日向坂46「絶対的第六感」インタビュー 丹生明里×山口陽世|激動の2024年にメンバーは何を思う?

2024年の日向坂46にはさまざまな変化が起こっている。5月にリリースされた11thシングル「君はハニーデュー」では初の選抜制度が導入され、表題曲の参加メンバーは16人に。選抜以外のアンダーメンバーによるグループ・ひなた坂46が結成され、7月には単独ライブも行われた。8月には一期生の加藤史帆、東村芽依、二期生の丹生明里、濱岸ひよりが12thシングルの活動をもってグループを卒業することを発表。9月には日向坂46にとってゆかりの深い場所・宮崎県で初の試みとなる大規模イベント「ひなたフェス」を開催し、この公演では11月より行われる全国ツアーのファイナルとして、メンバーの念願だった2度目の東京ドーム公演がアナウンスされた。また現在は新メンバーを募集するオーディションが実施されており、近い将来新たなメンバーが加わることが決定している。

卒業メンバー4人にとって最後の作品となる12thシングル「絶対的第六感」では四期生の正源司陽子と藤嶌果歩がグループ初の表題曲ダブルセンターに。カップリングには2回目の試みとなるひなた坂46の楽曲や四期生の楽曲、さらに加藤のソロ楽曲、東村と丹生のユニット曲も収められる。シングル発売に先駆け、音楽ナタリーでは卒業を控える丹生と、三期生メンバーの山口陽世へのインタビューを行った。激動の2024年をメンバー自身はどう感じているのか?

取材・文 / 臼杵成晃撮影 / 曽我美芽

本当に卒業を実感する場面は

──インタビューには毎回メンバーお二人にご参加いただいていますが、丹生さんは初登場、山口さんは2ndアルバム「脈打つ感情」発売時に続いて2回目となります(参照:日向坂46「脈打つ感情」潮紗理菜×山口陽世インタビュー)。今回のお二人の関係性は?

丹生明里 私にとっては特に仲よくしているメンバー、なんですけど……。

山口陽世 私もですよ?

丹生 山口さんは仲良しがいっぱいいるので……そのうちの1人(笑)。

左から丹生明里、山口陽世。

左から丹生明里、山口陽世。

──最近の日向坂46はトピックが多いのでどこから話を聞いたものかという感じですが……この夏の出来事ですと、山口さんは三期生の4人だけで「TOKYO IDOL FESTIVAL 2024」に出演するという出来事がありました(参照:乃木坂46の4期生と日向坂46の三期生、同期の2組が「TIF2024」のラストを飾る)。4人だけのステージはいかがでしたか?

山口 そもそも三期生単独でライブのステージに立つのが初めてで。みんなうれしい気持ちもありましたし、「この1回だけで終わるんじゃなく、何かにつなげたいよね」って4人で話していました。会場を盛り上げられるよう、全力でパフォーマンスできたと思います。

──おひさま(日向坂46ファンの呼称)のみならず、大勢のアイドルファンが集まる「TIF」なので、グループや三期生のことを広くアピールできるチャンスでもありましたよね。

山口 はい。もちろんプレッシャーもありましたけど、純粋に楽しかったです。

──日向坂46の新しい見せ方だと思いましたし、おっしゃる通り次につながる予感も感じさせるいいステージだなと思っていましたが、その翌日に突然、メンバー4人の発表があり……(参照:日向坂46から加藤史帆、東村芽依、丹生明里、濱岸ひよりが卒業発表)。

山口 TIFのことをブログに上げてすぐだったので、びっくりしましたよ。

──ちなみに山口さんは前回も卒業を控えた潮紗理菜さんとのペアで、今回も……。

山口 そうなんですよ!(笑) 話しにくい……。

──丹生さんの卒業は、抱えている腰痛の問題が大きいと思うので、無念の気持ちが大きいのではないでしょうか。きっと日向坂46での活動は天職と言えるほど向いていますよね。

丹生 そう思います。体調についてのモヤモヤは4、5年抱えていたことではあるんですけど……最初の頃は、自分が参加できない曲があって、リハーサルをそばで見学しているときは、やっぱりしんどかったですね。でも、いろいろ経験し、月日も流れ、いっぱい考えたうえで卒業しようと決めたので、わりと心残りは少ないです。

──少ない。ゼロではないと。

丹生 まあゼロではないけど(笑)、ほぼないと言えるくらいにはなってます。

──丹生さんがいなくなった日向坂46を想像できますか?

山口 できないですね。これはもう、誰であっても想像できないですけど……。

丹生 私もみんなを見送ってきた経験からすると、最後の日まで、最後のライブが終わっても実感できたりできなかったりなんですよ。本当に実感するのは、そのあとのライブで「あっ、この場面で目を合わせてたな」とか、今までと違う瞬間に気が付いたとき、急にズンッとくるみたいな。

山口陽世=人たらし赤ちゃん、丹生明里=日向坂46の顔

──お互いに、いいところ、魅力的だと思うところを挙げるとすると、どんなところですか?

丹生 山口陽世はすごく人が大好きで、メンバーのことが大好きなんですよ。本当にメンバー全員と仲がよくて、誰とペアになっても納得感があるというのは陽世くらいかなと思います。

山口 うれしい……。

山口陽世

山口陽世

──人たらし的なところがあるんですかね。

丹生 そういう言い方をすればそうかもしれない(笑)。

──では悪いところを挙げるとしたら?

丹生 あ、悪いところが「人たらし」です(笑)。あと、悪いところではないんですけど、かわいいなあと思うのは……たまに出る子供な面。本人は「もう大人です!」みたいな感じで、最近は格好も、アクセサリーを着けたり全身黒!みたいなクール系だったりするのに、ふとしたときに「うえ~っ」って赤ちゃんみたいな声を出してはしゃいでいるときがあって。大人ぶってますけど(笑)。

──(笑)。では山口さんから見た丹生さんのいいところは?

山口 丹生さんこそ人たらしというか、みんなに好かれる体質だなと思っていて。愛嬌だったりとか、そういうところで言うと本当に「日向坂46の顔」というか。私がいいなと思う日向坂46を体現しているのが丹生さんだと思うんです。私もきっと、そこに惹かれて今の性格になった部分もあるので、丹生さんから与えてもらった影響はとても大きいです。

──ダメなところは?

山口 ありますよ(即答で)。

丹生 えー! 何ー?

山口 ゲームしてるときの口調が。巻き舌になるんですよ(笑)。初めて一緒にゲームしたとき、本当に見たことない一面だったのでびっくりしました。そういうところもかわいいなと思うので、直してほしくはないですけど(笑)。

──ガチになると気性が荒くなるんですか?

丹生 はい(笑)。日向坂46のYouTubeで小坂菜緒と陽世と3人でゲーム配信をやったとき、確かにめちゃめちゃ巻き舌になって、2人にいっぱいツッコまれるシーンがありました。それまでは気付かなかったです。自分が巻き舌になってること。

丹生明里

丹生明里

──先ほどの山口さんの「日向坂46を体現しているのが丹生さん」という話、これは本当にそうだなと思っていて。

山口 ホントにそうなんですよ!

丹生 そこは陽世がちゃんと受け継いでくれているので、って私が言うのもなんですけど(笑)。ずっと形を変えながら、いろんなメンバーが集まってこの日向坂46というグループを作り上げてきたので、それはこれからも変わらないと思います。

──確かに、お二人とも先輩メンバーから秘伝のタレを受け継ぐように、今に至る日向坂46のイメージを作り上げてきたんでしょうしね。中でも丹生さんから山口さんに受け継がれるものは多そうな気がします。

山口 いただきます(笑)。