音楽ナタリー Power Push - GRANRODEO

「鉄血のオルフェンズ」の先に見た「少年の果て」

GRANRODEOがニューシングル「少年の果て」をリリースした。このシングルの表題曲は現在放送中のテレビアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の第2期エンディング主題歌。ハードにアップリフティングだった、これまでの彼らのシングル曲とは打って変わって、哀切漂うメロディと歌詞を聴かせるハードロックバラードに仕上がっている。「ガンダム」シリーズというビッグタイトルを前に、KISHOW(Vo)、e-ZUKA(G)は何を思ったのか。その真相に迫った。

取材・文 / 成松哲 ライブ写真撮影 / 平野タカシ、M.キセキ

やるべきことはやるから、進むべき道は決めてくれ

──お二人は夏にワンシーズンのうちに14公演あるツアーを回って、9月には「イナズマロック フェス 2016」(9月17日)、テーマソングを担当した「文豪ストレイドッグス」のステージイベント(9月18日)、そして11周年記念単独公演「GRANRODEO LIVE 2016 G11 ROCK☆SHOW -TRECAN ▶◉◀ PARTY-」(9月19日)という3連戦を敢行して……(参照:GRANRODEO、怒濤の演出と“ウソのないキレイごと”で飾った「G11 ROCK☆SHOW」)。

「GRANRODEO LIVE 2016 G11 ROCK☆SHOW -TRECAN ▶◉◀ PARTY-」

KISHOW(Vo) 「イナズマロック フェス」が滋賀で、「文豪ストレイドッグス」のイベントが八王子で、しかも2回まわし。そして「G11」が代々木第一体育館ですからねえ(笑)。

──けっこうな強行軍ですよね(笑)。しかもさらにはこの11月にシングル「少年の果て」をリリースする。つまり今お話したスケジュール中、レコーディングをしていたわけですよね。

e-ZUKA(G) そうなりますね。ツアー中、しかも1~2週間くらいしか制作期間のない中、作ってました(笑)。

──今、そうやって多少以上にタイトなスケジュールを課せられてでも前進を続ける攻めの姿勢を見せる理由ってなんなんでしょう?

KISHOW 実は我々が「こうしたい、ああしたい」って言ってるわけじゃないんですよ。

──以前もそうおっしゃってましたよね(参照:GRANRODEO「カルマとラビリンス」インタビュー)。

KISHOW うん。カッコよく言うと「オレたちはやることはやるから、その姿を見て、スタッフがGRANRODEOのやるべきことを決めてくれ」っていう態度でやっているので「アイツらならツアーを回って『イナズマ』から『G11』の3連チャンもきっちりモノにしてくれるな」って思ってもらってるんだろうな、っていう気がするし、それはやっぱりうれしいですよね。スタッフがやる気になってくれてる、スタッフがGRANRODEOに期待してくれてるっていう指針になるわけだから。今回のガンダムのタイアップもすごくうれしかったです。

改めて知った「ガンダム」のブランドパワー

──その「『ガンダム』のタイアップ」について思うところは? 当然、これまでお二人がテーマソングを担当してきた「黒子のバスケ」だってビッグタイトルではあるんだけど、「ガンダム」は“歴史”という重み付けもなされたタイトルなわけで。

GRANRODEO「少年の果て」初回限定盤ジャケット

KISHOW 正直な話をしてしまうと、そこまで責任や重圧を背負っている感覚はないんですよ。でもGRANRODEOとしていつか「ガンダム」というブランドを背負ってみたいっていう、野心というかチャレンジ精神はありましたね。しかもナタリーさんなんかもそうだけど、いろんなメディアが「GRANRODEOと『ガンダム』のタイアップが決まった」っていうニュースを出してくれたら、周りの反響もいつもと違いましたし。「えっ!? 『ガンダム』決まったの?」「おめでとう!」って。それで「やっぱり『ガンダム』ってスゲーなあ」って再確認できたっていうのが、今の正直な心境ですね。あとGRANRODEOとしてアニメのエンディングテーマを担当するのはホントに何年かぶりだから、そっちについて思うところ、考えるところはあります。

e-ZUKA うん。「『ガンダム』か、スゴいなあ」っていう思いはあったけど、それ以上にエンディングであることのほうが気になってました。2007年に「鋼鉄ジーグ」っていうアニメに「HEAVEN」っていうエンディングテーマを提供しているんだけど、あの曲はオープニングテーマみたいな曲。アニメの最後を華々しく飾るっていう感じの曲だったんだけど、今回は「オープニングがSPYAIRのガンガンくるようなロックだから、エンディングはミドルテンポで」っていうオーダーをいただいていたので。「前向きではあるんだけど、どこか切なくて、テンポ感はスローからミドルの曲」っていう話になったとき、「さてどうしよう?」ってなったんですよね。

ニューシングル「少年の果て」 / 2016年11月23日発売 / Lantis
初回限定盤 [CD+DVD] / 1944円 / LACM-34555
通常盤 [CD] / 1404円 / LACM-14555
CD収録曲
  1. 少年の果て
  2. 名も無き日々
  3. HARD DRIVING MIDNIGHT
  4. 少年の果て(OFF VOCAL)
  5. 名も無き日々(OFF VOCAL)
  6. HARD DRIVING MIDNIGHT(OFF VOCAL)
初回限定盤DVD収録内容
  • 少年の果て(Music Clip)
ニューアルバム「Pierrot Dancin'」2017年2月8日発売 / Lantis
「Pierrot Dancin'」
GRANRODEO LIVE TOUR 2017
  • 2017年5月20日(土)北海道 Zepp Sapporo
  • 2017年5月21日(日)北海道 Zepp Sapporo
  • 2017年6月9日(金)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2017年6月10日(土)東京都 Zepp DiverCity TOKYO
  • 2017年6月17日(土)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2017年6月18日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2017年6月24日(土)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2017年6月25日(日)広島県 BLUE LIVE HIROSHIMA
  • 2017年7月1日(土)宮城県 仙台PIT
  • 2017年7月2日(日)宮城県 仙台PIT
  • 2017年7月8日(土)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2017年7月9日(日)大阪府 Zepp Osaka Bayside
  • 2017年7月16日(日)愛知県 Zepp Nagoya
  • 2017年7月17日(月)愛知県 Zepp Nagoya
GRANRODEO(グランロデオ)

ボーカリストのKISHOW(谷山紀章)とギタリストのe-ZUKA(飯塚昌明)からなるユニット。2005年結成。同年11月、アニメ「IGPX」のオープニングテーマ「Go For It!」でデビュー。声優としても活躍するKISHOWの表現力豊かなハイトーンボーカルと、e-ZUKAによるハードロックマナーに則ったヘヴィでメロディアスな楽曲群で人気を博す。以来コンスタントにリリースを重ねる一方で、2010年には東京・日本武道館で結成5周年記念ライブを実施。その後も神奈川・横浜アリーナ、大阪・大阪城ホール、埼玉・さいたまスーパーアリーナなどホール、アリーナクラスでのワンマンライブを敢行し、「Animelo Summer Live」などの大型フェスではヘッドライナークラスのポジションを確立する。2015年9月にはデビュー10周年記念ベストアルバム「DECADE OF GR」を発表した。また10月には千葉・幕張メッセ 国際展示場1-3ホールにてユニット結成10周年を記念した2DAYSライブイベント「GRANRODEO LIVE 2015 G10 ROCK☆SHOW」を開催した。また2016年には4月にテレビアニメ「文豪ストレイドッグス」のオープニング主題歌「TRASH CANDY」を、そして11月にはテレビアニメ「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」の第2期エンディング主題歌「少年の果て」を発表。2017年2月には、通算7枚目となるアルバム「Pierrot Dancin'」をリリースし、5月からは、GRANRODEO LIVE TOUR 2017 を開催する。