TAKUROのジャズ経験が生きた「愁いのPrisoner」
──TAKUROさん作詞・作曲の「愁いのPrisoner」の話も聞かせてください。この曲の一部は函館ライブで冒頭のフレーズだけ披露されていて、そこだけ聴いたときにメロウな曲なのかなと思ったんです。でも、曲全体を聴くとさりげなく転調が入っていて、爽快なフレーズもあるし印象が変わりました。
TERU ああ、そういう曲調かもね。TAKUROから歌入りのデモをもらって、それを聴きながら僕が歌を差し替えていく作業をしたんですけど、歌いながら「ひさびさにGLAYの王道が来たな」っていう感覚はありました。1990年代後半から2000年代前半の曲作りの手法を意識してるのかなと。転調を入れることによる展開の面白さを考えてるのが感じられて。TAKUROがソロでやってるジャズライブの経験を、GLAYの曲にスパイスとして入れていってるんでしょうね。
JIRO 俺は転調がさりげなさすぎて、最初に聴いたときにわかんなかったんですよ(笑)。昔はあからさまに転調する曲が多くて、個人的にはすごく弾きづらいなあと思ったのは覚えてるんですけど。1曲の中に2曲が合体してるみたいな感じで、自分の体に曲をなじませるのにすごく時間が必要だし、90年代の頃はTAKUROがそういう曲を持ってきたときに「好きだ」とは言えないことがあった。でも「愁いのPrisoner」に関しては自然な転調具合と言うか。今、TERUが話してるの聞いて「なるほどな」と思ったんだけど、TAKUROはジャズをやることで、うまい転調の仕方みたいなものを勉強してるのかもしれないです。
──TAKUROさんは、過去の作曲手法をなぞらえながらも進化していると。
TERU はい。でもね、歌うと難しい転調なんですよ(笑)。自分の今まで歌ってきたことのない展開でもあるので、歌ってて面白いですね。「愁いのPrisoner」はコーラスを付けるのも大変で。サビ前に転調するので、きれいにハマるハモリをTAKUROと2人でずっと探って。
──結成30周年を迎えたGLAYでも試行錯誤することがあるんですね。
TERU ええ。まだまだ落ち着かない(笑)。
JIRO やってるこっちは面白がってますけどね。
──歌詞は、過去の恋愛を振り返っての思い、40代ならではの哀切みたいなものがつづられています。TERUさんはこの歌詞をどう解釈されました?
TERU いやー、歌詞を読んだときに、TAKUROは幸せなはずなんですけどねーって(笑)。まあ、TAKUROの目線で今の社会とか世界に対して思うことを恋愛に置き換えて歌詞にしたのかなと考えながら歌いました。
2019年は派手に活動します!
──さて、2019年にGLAYはデビュー25周年を迎えます。
JIRO 2019年か……俺、今現在、頭の中が明日レコーディングする曲のフレーズでいっぱいで。2019年のことよりも、11月下旬にスタートするライブツアーのことも考えられてないです(笑)。
TERU わはは(笑)。
JIRO そう言えば、ラジオのリスナーから「TERUさんから『2019年はみんなには散財させるぞ。覚悟しとけよ』って言われました」って報告が来たんだけど、実際どうなの?
TERU たぶん来年は活動的にも派手になるんじゃないかな。でも、ついこの間20周年迎えたばかりのところ、21年目、22年目もその延長線上で意外と忙しい日々を送ってて。
JIRO 僕らの事務所GLAYしかいないんで、休めるわけがないんです。
──確かにGLAYって活動休止したことないですね。
JIRO ほかの社員さんたちが苦労しないためにも、TERUさんがんばってよ。
TERU じゃあ「2019年はがんばります!」って書いといてください(笑)。
──精力的に活動される、と解釈して楽しみにしてます。今年結成30周年を迎え、来年デビュー25周年の節目ですが、お二人としてはまだ道の途上という感覚なんですか? それともここまでよくやってきたという感覚ですか?
TERU うーん、まだ途上ですね。前から話しているように、ファンクラブの30周年ライブをイタリアのベネチアで開催する夢があるので、俺の中ではそこをがんばんなきゃという思いもあって。
──もう25周年の先を見てると。
TERU そうなんです。
JIRO 一方で、俺は明日のことしか見てないけど(笑)。
──お二人とも真逆ですよね。目の前のことに注力するJIROさん、ひたすら未来に向かっていくTERUさん……それぞれ視点が違うからこそうまくバランスが取れている気がします。逆にJIROさんが未来のことを話し始めたら、何があったのか心配になると思います。
JIRO そうなったときは、突然変異で血液型が変わったんだろうと思ってください(笑)。
- GLAY「愁いのPrisoner / YOUR SONG」
- 2018年11月14日発売 / LSG
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[CD+DVD] 2160円
PCCN-00031 -
[CD] 1296円
PCCN-00032
- CD収録曲
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- 愁いのPrisoner(セブン-イレブンタイアップ曲)
- YOUR SONG(スペシャルオリンピックス日本公式応援ソング)
- 彼女の“Modern…” feat. EXILE NESMITH(from LUNATIC FEST. 2018)
- 誘惑 feat. SUGIZO(from LUNATIC FEST. 2018)
- FATE(from LUNATIC FEST. 2018)
- 君が見つめた海(from GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)
- YOUR SONG(from GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)
- DVD収録内容
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- 愁いのPrisoner(Music Video)
- YOUR SONG(Music Video)
- GLAY MAKING MOVIE of MUSIC VIDEO in LOS ANGELES
- サバイバル(from LUNATIC FEST. 2018)
- BELOVED feat. EXILE TAKAHIRO(from LUNATIC FEST. 2018)
- SHUTTER SPEEDSのテーマ feat.明希(from LUNATIC FEST. 2018)
- GLAY(グレイ)
- 北海道函館市出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には千葉・幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催し、有料の単独ライブとしては世界最多観客動員を記録する。2000年に入ってからも数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」(現:LSG)を設立。メジャーデビュー20周年となる2014年は、9月に宮城・ひとめぼれスタジアム宮城にて単独ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」を行い、11月にオリジナルアルバム「MUSIC LIFE」をリリースした。2015年には5月に10年ぶりとなる東京・東京ドーム公演を2日間にわたって開催。2017年7月に2年半ぶりとなるニューアルバム「SUMMERDELICS」をリリース。9月末から「GLAY ARENA TOUR 2017“SUMMERDELICS”」と題した全国ツアーを開催し、11月にニューシングル「WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~」を発表。2018年8月に2度目となる地元函館での野外ワンマンライブ「GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3」を行い5万人を動員した。11月にシングル「愁いのPrisoner / YOUR SONG」をリリース。
TAKURO & HISASHI コメント
TAKURO(G)
HISASHI(G)
収録曲もバラエティに富んだ選曲となっています。