶対に踊らなきゃいけないと思ってたんですけど(笑)、それを1回取っ払ってみたくて。全曲生バンドで自由にやってみたら面白いんじゃないかなと思ったんです。ライブアレンジで聴いて「こんないい曲だったんだ!」って発見することもあるじゃないですか。そういう発見は今回あるんじゃないかと思います。

──長年のファンも新鮮に楽しめるライブになりそうですね。「Dear J」(2011年1月、AKB48在籍時にリリースされた板野のソロデビューシングル)みたいなEDM直系の楽曲もバンドアレンジで歌われるわけですよね?

はい。極端にアレンジを変えたりはせず、原曲をベースにするつもりです。ダンスナンバーで生音がハマる曲があると思うので、私も楽しみにしてます。「Just as I am」は生演奏が合う曲ですけど、こういう曲が増えてきたらもっと生バンドでやる機会も増えるかもしれないし、今回のツアーが何かのきっかけになるかもしれないなって。今、ライブはなんとなく2年おきのペースになっているんですけど、これからはもっとライブをやっていきたいです。

板野友美
板野友美10thシングル「Just as I am」
2018年2月28日発売 / KING RECORDS
板野友美10thシングル「Just as I am」初回限定盤

初回限定盤 [CD+DVD]
1800円 / KICM-91837

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板野友美10thシングル「Just as I am」通常盤

通常盤 [CD]
1200円 / KICM-1837

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板野友美10thシングル「Just as I am」Wanderer盤

Wanderer盤 [CD+フォトブック]
2160円 / NMAX-1293

KING e-SHOP

初回限定盤、通常盤CD収録曲
  1. Just as I am
  2. Show time
  3. Just as I am(Instrumental)
  4. Show time(Instrumental)
Wanderer盤CD収録曲
  1. Just as I am
  2. Show time
初回限定盤DVD収録内容
  • Just as I am(ミュージックビデオ)
板野友美「Wanderer」
2018年2月19日発売 / 講談社
板野友美「Wanderer」写真集

写真集
2916円

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板野友美 ドキュメンタリーDVD
「Documentary of "Just as I am / Wanderer"」
2018年2月28日発売 / KING RECORDS
板野友美「Documentary of 'Just as I am / Wanderer'」DVD

[DVD]
2916円 / NBD-141

KING RECORD

公演情報

板野友美「Just as I am」発売記念イベント(※終了分は割愛)
  • 2018年2月28日(水)東京都 ヴィレッジヴァンガード渋谷本店
    START 19:00
  • 2018年3月2日(金)大阪府 あべのキューズモール
    START 18:30
  • 2018年3月3日(土)東京都 ららぽーと豊洲
    [1回目]START 13:00[2回目]START 16:00
  • 2018年3月4日(日)愛知県 イオンモール木曽川
    [1回目]START 13:00[2回目]START 16:00
板野友美 LIVE TOUR 2018 ~Just as I am~
  • 2018年4月21日(土)宮城県 darwin
  • 2018年4月28日(土)愛知県 THE BOTTOM LINE
  • 2018年4月30日(月・振休)大阪府 BananaHall
  • 2018年5月6日(日)福岡県 BEAT STATION
  • 2018年5月12日(土)東京都 マイナビBLITZ赤坂
板野友美(イタノトモミ)
1991年7月3日、神奈川県生まれ。2005年12月にAKB48の1期生として活動をはじめ、中心メンバーの1人として活躍する。2008年にはファッション誌「Cawaii!」の専属としてモデルデビュー。2011年1月にはシングル「Dear J」でソロアーティストとしてのデビューを果たした。2013年8月のAKB48卒業後はアーティスト活動を中心に行いながら、女優やモデルの世界でも才能を開花している。2018年2月にはソロで通算10枚目となるシングル「Just as I am」をリリース。共通のコンセプトを持つ連動作品として写真集「Wanderer」も刊行された。4月から5月にかけては初のバンド編成によるライブツアー「板野友美 LIVE TOUR 2018 ~Just as I am~」を行う。