the pillowsの再現ライブで泣いた
──そして、「NO DEMOCRACY」のCD+DVD仕様には、25周年イヤーの一環で実施された「HEAVY GAUGE」ツアーの映像を収めたDVDが付属します。
あのツアーはノスタルジーに浸るわけじゃないけど、20年前の自分と今の自分を比較しながらやってましたね。プレイ面や精神面も違ったし、ファンの人たちの質も変わったし。20年前は、ライブに来てる人たちが俺たちの音楽が好きなのかどうなのか、ただ人気のある人たちを一目見たいっていう感じで来てるんじゃないかと思いながら演奏してたところがあったんです。でも、今ライブに来てくれる人たちは、純粋にGLAYの音楽が好きだと思ってくれる人たちが全然多いと思ってるので、そういったことを意識してベースを弾いてました。
──JIROさんは、20年前の「HEAVY GAUGE」ツアーのときに脱退を考えたとおっしゃってましたが、再現ツアーをしたことで過去の思いが昇華された部分はありましたか?
昇華というのはないかなあ。20年も経ってるので「あの曲をやるとつらい」という感情はすでにないんです。演奏しながら、「当時ってあんなことがあったよな」と思い出すことはありますけど引きずってはいないんです。
──つかぬことを伺うのですが、どうして「HEAVY GAUGE」の再現ツアーを開催することになったんですか?
もともとTAKUROが言い出したんです。20年前のツアーにはファンもメンバーもあんまりいい思い出がないから、もう1回やって、いい思い出になるよう変換させたいと。その話が出る直前に、たまたま俺もthe pillowsの「RUNNERS HIGH」と「HAPPY BIVOUAC」の再現ツアーを観に行って、むちゃくちゃ感動して泣いたんです。ライブの次の日にスタジオに入って「the pillowsの再現ライブを観たんだけどすごくよかったから、俺らもやろうよ」とメンバーに言ったら、TAKUROから「HEAVY GAUGE」の再現ツアーを考えてると言われたんです。
──再現ツアーって、やっている側もですが、観ているほうも感じるものがありますよね。自分の記憶と思い出を重ね合わせたりして。
そうですね。やってる側としては、セットリストがバレたバレないとか気にしないでいいのが楽です(笑)。
──今後も再現ツアーをする気持ちは?
あります!
──楽しみにしています。11月に始まる「HOTEL GLAY」の構想は進んでいますか?
ええ。メットライフ公演が終わった翌日に考え始めました。いいテンションのまま考えちゃおうと思って、2日間パソコンとにらめっこして、メットライフのアンケートも見てセットリストを考えました。メットライフ公演の3日後にはメンバーにプレゼンしてましたね。
──演出面も固まっているんですか?
そこはHISASHIが考えているので、楽しいことになるんじゃないでしょうか(笑)。
25年前の自分へ「おたくのリーダーは真面目だぞ」
──デビュー25周年にちなんでお聞きしたいのですが、25年前の自分に言葉をかけるとしたらどんな言葉をかけますか?
デビューから2年くらいは、バンドというものは長く続くものじゃないと思ってたので、「今、一生懸命がんばろう」と思ってたんです。GLAYをステップに次の道に進めたらいいなとリアルに考えていたんですよ。なので、当時の自分には「そんなことは考えなくても、おたくのリーダー(TAKURO)ががんばって未来のことを考えてくれるよ。おたくのリーダーは真面目だぞ」と言いますかね(笑)。
──デビュー20周年のタイミングでお話をお伺いしたときに「20周年だけどそれほど感慨はない」とおっしゃっていたのですが、25周年を迎えた今もあまりないですか?
いや、あります。この5年間の変化は大きかったですね。俺たちも大人になって、ファンの人たちも大人になって、ちょっと下の世代だったら産休とかでGLAYを“お休み”してて……5年前は今ほどそういうことがなかった。それで“お休み”していた人たちが、ひさしぶりにライブに来て、「GLAYを聴いたらあの頃と変わってなくてよかった」と言ってくれたりして。ファンのみんなには、ただ感謝しかないなと思うようになりました。10年後になったら「みんながんばって生きていこう」とか「お互い健康には気を付けて」とか言うようになるんでしょうね(笑)。
──アニバーサリーイヤーに際してGLAYは7つの公約を掲げていましたが、JIROさん個人としてバンドに対する公約はありますか?
真面目に答えると「ライブを飛ばさないようにがんばります」かな。何があるかわからないので、気を抜かないように。大きなライブがあると弾けすぎたり、飲みすぎたりするので、そのあたりをちゃんと気を付けたいと思います(笑)。
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