お客さんの声が上から降ってくる

──アルバム本編はここでエンディングを迎えますが、この「Mysterious Superheroes」はEXCITING FLIGHT盤、DYNAMIC FLIGHT盤の2バージョンが用意されていて、それぞれに異なるボーナストラックが収録されているんですよね。まずEXCITING FLIGHT盤に収録されているのが、PS4の特別映像に使用されたコラボレーション曲のインストバージョン「Playin' Swingin' !!! H ZETTRIO!!!」。

H ZETT M　この曲は実際にそのゲームソフトの映像を観ながら作ったんですけど、まあ、とにかく映像がものすごいんですよ、PS4は。「ファイナルファンタジー」にしても、「三国志」にしても、とにかくどれもディープと言うか。僕はもう、時間さえあればゲームがやりたいので（笑）。

──そしてもう一方のDYNAMIC FLIGHT盤には「What's Next」のライブ音源が収録されています。ホール会場ならではのリバーブが感じ取れて非常に臨場感のあるテイクですが、皆さんがこのテイクを選んだのは主にどのような理由で？

H ZETT M　実際にライブを何カ所か録ってみたんですけど、これが一番よかったんだよね？

H ZETT KOU　そうだね。最近はホールでやる機会がけっこうあるんですけど、ホール会場にはライブハウスとはまた違った心地よさがあるんです。例えば2階席がある会場だと、お客さんの声が上から降ってくるような感覚があったり。それはホールならではの雰囲気だと思うんですよ。

H ZETT NIRE　ホール会場は場所によって響き方が全然変わってくるから、そこがまた面白いんだよね。

「濃縮還元」という文字が目の前にあったので

──このニューアルバムを引っさげて、6月からはツアー「Mysterious Superheroes Tour 2018～濃縮還元遊戯舞台～」がスタートします。すごいツアータイトルですが（笑）。

H ZETT NIRE　このタイトルもLINEのやりとりで決めたんだよね？ 僕らは3人のLINEグループでなんでも共有するようにしてて、それこそ曲名とかツアータイトルなんかも、そこで全部決めちゃうんですよ。ちなみにこのツアータイトルはKOUさんが考えてくれたんですけど。

H ZETT KOU　ツアータイトルに関しては、前回と前々回も僕が考えたんです。今回のタイトルについては、ちょうどオレンジジュースを飲んでるときに「濃縮還元」という文字が目の前にあったので、次のツアーはこれで行こうと（笑）。

H ZETT NIRE　でも今回のツアーが今までで一番濃縮還元されたものになるのは間違いないよね。実際、ここまで日程が詰まってるツアーは初めてなので。

──1カ月に19本というのは、確かにかなり過密なツアー日程ですよね。

H ZETT NIRE　僕らもどうなるのか、ちょっと予想がつかないよね。どんどんハイテンションになっていくのか、あるいは終盤にかけてボロボロになっていくか、その様をぜひ観に来てもらいたいです（笑）。いずれにしても、アルバムの曲がこのツアーでどんなふうに変化していくのか今からすごく楽しみですし、お客さんにもそこを感じ取ってもらえたらうれしいですね。

──そして8月18日には東京・日比谷野外大音楽堂でツアーファイナルが行われます。野外でのワンマン公演はこれが初なんですよね。

H ZETT KOU　そうなんですよ。日比谷野音はものすごい開放感があるし、僕らにはうってつけの会場だと思います。どんどんステージ上での自由度が増しているところで、その場で生まれたフラッシュアイデアをすぐ実践できるようになってきているので、それこそ今回のツアー中にはミステリアスな瞬間がたくさん生まれるんじゃないかな。

H ZETT M　そうですね。それこそトレーニングをすれば筋肉が育つのと同じで、このアルバムの収録曲もツアーを通してどんどんビルドアップしていくはずですからね。その変化していく様子をぜひ観に来てほしいです。