さまざまなドラマが詰まったカップリング曲
──選抜チームのカップリング曲「永遠のソフィア」は歌謡曲のような雰囲気があって、これも新鮮ですね。
丹生 メンバー人気が高い曲で。表題曲とはまた違うテイストで好きですね。富田鈴花は「卒業ソングに聞こえる」と言っていて、「君のために ここから出てくつもりだ」とか「夢をずっと 追いかけ続けて欲しいと思う」とか確かに!と思いました。恋愛ソングでもあるけど、日向坂46の関係性にもたとえられるなって。
──丹生さんはさらにもう1曲、同じく卒業を発表した一期生の東村芽依さんとユニット曲「妄想コスモス」を歌っています。
丹生 私にとってはこっちが一番卒業ソングに感じますけど(笑)。「坂道」というワードを入れてくださっていたり、きっと私たちが卒業するのに合わせて秋元康さんが書いてくださったのかなと思います。ユニット曲をいただいたのもひさしぶりだったんですけど、「好きだなあ」と思える曲をいただけたことがうれしくて。めいめいさん(東村)の歌声は力強さとかわいさがあって……「ってか」のときにシンメだったんですけど、あのとき金村美玖に「2人の歌声ってマッチしていていいよね」って言われたんです。「妄想コスモス」はそれがダイレクトに感じられる曲で、私もすごく気に入っています。レコーディングのときはちょっとしんみりしちゃいました(笑)。
──大所帯のグループだと、どうしても1人ひとりの声がしっかりとフィーチャーされる機会が少なくなってしまいますが、ユニット曲はよりはっきりと歌声が楽しめるのがいいですね。それはご本人たちにとってもうれしいことですか?
丹生 ちょっとだけ恥ずかしさもあります(笑)。自分のことを歌がうまいと思ったことがないので、ハッキリ聞こえちゃうのはちょっと恥ずかしい。独特な声ではあるので(笑)、最後に参加するシングルで残せてよかったのかなと思いますけども。さわやかかわいい曲で……想像しちゃいましたね。この曲をパフォーマンスしたら、おひさまの皆さんのサイリウムがコスモスに見えるのかなあって。お花に見えそう!って勝手に想像しちゃいました。
──ただ、この曲をステージで歌う機会はきっと……。
丹生 だいぶ限られちゃうと思うので、ちょっとさびしいですねー。できれば、卒業したあとも歌い継いでもらえたらなって思います。
──同じく卒業が決定している加藤史帆さんのソロ曲「どっちが先に言う?」はバラードで、しっかりと泣かせにきたな、と思いました。
丹生 しっかりバラードでしたね。日向坂46の歌唱メンなので、最後にソロ曲が聴けるうれしさはありますね。今までの史帆さんの曲はカッコいい系だったので、ここまでしっとりバラードだとは思いませんでした。
山口 史帆さんファンの方は絶対泣いちゃいますね。史帆さんの歌声が好きなので、最後にバラードが聴けるのがとてもうれしいです。
──四期生楽曲の「夕陽Dance」はアッパーなディスコチューンですね。
山口 めちゃめちゃ好きです、私。
丹生 めっちゃテンション上がりますよね。
山口 ライブで観るのがホントに楽しみ。確実に盛り上がる曲になるだろうなと思います。
──四期は四期で、グループにもなじみつつ、四期生だけになったときの個性もしっかり発揮されている印象です。今まさに行われている(※取材は8月下旬に実施)四期生のみの日本武道館公演がそれを証明するライブになるんじゃないかと思いますけど。
山口 そうですね。MVでは今回も制服を着て学校を舞台にしていて。四期生ならではの表現になっていると思いますし、この明るい曲で渡辺莉奈がセンターなのがすごくいいんですよ。莉奈は落ち着いているイメージがあったので、この楽曲で新たな一面が見られるんだろうなって。
“ハッピーオーラ”はなくさずに変化を
──このインタビューが出る頃にはもう終了していますが、宮崎での「ひなたフェス 2024」はどうなるんでしょうね。
丹生 今までの日向坂46を詰め込んだライブになると思います。宮崎でのライブなので、宮崎ならではの演出もあって。
山口 地元の方とか、日向坂46のライブを初めて観るという人もいらっしゃると思うので、日向坂46のライブの強さをたくさんの方に味わってほしいですね(参照:日向坂46が宮崎に虹をかけた初開催「ひなたフェス」、アンコールで2度目の東京ドーム公演発表)。
──11月から年末にかけては全国ツアーの開催も決定しています。丹生さんは卒業に向かっての活動になりますが……これから先、自分がいなくなった日向坂46にはどんなグループになってほしいですか?
丹生 ずっと一緒というのは、すべてにおいて無理だと思うんです。その時々のよさ、そのときいるメンバーが自分を出せる環境であったらいいなというのが1つと、やっぱり今までの日向坂46のイメージ……“ハッピーオーラ”はなくさずに持っていてくれたらいいなと思います。
──変わるべきところと変わらないところ、どっちも大事にしてほしい。
丹生 はい。
──変化する部分でいうと、どういう日向坂46が見たいですか?
丹生 メンバーが変わるとパフォーマンスの幅も変わるのかなと思っていて。「この子のここがいい」という個性の幅も変わってくると思うので、また新たなジャンルに参入していってほしいです。
──これからを背負っていく身としてはどうですか?
山口 そうですね……ハッピーオーラの部分は変わらないようにこれからも引き継いでいきたいです。今は五期生のオーディションも始まっていて、後輩たちの中には今まで卒業されていった先輩方とコミュニケーションを取る機会がないメンバーもいるだろうし、今まで作られてきた空気感がわからない人も出てくると思うので、大事な部分は私も伝えていきたいです。丹生さんたちが卒業したら、もう先輩よりも後輩のほうが多くなってしまうんですよ。五期生が入ってきたらまた雰囲気がガラリと変わるでしょうし、私も先輩として引っ張っていけるようにならなきゃなと思っています。
丹生 私が二期生として入ったときも、けやき坂46が結成された頃の苦労は体験していないけれど、先輩たちにがむしゃらについていこうという気持ちと、グループ全体でも「もっとがんばらなきゃ」という部分があって。作り上げる大変さと引き継いでいく大変さ、両方があると思うので、先輩と後輩でお互いの気持ちをわかり合って、いいグループを作っていってほしいです。
山口 先輩方には本当によくしていただいたので、私も後輩のいい手本になれるようにがんばります!
公演情報
日向坂46 全国ツアー2024
- 2024年11月19日(火)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2024年11月20日(水)兵庫県 ワールド記念ホール
- 2024年12月4日(水)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
- 2024年12月5日(木)福岡県 マリンメッセ福岡 A館
- 2024年12月10日(火)愛知県 ポートメッセなごや 第1展示館
- 2024年12月11日(水)愛知県 ポートメッセなごや 第1展示館
- 2024年12月25日(水)東京都 東京ドーム
- 2024年12月26日(木)東京都 東京ドーム
プロフィール
日向坂46(ヒナタザカフォーティーシックス)
2015年に秋元康プロデュースによる欅坂46のアンダーグループ・けやき坂46として、長濱ねるを中心とするメンバー12人で活動開始。2018年6月に、けやき坂46名義で1stアルバム「走り出す瞬間」を発表。2018年に三期生が加入し、2019年2月には、けやき坂46から日向坂46へグループ名を改名した。同年3月に1stシングル「キュン」を発表し、この曲で年末の「NHK紅白歌合戦」に初出場。以降コンスタントに作品をリリースし、2022年3月にはグループ結成時からの目標であった東京・東京ドームでのワンマンライブ「3周年記念 MEMORIAL LIVE~3回目のひな誕祭~」を成功させた。2023年11月に2枚目のオリジナルアルバム「脈打つ感情」を発表。2024年5月にリリースされた通算11枚目のシングル「君はハニーデュー」では日向坂46にとって初の選抜制度が導入され、選抜メンバー16人が表題曲を歌唱し、選抜されなかったアンダーメンバー12人は“ひらがなひなた”ひなた坂46として7月に神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて、ひなた坂46による初の単独公演「11th Single ひなた坂46 LIVE」を開催した。9月には宮崎・ひなた宮崎県総合運動公園 ひなたサンマリンスタジアム宮崎にて、コンサートのみならず運動公園全体を使ってさまざまな企画を行うイベント「ひなたフェス2024」を開催し、通算12枚目のシングル「絶対的第六感」をリリース。このシングル発売に伴う活動をもって加藤史帆、東村芽依、濱岸ひより、丹生明里の4名がグループを卒業する。