今年8月に故郷・函館で2度目となる野外ライブ「GLAY × HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT vol.3」を行った彼ら。ニューシングルには同ライブで初披露したTERU(Vo)作詞・作曲の「YOUR SONG」と、TAKUROが作詞・作曲を手がけた「愁いのPrisoner」のほか、函館ライブおよび「LUNATIC FEST. 2018」のライブ音源が収められている。
「YOUR SONG」「愁いのPrisoner」はいずれも今年に入って制作された楽曲で、現在のGLAYのモードやサウンドが表現されたナンバーと言える。函館での大型ライブを成功に終えた彼らは、今、何を見据えて活動しているのか。TERUとJIRO(B)に話を聞いた。また特集の最後にはTAKURO(G)とHISASHI(G)のコメントも掲載している。
取材・文 / 中野明子 撮影 / Shin Ishikawa(Sketch)
「ついに函館山を見てもらいながらライブができた」
──8月に開催された函館での野外ライブ(参照:「この景色を見せたかった」GLAY、函館愛を叫び歌った5万人動員の凱旋ライブ)の話からお伺いしたいのですが、豪雨に見舞われた第1回から一転して天気に恵まれました。
TERU(Vo) はい、ついに。5年前のライブに比べると環境がよかったですね。2日目は終演と共に雨が降りましたけど、ライブ中に僕らが見せたかった函館の空を見てもらえたので大満足です。
──リベンジ達成という感じですか?
TERU ええ。1日目のJIROのMCですごく記憶に残ってるものがあって。曇り空から太陽の光が差し込む瞬間があったんですよ。そのときに「太陽ってこんなにありがたいものなんだね」って言ってたのが印象的でした。
JIRO(B) JIROのMCって言うから、てっきり俺が太陽が出てきたときに「おい、TERUー!」って叫んだことだと思った(笑)。
──ちなみにJIROさん的にはどんな場面が印象的でしたか?
JIRO 僕も初日なんですけど、下手の花道のほうに移動していったらスタッフが慌てて消火活動してたことかな。
──え!? 全然気付きませんでした。
JIRO たぶん何かが燃えちゃったんでしょうね。何事もなかったし、俺もベースを弾き続けていたんだけど、これがド新人の頃だったら慌てて演奏間違えてただろうなと。だから経験ってすごいなと思って。
──余裕を持ちながらパフォーマンスをしていたと。
JIRO はい。それと、たくさんの人たちの協力があってできるんだなというのを前回以上に実感しながらライブできましたね。今回はちょうど台風20号が接近してて、ファンの人たちは「今ホントに行っても大丈夫なんだろうか」って不安を抱えながら来てくれたと思うんですよ。そんな中で集まってくれたりして、いろんなことに感謝しながらライブできた感じがします。過去の経験からある程度のことは想定できるんですけど、天候だけはどうにもならないんで……。
──確かに。先ほどTERUさんがおっしゃってましたけど、両日共、ステージの後ろに函館山がきれいに見えて。WOWOWで放送された映像を見返したんですが壮観な景色でした。
TERU 僕らは18歳まで函館山を見ながら育ってきてたので、あんまりありがたみは感じてなかったんです。でも、大人になってからなかなか函館に帰れない時期もあって、やっと函館でライブができるようになってから「あ、この函館山って函館の象徴なんだな」って思うようになったんです。だから、今回、函館山をステージから見た瞬間に感動しましたね。「ついに函館山を見てもらいながらライブができた」って。
どうやったらファンの子たちに楽しんでもらえるか
──GLAYは函館を舞台にした曲も多いので、ファンの方も実際の景色の中で曲が聴けて楽しかったんじゃないでしょうか。2回目を終えた今、改めて発見したこと、見えた課題などはありますか?
JIRO んー、TERUはある?
TERU ライブ自体と言うよりは、環境をもっと整えたいなとは思いました。2万5000人が集まったときに、ホテルとか交通手段が函館市内では十分に確保できなくて、北海道のほかの地域に泊まってもらうしかなかったから。僕らとしてはライブだけじゃなくて函館をのんびり楽しんでほしいというのも函館でライブをするテーマの1つなので、動員が2万5000人じゃなくてもいいんじゃないかと思ったり。例えば1日あたり1万5000人動員するライブを3日間やるとか。
JIRO なるほどね。
TERU そういう形もあるのかなって思ったんです。
──パフォーマンス的な部分での課題はありましたか?
TERU パフォーマンスはね、もうなんの心配もないんです。ライブはやっぱり楽しいものだし、JIROが自分たちにとっても新鮮味のあるセットリストを考えてくれるので。だから、ファンの子たちに楽しんでもらえるような環境をどうやって作っていったらいいのかってことのほうを考えちゃいますね。
JIRO 僕らだけじゃなくて、協力してくれるスタッフや地元の人たちも第1回のあとで「こういった対応をしていけばいいんだな」ってスキルが身に付いてよくなったと思うので、次にやるときはもっとスムーズに運営していけると思うんです。なので、函館での野外ライブは継続していきたいですね。
TERU うん。1999年に20万人動員する「GLAY EXPO」をやってから、野外でのGLAY流のライブを研究しながらやってきているので、回数を重ねる中でみんなが楽しめる環境を作れたらなと思います。
──今後も継続していきたいということは、ライブ中のMCでメンバー全員が話されていましたもんね。
TERU ファンの方もなんかうれしいみたい。GLAYが函館でライブをするのが。
──やってる側としてホーム感みたいなものはありますか?
JIRO うーん。ホーム感って言うか、ファンの人たちが函館という場所でGLAYを観れてることに対してワクワクしている感じが目に飛び込んでくるので、それを見てるだけで楽しいんです。それだけで時間があっと言う間に過ぎちゃう。
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とにかく明るい照彦
- GLAY「愁いのPrisoner / YOUR SONG」
- 2018年11月14日発売 / LSG
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[CD+DVD] 2160円
PCCN-00031 -
[CD] 1296円
PCCN-00032
- CD収録曲
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- 愁いのPrisoner(セブン-イレブンタイアップ曲)
- YOUR SONG(スペシャルオリンピックス日本公式応援ソング)
- 彼女の“Modern…” feat. EXILE NESMITH(from LUNATIC FEST. 2018)
- 誘惑 feat. SUGIZO(from LUNATIC FEST. 2018)
- FATE(from LUNATIC FEST. 2018)
- 君が見つめた海(from GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)
- YOUR SONG(from GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3)
- DVD収録内容
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- 愁いのPrisoner(Music Video)
- YOUR SONG(Music Video)
- GLAY MAKING MOVIE of MUSIC VIDEO in LOS ANGELES
- サバイバル(from LUNATIC FEST. 2018)
- BELOVED feat. EXILE TAKAHIRO(from LUNATIC FEST. 2018)
- SHUTTER SPEEDSのテーマ feat.明希(from LUNATIC FEST. 2018)
- GLAY(グレイ)
- 北海道函館市出身の4人組ロックバンド。TAKURO(G)とTERU(Vo)を中心に1988年から活動を開始し、1989年にHISASHI(G)が、1992年にJIRO(B)が加入して現在の体制となった。1994年にシングル「RAIN」でメジャーデビュー。1996年にはシングル「グロリアス」「BELOVED」が立て続けにヒットし、1997年に「HOWEVER」がミリオンセールスを記録したことでトップバンドの仲間入りを果たす。1999年7月には千葉・幕張メッセ駐車場特設会場にて20万人を動員するライブ「MAKUHARI MESSE 10TH ANNIVERSARY GLAY EXPO '99 SURVIVAL」を開催し、有料の単独ライブとしては世界最多観客動員を記録する。2000年に入ってからも数多くのヒット曲やヒットアルバムを生み出し、2010年4月には自主レーベル「loversoul music & associates」(現:LSG)を設立。メジャーデビュー20周年となる2014年は、9月に宮城・ひとめぼれスタジアム宮城にて単独ライブ「GLAY EXPO 2014 TOHOKU」を行い、11月にオリジナルアルバム「MUSIC LIFE」をリリースした。2015年には5月に10年ぶりとなる東京・東京ドーム公演を2日間にわたって開催。2017年7月に2年半ぶりとなるニューアルバム「SUMMERDELICS」をリリース。9月末から「GLAY ARENA TOUR 2017“SUMMERDELICS”」と題した全国ツアーを開催し、11月にニューシングル「WINTERDELICS.EP~あなたといきてゆく~」を発表。2018年8月に2度目となる地元函館での野外ワンマンライブ「GLAY x HOKKAIDO 150 GLORIOUS MILLION DOLLAR NIGHT Vol.3」を行い5万人を動員した。11月にシングル「愁いのPrisoner / YOUR SONG」をリリース。