ギャンパレ×渡辺淳之介×大森靖子=無理無理きもい
──「無理無理きもい」は作詞がJxSxK(渡辺淳之介の作家名義)、作曲が大森靖子さんという異色タッグですね。
ユア 一度聴いたら忘れられないインパクトのある、味わい深い曲です。歌詞が先行してあって、そこに大森さんが曲を当てはめるという作り方でした。大森さんとギャンパレの組み合わせって、想像できない方が多いと思うんですけど、サビのフレーズとメロディの中毒性が特にすごいです。お二人のワードセンスとメロディセンスのすごさを改めて思い知り、リスペクトが増しました。
──アルバムの中でも異色なので、ライブでどう組み込むのか気になります。
マイカ MCしたあとに「無理無理きもい」ってタイトルコールするとどうなるんでしょうね? MCの内容を工夫して、うまく曲につなげたいなって思います。
アイナスター TikTokとかでもなじみがよさそうな歌詞とメロディなので、ギャンパレを知らない人、例えば若い女の子とかが曲先行でギャンパレを知ってもらえるきっかけになったらうれしいな。
ユア ギャンパレは意志強めの歌詞が多いんです。宣言ソングというかスタンスを歌うみたいな。でもこの曲はいろんな捉え方ができるからこそ、ギャンパレの違った一面が見せられるような気がします。
マイカ 歌詞に「掃除したくない」ってフレーズがあるんですけど、かなり前に渡辺さんに「お前らスタジオの掃除を全然してないだろ」って2時間くらい怒られたことがあって。まだ根に持たれてるのかな(笑)。
キラ・メイ そのフレーズ、最初に目についた(笑)。
マイカ 今はしっかり掃除してるし、鏡もピカピカにしています! 掃除機も、クイックルワイパーも、雑巾も使います!
イナ戦との深い絆
──THE イナズマ戦隊は、人気曲となっている「ROCKを止めるな!!」に続いて、今作では「ヘイ!ホー!最高じゃん!」を提供しました。前回はギャンパレの決意を感じる内容でしたが、今回はもっと開けた印象です。
キラ・メイ 遊び場っぽいですよね。「ROCKを止めるな!!」はメンバー同士で鼓舞し合うイメージで作詞してくださった曲でしたが、この曲は遊び人も巻き込んで、楽しくやってこうぜっていう雰囲気。「聡明健美な遊び場だ 立派な大人が大騒ぎ」ってフレーズからもわかるように、ライブで大騒ぎする図が浮かびます。
ユア 上中丈弥さんをはじめ、イナ戦さんはリリースイベントにも来てくださったこともあって。
ココ 2023年にライブナタリーさんの企画でイナ戦さんと初めて対バンした大阪の日以降、この1、2年で本当に兄貴といいますか、私たちのお兄さんみたいにうちらのことを思って話しかけてくださっていて。「ROCKを止めるな!!」のときよりもさらに関係性を築いたからこそ生まれたのが「ヘイ!ホー!最高じゃん!」だなって。
──私もこの数年の2組の関わりを熱心な遊び人と同じように目の当たりにしてきましたが、この明るいタイトルでさえ素敵な関係性が見えて、グッとくるものがあります。
ココ 私たちもそうです。遊び人も「歌詞を見るだけで感動して泣ける」って。そんなこと言われたら私たちも泣いちゃうよ(笑)。
──ギャンパレとイナ戦の関係は本当にエモーショナルですよね。去年の夏に川崎で開催されたツーマンでは、「33歳」の曲中の光景が、遊び人もイナ戦ファンも肩を組んで盛り上がっていて最高でした。
マイカ 遊び人もめっちゃ泣いてましたよね。忘れられない光景。
チャンベイビー TikTokに上がってるから今でも観てます。
──「ヘイ!ホー!最高じゃん!」は歌いやすかったんじゃないですか?
月ノ めっちゃ歌いやすかったです! イナ戦さんの音楽が私たちのDNAに刻まれている感じもあれば、J-POPのよさが詰まったわかりやすい曲でもあるので。自分が幼い頃から聴いてきた音楽のようなキャッチーさを感じられるのもすごくいいなって。
ディスコ!と言えばthe telephones
──「Symphony」はナルハさん、マイカさん、ココさん、ドクソンさんと作曲を手がけた鈴木裕哉さんが作詞でクレジットされていますね。
ココ メインの歌詞はナルハが書いたものです。
ナルハ はい。サビを含む多くの部分で私の歌詞を採用していただいています。いただいたテーマが春っぽさとか、がむしゃらにがんばる女の子で。春っぽさをイメージして書きました。
マイカ 私たちの名前もクレジットされてるけど、実際にはナルハ with 私たちってくらい本当に少しなので、長い名前をフルで載せていただくには申し訳ないくらい(笑)。
ナルハ 早口のところとか、三三七拍子のところの歌詞は、作曲してくださった鈴木さんが書いてますね。
ココ 王道アイドルソングっぽい感じで、アルバムの中でも新鮮なテイストの曲になってますね。
──「Gang Gang Disco」はタイトルからしてわかりやすいですが、the telephonesの提供曲ですね。
ココ 本当にナタリーさんのおかげです。対バンイベントを組んでいただいたので、この曲もほかの曲もいろいろ実現して。ナタリーさんがいなかったらこのアルバムは完成しなかったかもしれません(笑)。
月ノ ね。このアルバムのスペシャルサンクスと言えるくらいにお世話になっております。
──感覚的な話ですが、ギャンパレの対バンシリーズはライブを観た方々の満足度がとても高いと思いました。
マイカ 遊び人も、今回の楽曲提供を喜んでいる人がとても多かったですね。
ユア 私は「UKFC」(音楽レーベルUK.PROJECTによるライブイベント)でthe telephonesさんのライブをめっちゃ観ていたので、今回の楽曲提供が夢のようです。the telephonesさんのライブって、曲を知らなかったり歌詞がわからなかったりしても、その場の空気自体がもう楽しいし、仲間たちとワイワイできますよね。私たちが作る遊び場もそれを目指している部分もあるから、「Gang Gang Disco」で大騒ぎできたらいいなって。
──改めて豪華なアルバムですね。
ユア KEYTALKさんもいれば、超能力戦士ドリアンさんもいるし、J-ROCKシーンを築いた方々や次世代の方々の音楽にも触れられる、そんなアルバムですね。
草野華余子から受け取ったパワー
──「Doubters」は作詞が草野華余子さんとGANG PARADEの共作名義でした。作曲も手がけた草野華余子さんから何かテーマの提示はあったんですか?
マイカ 草野さんからは「信じるな、疑え」というテーマをいただきました。そのテーマをもとにメンバーが歌詞やフレーズを提出して、完成しました。
──草野さんの楽曲からは、毎回ものすごい熱量を感じます。実際、お会いしてもそうなんですか?
ココ パワーがすごいです!
ユア ホントに! 生きるパワーがみなぎってる。私たちと知り合ってから、まだ数回会っただけなのに、こんなにも私たちのことを思ってくれて、それを楽曲に落とし込めるパワーってどこから来るんだろうと思うくらいの大きな、温かい愛を感じます。
マイカ 普段から私たちのSNSをチェックしてくださったり、歌詞を仕上げる前にライブも観に来てくださったりしていて。しかもその感想を長文で送ってくださるんです。
ユア 誤解を恐れずに言えば、作家さんがライブを観て、感想を送る行為にはお金が発生しないわけです。本当に熱量を持って、ご好意でそういったことをしてくださる。人の温かさをひしひしと感じる方とお仕事ができることが本当にうれしくて、離れたくないです(笑)。これからも一緒にお仕事をしたいなって。
ドクソン ちなみに草野さんはピラティスにもジムにも通って、ランニングも続けてると話してました!
ユア ストイックで生命力が強い!
──仕事で関わる人の熱量が高いということは、遊び人も負けじとグループへの熱量が高いんだろうなと思いますが、最近はどうですか? 一度は離れていたけどまた現場に戻ってきた遊び人もいるんでしょうか?
ココ 対バンイベントとかをきっかけに、実家に帰ってきたような感覚で現場にひさびさに来てくれる人はいますね。
ユア そう。ツアーでは3、4年ぶりに地方住みの子たちと再会できた、なんてこともありました。GO TO THE BEDSとPARADISESに分裂していた時期はコロナ禍だったから追えなかった、という人たちとも最近になってまた再会できたりして。
完全再現ライブに向けて
──7月4日にはSpotify O-WESTで「GANG RISE」の完全再現ライブが開催されます。
ココ アルバムの完全再現ライブというのはこれまでにやったことのない試みなので、新鮮な気持ちでいます。ギャンパレの新しい曲たちだけでもすごくバラエティ豊かですし、面白いライブになること間違いなしだと思います。
ドクソン 耳の中で聴いてたものが目の前で繰り広げられるってワクワクしますね!
公演情報
THE GANG PARADE RISES(Major 3rd Album「GANG RISE」完全再現ライブ)
2025年7月4日(金)東京都 Spotify O-WEST
プロフィール
GANG PARADE(ギャングパレード)
「みんなの遊び場」をコンセプトに活動する、ヤママチミキ、ユメノユア、キャン・GP・マイカ、ココ・パーティン・ココ、ユイ・ガ・ドクソン、月ノウサギ、キラ・メイ、キャ・ノン、チャンベイビー、ナルハワールド、アイナスターの11人からなるアイドルグループ。2014年に結成された前身ユニットから2度の改名とメンバーの増減を経て、2019年4月にワーナーミュージック・ジャパンからメジャーデビュー。その後グループの分裂やメンバーの加入・脱退を経て、2022年5月より13人体制での活動がスタートした。2023年5月には、メジャー2ndアルバム「OUR PARADE」をリリースし、オリコン/ビルボードで週間1位を獲得。9月からはGANG PARADE史上最大規模の全国ツアーを開催し、全国12都市13公演を完遂した。2024年1月には4年8カ月ぶり、再始動後初となる東京・日比谷公園大音楽堂(日比谷野音)での単独ライブのチケットを完売させた。同年11月に東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)で行われたワンマンライブ「TO BE BORN」をもってテラシマユウカが脱退。12月に11人体制でニューシングル「Sparkling Moon / グッドラック・マイフューチャー」をリリースした。2025年4月から全国ツアー「GANG RISE TOUR」を行い、6月にメジャー3rdアルバム「GANG RISE」をリリース。7月に同アルバムの完全再現ライブを、8月にバンド編成ライブ「GANG PARADE with GANG BOYZ presents『THE GANG PARADE RISES Z』」を開催。8月31日には神奈川・横浜赤レンガ倉庫で自身最大規模の野外ワンマンライブ「狂遊」を行う。
GANG PARADE official (@GANG_PARADE) | X