音楽ナタリー PowerPush -go!go!vanillas
目指すは普遍的音楽 メジャー街道を疾走中
それぞれのルーツミュージック
──アレックス・ターナーはロックアイコンとしての存在感もありますからね。皆さんのルーツはやはり洋楽なんですよね?
牧 そうですね。一番大きいルーツは、やっぱりThe Beatlesかな。一時期、The Beatlesしか聴いてないこともあったくらいなんで。入口はThe Libertinesだったんですけど。
──お、そうなんですね。でも、The Libertinesがデビューした頃って……何歳くらいでした?
牧 1st(「Up The Bracket」邦題:リバティーンズ宣言)が出た頃は小学生だったと思います。僕がThe Libertinesに出会ったのは中3なんですけど、そのときは解散してたから。でも、「なんじゃこのカッコいいバンドは!?」って衝撃を受けて。
長谷川 僕と牧は出身が九州の大分なんで、だいたい10年くらい遅れて入ってくるんですよ(笑)。
──今の時代にそんなことないでしょ(笑)。
長谷川 ホントですって! 中3、高1くらいで音楽に目覚めたんですけど、そのときに聴いてたのがガレージロックリバイバルのバンドで。でも、それはリアルタイムじゃなかったんですよね。
牧 5年くらい遅れてたね。
──まあ、THE BAWDIESのメンバーがThe Sonicsを聴いて「すごいバンドが登場した!」と思ったのに比べたら、だいぶタイムラグが少ないですが(笑)。
牧 確かに(笑)。でも、地元が田舎っていうのはデカいんですよ。流行とかわからないから、自分でカッコいいと思うものを探すしかないんで。東京にいたら、何が流行ってるかすぐにわかるじゃないですか。The Libertinesを聴いたときも「ヤバいバンドが出てきた!」と思ったし。でも、ルーツがあれば、どんどんつながっていくんですよね。1990年代に活躍したバンド……例えばThe Stone Roses、Blur、Primal Screamもそうじゃないですか。
──そうですね。セイヤさんはもちろん、ギターウルフですよね?
セイヤ はい(笑)。初めてギターウルフのライブを見たのが小4ですからね。親父がロック好きで、ライブにも連れていかれて。その影響はあると思います。
──真夏のフェスでも革ジャンですしね。
セイヤ それがロックの正装なので(笑)。
牧 今の時代では絶滅危惧種ですよね。トキみたいに保護されるかどうかは、僕らとセイヤのがんばり次第かな(笑)。
長谷川 最近、お客さんの中で革ジャンを着てる人も増えてるんですよ。
牧 そうそう。しかもオシャレなブランドの革ジャンじゃなくて、ガチでロックなヤツね。
長谷川 そういうのもうれしいですよね。“みんなで一緒に”って流行を追ってる感じではなくて、ホントにカッコいいと思って着てるんだろうなって。
セイヤ ルーツということで言えば、BLANKEY JET CITYやTHEE MICHELLE GUN ELEPHANT、JUN SKY WALKER(S)もそうなんですよ。
牧 僕はそこを通ってないんですよね。でも、ミッシェルのメンバーの皆さんが好きなバンドは聴いてるし、そこでつながってるというか。
──宮川さんはどうですか?
宮川 最初はOasisですね。知ったのは「Dig Out Your Soul」が出たときなんですけど、そのときに「ミュージックステーション」に出たんですね。リアム(・ギャラガー)が頭にタンバリンを乗せて出てきて、それがめちゃくちゃカッコよくて。「これがロックンロールか!」って思ったし、そこからいろいろつながって。
模倣ではなく個性を
──Oasisももちろん、明確なルーツミュージックをベースに持つバンドですからね。自分たちの好きな音楽を日本のバンドシーンに受け入れられる楽曲としてアウトプットするまでには、かなり試行錯誤があったと思うんですが。
牧 そうですね。何度も失敗と反省があり、こうやってバンドを続けているというか。昔はホントに洋楽至上主義みたいなところがあったんですよ。英語詞で歌ってたし、何かの模倣のような曲もあったので。でも、そういう曲をライブでやっても、弱いんですよね。そのうちに「こういうことを続けてもダメだな」と思うようになって……。そのときに出会ったのが、1970年代のフォークだったり、日本のロック創成期のバンドだったんです。それはThe Beatlesと同じようにまったく古さを感じなかったし、真剣に音楽と向き合ってることが感じられて、自分の中にズバッと入ってきたんですよね。
──牧さんの音楽観とも合致するものがあった?
牧 そうですね。僕はかなりヒネくれてるところがあるというか(笑)、流行ってるものに対して「ダセえな」って思っちゃうところがあったんですよ。昔のバンドもそうだった気がするんですよね。アイドル的なバンドが人気になっている時期に「ロックはそういうもんじゃない」と思って活動してたんじゃないかなって。類は友を呼ぶというか、そこにすごく共感したんです。それからですね、自分が好きな洋楽の感じと日本語の歌を混ぜてみようと思ったのは。もちろん、誰かのマネになっちゃいけないんですけど。
長谷川 そこもロックンロールの魔法というか、面白いところだと思うんですよ。ルーツが似ていても、同じような感じの曲でも、やる人が違えば全然違う曲になるっていう。
牧 それが一番出るのは歌詞だと思うんですよね。あとは声。これは自分だけのものだし、ほかの人とは絶対に違うので。その時期から、ライブも変わってきたんですよ。毎回が勝負だと思ったし、周りのバンドも意識するようになったので。
次のページ » 大切なのは音楽を楽しむこと
- ニューアルバム「Magic Number」/ 2014年11月5日発売 / Getting Better
- 「LIGHT」
- 初回限定盤 [CD+DVD] 3240円 / VIZL-734
- 通常盤 [CD] 2700円 / VICL-64209
CD収録曲
- セルバ
- エマ
- マジック
- トワイライト
- オリエント(新録バージョン)
- 春眠
- サマータイムブルー
- ドアー
- ホラーショー
- ライクアマウンテン
- ティーンネイジャーズノイズ
初回限定盤DVD収録内容
インディーズ最後のワンマン“8/20=バニラの日”のライブ映像5曲
2014年8月20日「エマージェンシーパーティー」新宿red cloth ワンマンライブ映像
- アクロス ザ ユニバーシティ
- ハイテンション
- エマ
- 人間讃歌
- オリエント
初回限定盤には“マジックナンバー”封入
- 「Magic Number」Tour 東名阪公演チケット抽選最終先行予約に使用可能(11月16日まで)。
- 最新デモ音源“マジックトラック”(タイトル未定)WEB試聴用パスワードとして使用可能(12月31日まで)。
※“マジックトラック”はgo!go!vanillasが制作している新曲のデモ音源で、制作途中段階の“スケッチ”の状態にあたるもの。新曲として改めて発表される予定。
インストアレコーディングイベント
「Rock! On! バニラズ」
- 2014年11月29日(土)東京都 タワーレコード渋谷店
- 2014年12月5日(金)大阪府 タワーレコード梅田NU茶屋町店
※“マジックトラック”のレコーディングイベント。詳細はオフィシャルサイトで確認を。
「Magic Number」Tour 2014
- 2014年11月17日(月)埼玉県 Livehouse KYARA
<出演者>go!go!vanillas / 忘れらんねえよ - 2014年11月19日(水)新潟県 CLUB RIVERST
<出演者>go!go!vanillas / 忘れらんねえよ - 2014年11月21日(金)岩手県 Club Change WAVE
<出演者>go!go!vanillas / フラワーカンパニーズ - 2014年11月22日(土)宮城県 PARK SQUAREA
※ワンマンライブ - 2014年11月24日(月・祝) 北海道 BESSIE HALL
<出演者>go!go!vanillas / Drop's - 2014年11月28日(金)長野県 長野CLUB JUNKBOX
<出演者>go!go!vanillas / POLYSICS / THE NEATBEATS - 2014年12月6日(土)香川県 DIME
<出演者>go!go!vanillas / ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN - 2014年12月7日(日)岡山県 PEPPER LAND
<出演者>go!go!vanillas / ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ドラマチックアラスカ - 2014年12月9日(火)広島県 CAVE-BE
<出演者>go!go!vanillas / ザ50回転ズ / LAMP IN TERREN / ドラマチックアラスカ - 2014年12月11日(木)長崎県 DRUM Be-7
<出演者>go!go!vanillas / 空想委員会 / LEGO BIG MORL - 2014年12月13日(土)大分県 DRUM Be-0
<出演者>go!go!vanillas / 空想委員会 / LEGO BIG MORL - 2014年12月14日(日)福岡県 DRUM Be-1
<出演者>go!go!vanillas / 空想委員会 / LEGO BIG MORL - 2015年1月9日(金)愛知県 APOLLO BASE
※ワンマンライブ - 2015年1月10日(土)大阪府 Shangri-La
※ワンマンライブ - 2015年1月16日(金)東京都 渋谷CLUB QUATTRO
※ワンマンライブ
go!go!vanillas(ゴーゴーバニラズ)
牧達弥(Vo, G)、宮川怜也(G)、長谷川プリティ敬祐(B)、ジェットセイヤ(Dr)による4人組バンド。どこかノスタルジックで心地よいメロディ、骨太なバンドサウンドが魅力。2013年1月に7inchシングル「人間讃歌 / アクロス ザ ユニバーシティ」を、同年7月に1stアルバム「SHAKE」をSEEZ RECORDSよりリリースする。2014年2~3月にはスペースシャワーTVが企画するライブツアー「スペースシャワー列伝 JAPAN TOUR」に参加し注目を集める。また2月に2000枚限定シングル「オリエント / ホラーショー」を発表し完売させる。8月にはタワーレコード限定シングル「エマ」を発表。11月5日にビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterよりメジャーデビューアルバム「Magic Number」をリリース。