音楽ナタリー PowerPush -go!go!vanillas

目指すは普遍的音楽 メジャー街道を疾走中

大切なのは音楽を楽しむこと

──牧さんのその意識はバンド全体で共有されてたんですか?

牧達弥(Vo, G)

 そこもいろいろあったんですよね。自分の中には「これがやりたい」っていう感覚があったんだけど、それを4人でやるわけじゃないですか。そこで大事なのは、音楽を楽しむことだと思ったんですよね。作品を作るっていう堅い感じではなくて、とにかく音楽を楽しもうって。でも、それがなかなか難しかったんですよ。

長谷川 そうだね。

 前のドラムのときは、ライブでもうまくかみ合わなかったし……。それが変わったのは、セイヤが入ってからなんです。セイヤは感情をストレートに出すし、音楽に対してすごいマジメなんですよ。僕は複雑に考えてしまうことがあって、それがときにはよくない方向に行ってしまうというか。でも、セイヤが加入してからは、ライブのときにいろいろと考えるのは止めることにしたんです。そうすると自然に笑顔になるし、自分たちもノレるし。そのうちにお客さんも「なんだか楽しそう」って感じで前のほうにきてくれるようになって。そこからですね、状況が変わってきたのは。

日常の中にある幸せを歌いたい

──「Magic Number」も全体を通して、めちゃくちゃ明るくてポジティブですよね。それはきっと、メンバーのキャラクターとも重なってるんでしょうね。

長谷川 ただ、歌ってる内容は“どハッピー”というわけでもなくて。そこは牧の“アマノジャク感”というか、性格が如実に出てるんじゃないかなって。

 ハッピーな歌っていうのは、別に自分たちが幸せだってことではなくて、「そうなりたい」という願望だったりすると思うんですよ。悲しいことがあったり、辛い思いをするのは当たり前だし、むしろ、そっちのほうが多いじゃないですか。極端なことを言うと、誰でもいつかは死ぬし。

──間違いないですね。

 確かにつらいことはいっぱいあるんだけど、その中にある少ない幸せにしがみつくっていう。そのほうが生きてる実感があると思うんですね。だからこそ僕らは“ハッピーになりたい”っていう願望を歌いたいんです。そういう歌って、今は少ないと思うんですよ。瞬間的な明るさか、「つらいよ、マジで」のどっちかに偏ってるというか。そうじゃなくて、日常の中にある幸せを歌いたい気持ちもあるし。

ここからもっと自由に

──アルバムの最後に収録されている「ティーンネイジャーズノイズ」には「ネバーエンディングストーリーさ まだまだこんなもんじゃない」というフレーズがあります。「Magic Number」をリリースしたあと、go!go!vanillasの次の目標地点はどこですか?

 このアルバムを作るためにめちゃくちゃエネルギーを消費したし、制作が終わった瞬間は「もう無理!」ってなったんです、実は(笑)。でも、今は次に向かって進み始めていて……。この後もライブを続けていくので、そこで新たなテーマが生まれると思うんですよね。ビクターからリリースさせてもらうことで、より多くの人に聴いてもらえると思うし、もっと大きなステージの出させてもらえるチャンスもあるだろうし。そこに立ったときに、浮かんでくる曲もあるだろうなって。1000人キャパのステージを経験した後も、「あの場所でグッとくる曲って、どういうものだろう?」って考えるようになりましたからね。

──このまま活動を続ければ、自然と次にやるべきことが見えてくるはずだと。

 そうですね。あと、ロックンロールに固執するつもりもなくて。ロックンロールバンドというスタイルが大好きだから、それを使って自分たちのやりたい曲をやりたいな、と。

宮川怜也(G)

長谷川 さっきもちょっと話に出ましたけど、ルーツミュージックがあれば、どんどんつながっていけると思うんですよ。そこには時代や国も関係ないと思うし。言い方を変えれば、もっともっと自分たちのルーツ、好きな音楽に正直になっていいんじゃないかなって。そのことを意識して作った最初のアルバムが「Magic Number」なんですよね。ここからもっと自由に広げていかないといけないし、今、牧が「ロックンロールに固執しない」って言ったのは、そういうことだと思うんですよね。日々、いろんなものを吸収して、それを自由に打ち出す。それはここから死ぬまで続くテーマですね。

 うん。今の時代って、すごく柔軟性があるし、マナーやジャンルもなくなってるじゃないですか。だから、もっと自由にやっていいんじゃないかなって。

宮川 今は全部、牧が曲を書いてるんですけど、次はほかのメンバーも曲や歌詞を書くこともあるかもしれないし。そういう相乗効果が生まれれば、もっとよくなると思うんですよね。

長谷川 今思ったんですけど、最近、自分もコーラスするのが楽しくなってるんですよ。そこも広げていきたいですね。

 コーラスがカッコいいバンドって、いいですからね。みんなで歌うっていうのが、次の課題かも。

セイヤ 僕も歌います!

ビクターのシンボル犬・ニッパーとじゃれるメンバー。
ニューアルバム「Magic Number」/ 2014年11月5日発売 / Getting Better
「LIGHT」
初回限定盤 [CD+DVD] 3240円 / VIZL-734
通常盤 [CD] 2700円 / VICL-64209
CD収録曲
  1. セルバ
  2. エマ
  3. マジック
  4. トワイライト
  5. オリエント(新録バージョン)
  6. 春眠
  7. サマータイムブルー
  8. ドアー
  9. ホラーショー
  10. ライクアマウンテン
  11. ティーンネイジャーズノイズ
初回限定盤DVD収録内容

インディーズ最後のワンマン“8/20=バニラの日”のライブ映像5曲

2014年8月20日「エマージェンシーパーティー」新宿red cloth ワンマンライブ映像

  • アクロス ザ ユニバーシティ
  • ハイテンション
  • エマ
  • 人間讃歌
  • オリエント
初回限定盤には“マジックナンバー”封入
  1. 「Magic Number」Tour 東名阪公演チケット抽選最終先行予約に使用可能(11月16日まで)。
  2. 最新デモ音源“マジックトラック”(タイトル未定)WEB試聴用パスワードとして使用可能(12月31日まで)。

※“マジックトラック”はgo!go!vanillasが制作している新曲のデモ音源で、制作途中段階の“スケッチ”の状態にあたるもの。新曲として改めて発表される予定。

インストアレコーディングイベント
「Rock! On! バニラズ」
  • 2014年11月29日(土)東京都 タワーレコード渋谷店
  • 2014年12月5日(金)大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店

※“マジックトラック”のレコーディングイベント。詳細はオフィシャルサイトで確認を。

「Magic Number」Tour 2014
  • 2014年11月17日(月)埼玉県 Livehouse KYARA
    <出演者>go!go!vanillas / 忘れらんねえよ
  • 2014年11月19日(水)新潟県 CLUB RIVERST
    <出演者>go!go!vanillas / 忘れらんねえよ
  • 2014年11月21日(金)岩手県 Club Change WAVE
    <出演者>go!go!vanillas / フラワーカンパニーズ
  • 2014年11月22日(土)宮城県 PARK SQUAREA
    ※ワンマンライブ
  • 2014年11月24日(月・祝) 北海道 BESSIE HALL
    <出演者>go!go!vanillas / Drop's
  • 2014年11月28日(金)長野県 長野CLUB JUNKBOX
    <出演者>go!go!vanillas / POLYSICS / THE NEATBEATS
  • 2014年12月6日(土)香川県 DIME
    <出演者>go!go!vanillas / ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN
  • 2014年12月7日(日)岡山県 PEPPER LAND
    <出演者>go!go!vanillas / ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ドラマチックアラスカ
  • 2014年12月9日(火)広島県 CAVE-BE
    <出演者>go!go!vanillas / ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ドラマチックアラスカ
  • 2014年12月11日(木)長崎県 DRUM Be-7
    <出演者>go!go!vanillas / 空想委員会 / LEGO BIG MORL
  • 2014年12月13日(土)大分県 DRUM Be-0
    <出演者>go!go!vanillas / 空想委員会 / LEGO BIG MORL
  • 2014年12月14日(日)福岡県 DRUM Be-1
    <出演者>go!go!vanillas / 空想委員会 / LEGO BIG MORL
  • 2015年1月9日(金)愛知県 APOLLO BASE
    ※ワンマンライブ
  • 2015年1月10日(土)大阪府 Shangri-La
    ※ワンマンライブ
  • 2015年1月16日(金)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
    ※ワンマンライブ
go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)

牧達弥(Vo, G)、宮川怜也(G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)による4人組バンド。どこかノスタルジックで心地よいメロディ、骨太なバンドサウンドが魅力。2013年1月に7inchシングル「人間讃歌 / アクロス ザ ユニバーシティ」を、同年7月に1stアルバム「SHAKE」をSEEZ RECORDSよりリリースする。2014年2~3月にはスペースシャワーTVが企画するライブツアー「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」に参加し注目を集める。また2月に2000枚限定シングル「オリエント / ホラーショー」を発表し完売させる。8月にはタワーレコード限定シングル「エマ」を発表。11月5日にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりメジャーデビューアルバム「Magic Number」をリリース。