音楽ナタリー Power Push - ハルカトミユキ
「より多くの人に届けたい」2人が踏み出した新たな一歩
もしここでちゃんと届けることができなかったら、もう届かない
──そんな現在のハルカトミユキにとって最重要課題であるライブにおいて、とても大きな意味を持つのが10月3日に迫った野音でのフリーライブということですね。
ハルカ はい。今回、野外という開放感のある場所でのフリーライブにしたのは、もちろんこれまでのオーディエンスの人たちはもちろん、今までハルカトミユキのライブに来たことがない人にとってのきっかけになればと思っていて。来てもらえない限りはどうしようもないんですけど、「もしここでちゃんと届けることができなかったら、もう届かない」くらいの覚悟で臨んでます。今は、本当にそれだけを考えてますね。
ミユキ 本当に、今は野音のことしか考えてない。1人でも多くの人に来てもらいたいから、路上でライブをやったり、これまでお世話になってきたライブハウスを回ったりしていて。飛び込みでポスター貼ってもらいに行ったり、その過程で、今まで応援してくれた人たちとのつながりが深まってきた感じがしているんですね。やっぱり、自分が素直になればなるほど、みんなついてきてくれるんだなって。そういう人たちにも、野音でたくさんのお客さんの前で私たちが演奏している光景を見てもらいたいから。
──野音のフリーライブで自分が思い出すのは、小沢健二が1993年にやったデビュー前のお披露目ライブで。
ハルカ ああ。
──これはたまたまなのかもしれないですけど、今回の作品の「LIFE」ってタイトルも、ちょっと連想したんですね。
ハルカ 別にそこから取ったわけじゃなかったんですが、実は当時の小沢健二さんと仕事をしていたスタッフが2人もいて、その人も野音のフリーライブが決まったときに言ってました。「あのときのことを思い出すな」って(笑)。今回の作品は最初は野音のステージに立つことをイメージして、空とか星とかをモチーフにした曲を作ろうと思っていたんですね。でも、結局そのほとんどの曲で、自分が命について歌ってるな、って気付いて。それでこのタイトルにしたんです。
──なるほど。
ハルカ 世界に飛び出てみたら、っていう「世界」後のストーリーですね。
──いや、でも本当にね、自分は今回のフリーライブを、ハルカトミユキのデビューライブのつもりで観ようと思ってるんですよ。もちろん、ハルカトミユキは一度解散したわけではないし、自分も過去に何回もライブを観てきましたけど、「ここから新しいハルカトミユキが始まる」っていう、そのお披露目ライブを目撃する気持ちで当日は野音に向かおうと思っていて。
ハルカ ああ、そっか。
──ちょっと、今は2人とも思い詰めてる感じがするけど、もっとフラットに、新たな産声を思いっきり上げてやる場だと思った方がいいんじゃないかなって。
ハルカ 怖いものなしみたいな気分で、ってことですか?
──そう。
ハルカ ああ、でも、「デビューライブのつもりで」って言われて、なんかすごくしっくりきました。そうかもしれないですね。
──まぁ、それはそれで緊張はするだろうけど(笑)。
ハルカ そうですね(笑)。でも、せっかくの大きな舞台だし、思う存分やりたいと思います(笑)。
ミユキ 楽しみにしててください!
ハルカトミユキ フリーライブ ‘ひとり×3000’
- 2015年10月3日(土)東京都 日比谷野外大音楽堂
OPEN 17:15 / START 18:00
- ミニアルバム「LIFE」 / 2015年9月30日発売 / Sony Music Associated Records
- ミニアルバム「LIFE」
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 4860円 / AICL-2962~3
- 通常盤 [CD] / 2160円 / AICL-2964
CD収録曲
- 肯定する
- 宇宙(そら)を泳ぐ舟
- 春の雨
- COPY
- All I want
- September
- 火の鳥
初回限定盤DVD収録内容
ハルカトミユキ ワンマンライブ 2015 '世界'
2015.06.19 at LIQUIDROOM
- 世界
- バッドエンドの続きを
- ヨーグルト・ホリック
- 未成年
- マゼンタ
- 春の雨
- 君はまだ知らない
- 流星
- COPY
- その日がきたら
- 嘘ツキ
- 振り出しに戻る
- tonight
- ニュートンの林檎
- マネキン
- プラスチック・メトロ
- 青い夜更け
- ドライアイス
- Vanilla
ハルカトミユキ
立教大学の音楽サークルで知り合った1989年生まれのハルカ(Vo, G)とミユキ(Key, Cho)による2人組バンド。ライブを中心とした活動を展開し、2012年11月に初の全国流通音源「虚言者が夜明けを告げる。僕達が、いつまでも黙っていると思うな。」をリリース。静謐さと激しさをあわせ持つサウンド、刺激的な歌詞で大きな注目を集め、iTunes Storeが選ぶ2013年期待の新人アーティスト「ニューアーティスト2013」にも選ばれる。2013年3月、2作目のCD「真夜中の言葉は青い毒になり、鈍る世界にヒヤリと刺さる。」をリリース。同年11月にソニー・ミュージックアソシエイテッドレコーズよりメジャーデビューアルバム「シアノタイプ」を発表し、2014年には3作目「そんなことどうだっていい、この歌を君が好きだと言ってくれたら。」を発表し、2015年1月からは毎月新曲を配信で発表している。そして同年4月、初めてのミニアルバム「世界」をリリース。9月30日に新作ミニアルバム「LIFE」をリリースし、10月3日には東京・日比谷野外大音楽堂にてフリーライブを開催する。