音楽ナタリー Power Push - 成瀬瑛美(でんぱ組.inc)が語る「秘密 THE TOP SECRET」

“脳がヒクヒクする”先進的な映画体験

私はどっちかと言うと秘密主義

──「秘密 THE TOP SECRET」の物語の中核には“死者の脳に残された記憶を映像化して捜査する”という設定があります。仮にこれが現実にもあるとして、成瀬さんはご自身の脳を見られることに対してどう思いますか?

成瀬瑛美

えー! 絶対ダメですね! 変なことしか考えてないですから(笑)。でも死後だったらどうかなあ……。映画みたいに自分の脳の中にある情報が何かの役に立つんだったら、死ぬほど恥ずかしいけど見せてもいいかな。あ、死んだあとの話でした(笑)。

──劇中でも話に挙がりますが、倫理的に死者の脳の記憶を見ることに対してはどう思いますか?

ドナーカードとかと一緒で、「見せてもいいですよ」って許可をもらってるならいいと思うんです。見せたくない人の記憶を無理やり見てしまうのはよくないかな。あ、でも私はどっちかと言うと秘密主義なんです。

──その秘密主義はでんぱ組.incのメンバーに対しても?

いや、メンバーはもう一緒にいすぎて秘密とかはないです(笑)。みんなのことが大好きだからなんでも言えるし。それとメンバーは私の表情とかを見て何を考えているのか感じ取ってると思うので、たぶん隠しごとができないですね。

──逆に成瀬さんがメンバーの誰かの脳をのぞくことができるとして、誰の記憶を見てみたいですか?

全員見たいですね! 強いて選ぶとすれば……、(古川)未鈴ちゃんか(相沢)梨紗ちゃんかな。

──それはなぜですか?

成瀬瑛美

2人はちょっとポーカーフェイスなところがあるような気がするんですよね。まあだいたい何考えてるかわかるんですけど(笑)。実はどうなのかなって答え合わせみたいな感じで。あとメンバーそれぞれ映画とかマンガとかゲームとか、いろんな作品を観ているので、みんなが今まで観たものを総ざらいしたいですね。たぶんものすごい情報量だから(笑)。

──ちなみに成瀬さんはマンガ好きとしても知られていますが、マンガ原作の映画についてはどう思っていますか? どういう作品になるかちょっとした不安もあると思うのですが。

私は何かとポジティブな性格なのでどの作品も安心して観てます(笑)。マンガとは違うアプローチを試してる作品が多いので、映像的に面白いものがたくさんありますし、音楽が入るのも映画化のだいご味だと思います。今回の「秘密」は、原作のストーリーがうまく映画に組み込まれてて、ビックリしました。きっと原作が大好きな方も楽しめるよさがあると思います。

感想は秘密にしないで

──映画のポスターには「この9人全員が秘密を持っている。あなたは何人の秘密に気づけますか?」と書かれています。成瀬さんは9人の秘密にちゃんと気付けましたか?

どれどれ……。わあ! 映画を観てからこのポスターを見るとゾクゾクしますね。でも全部はわからないです。例えばこの「本当は好きになってしまった」って……。

ポスターを見る

──僕もそこが引っかかりました。よく観ないと気付かない描写があったのかなって。

これはまた観なきゃいけませんね。9人の秘密全部をちゃんと理解したいです。この言葉が気になるのもありますけど、単純に何回も観たい作品だと思いました。私、夢中になると1つのものを何度も繰り返し楽しむタイプなので。

──最後に、これから劇場に足を運ぶ方々にメッセージをお願いします。

捜査とか事件とか、記憶に潜入とか、観る前はけっこう難しい作品なのかなと思ってたんですけど、観始めたらすぐにそんなこと忘れちゃいます。キャラクターがすごく立ってるし、スピード感もあるから夢中になって最後まで観入ってしまいます! なのでちょっとでも気になった人は観に行ってほしいですね。映画を観た感想は秘密にしないで、友達同士で「どう思った?」って感想を共有し合ったら絶対に面白いと思います。私もメンバーと行って、それぞれの感想を聞いてみたいですね。

成瀬瑛美
「秘密 THE TOP SECRET」2016年7月6日全国ロードショー

「秘密 THE TOP SECRET」

ストーリー

被害者の脳に残った記憶を映像化し、迷宮入り事件を解決するMRI捜査。その特殊な捜査方法が導入された警察庁の特別機関・通称「第九」で若くして室長を務める天才・薪剛や新人捜査官の青木一行らは、行方不明の少女の捜索に取り掛かる。単純な捜査かと思われたが、事件は次々と連鎖し、やがて決して触れてはならないとされる日本を震撼させた貝沼事件へとつながっていく。そこには、第九捜査官であり、今は亡き薪の親友・鈴木が命を懸けて守ろうとした“第九最大の秘密”が隠されていた……。

スタッフ

監督:大友啓史
脚本:髙橋泉、大友啓史、イ・ソクジュン、キム・ソンミ
原作:清水玲子
主題歌:SIA「ALIVE」

キャスト

薪剛:生田斗真
青木一行:岡田将生
貝沼清孝:吉川晃司
鈴木克洋:松坂桃李
三好雪子:栗山千明
露口絹子:織田梨沙
斎藤純一郎:リリー・フランキー
露口浩一:椎名桔平
眞鍋駿介:大森南朋
今井孝史:大倉孝二
天地奈々子:木南晴夏
岡部靖文:平山祐介

でんぱ組.inc(デンパグミインク)
でんぱ組.inc

古川未鈴、相沢梨紗、夢眠ねむ、成瀬瑛美、最上もが、藤咲彩音からなる6人組ユニット。メンバーはそれぞれアニメ、マンガ、ゲームなどに精通したオタクとしても知られ、“萌えキュンソング”と呼ばれるアッパーな楽曲と情感豊かなライブパフォーマンスで国内のみならず海外からも注目を集めている。2008年に東京・秋葉原のライブバー「ディアステージ」をホームグラウンドに活動を開始。2013年1月には、いじめに遭った経験などメンバー自身の暗い過去を歌ったシングル「W.W.D / 冬へと走りだすお!」でオリコン週間ランキング10位を獲得。同年10月には主演映画「白魔女学園」の主題歌を収めた「W.W.D II」を発売し、12月に2ndアルバム「WORLD WIDE DEMPA」をリリースした。2014年5月には1万人を動員した初の東京・日本武道館単独ライブを成功させ、翌2015年2月には東京・国立代々木競技場第一体育館での2DAYSライブを実施した。2016年4月にはニューアルバム「GOGO DEMPA」をリリースし、同年7月より2度目となる対バンツアー「はやぶさかがやきツアー2016」を開催中。


2016年8月3日更新