舞台で鍛えられた歌をライブで

──前回のライブが一夜限りというのはもったいないなあと思っていたのですが、今回のシングルリリースに合わせて、同じメンバーが集まるライブが決定しました（参照：花澤香菜、新曲「大丈夫」披露するコンサートに佐橋佳幸ら豪華メンバー再集結）。

そうなんです。佐橋さんは今、山下達郎さんのツアーが始まったばっかりなので（参照：山下達郎、24都市49公演の全国ホールツアー）、すごく大変な時期にお願いしちゃいましたけど。

──前回はバンドメンバーの皆さんも本当に楽しそうでしたよね。

はい。声優のライブで演奏するのは皆さんほぼ初めてだったんですけど、打ち上げのときに「こんなにホームな感じで受け入れてもらえるなんて思ってなかった」っておっしゃってました。「もう恋」の演奏では「学生時代のコピーバンドに戻った気持ちだった」って（笑）。また皆さんと集まれるのは楽しみですね。あのあと舞台で歌い続けていたら、レコーディングのとき佐橋さんに「ちょっと声の出し方が変わってきてるよ」って言われたんです。けっこう鍛えられているかもしれないので、ライブが俄然楽しみになってきました。

──ご自身でその変化した部分はわかります？

お芝居では、感情が本当に高ぶったとき、自分の心情を吐露する形で歌が出てくる仕組みになっているので、普段アーティストとして歌うときとは感覚が違うんです。

──同じ歌でも感情の乗せ方が違う舞台での経験を経て、変化が出てきたかもしれないと。

はい。レコーディングでは佐橋さんが「ここはもっと表情を付けて」とか「少しセリフっぽく」とアイデアを出してくださいますけど、それをより大きく見せるのが舞台での歌で。ライブは自分でどう歌うと決めるよりも、みんなの情熱みたいなものを感じながら、自分のその波に乗っていくみたいな感じなので、どっちも鍛えたらもっといいライブができるんじゃないかなと思うんです。

花澤香菜の“夏”と言えば……

──佐橋さんとの出会いによって、花澤さんの音楽に対する可能性や幅がまた大きく広がっているように感じます。花澤さんご自身は、ここからどのように広げていきたいと思っていますか？

今まで積み重ねてきたものも守りながら、またいろんな方と出会って刺激を受けていけたらなと思います。「大丈夫」は、アニメの世界観を意識したタイアップ曲でもこんなに自分が歌いたいこと、伝えたいことが表現できたことがうれしくて。しかもそれが毎週聴いてもらえるということが、本当に自分の中でも特別なんです。もっといろんな人に音楽を聴いてもらえる機会が増えたらいいなと思います。

──コンサートは9月頭に2本ありますけど、そう言えば夏場のコンサートは初？

初めてです。アルバムは誕生日の2月にあわせてリリースすることが多くて、ツアーもその頃だったりするので。

──確かに、花澤さんはあまり夏のイメージがないんですよね。

夏も好きなんですけどね。最近は汗をかくのが気持ちよくなってきて。昨日は1日空き時間があったので、ずーっと1人で外をお散歩してました（笑）。すごく暑かったんですけど「夏、楽しいなー」って。

──夏と言って思い出すものは？

サマーランドですかね。学生時代はよく友達とサマーランドに行ってました。バッタリ初恋の男の子に会っちゃったりして「ハッ、水着！ 恥ずかしい！」みたいな（笑）。あと、すごく動いたあとのそうめんがおいしい（笑）。暑いという苦しみがあるからこその楽しみがありますよね。

──夏のコンサートを終えたその先についても、すでに考えているのでしょうか。

はい。いろいろと企てています（笑）。企ててますよー。超楽しいです。早く話したい！（笑）