ファンキー加藤|「頑張れ、みんな!」覚悟を決めた男の魂の叫び

肩の力を抜いたからミラクルが起きました

ファンキー加藤

──シングルにも収録されていた「40」は、Bメロでラップパートじゃないにもかかわらず韻を踏んでいます。そしてサビは泣きのメロディに40歳を迎えたことをカッコつけずに歌った歌詞、しかもライブでシンガロングできるパートもきちんとあるし、まったく隙がない構成になっています。

言われてみれば、確かにファンキー加藤の武器がこれでもかと詰まってますよね。五角形チャートで表すと、全項目高評価かもしれない。

──なので、今さら言ってもしょうがないんですけど、なんでこれを表題曲にしなかったのかと。

はははは!(笑) まあ、表題曲じゃないからこそできた部分もありますよ。肩の力を抜いたからミラクル起きました、みたいな。

──なるほど、それはありそうですね。最後の「夢のカケラ feat. ファンキー加藤 & ベリーグッドマン(SC Remix) / SPICY CHOCOLATE」は映画のエンドロールを観ているような気持ちになれる曲ですね。

まさに余韻を楽しんでもらいたくて最後に入れました。もともとSPICY CHOCOLATEさんの作品としてリリースされたんですけど、「F」ではちょっとリミックスさせてもらったバージョンになっています。まあボーナストラックみたいな感じですね。

あれ? ちゃんといいもんできてるな?

──アルバムが完成してみて、いかがですか。

1曲1曲をすごく大事に作れたなって。アルバムをリリースできること自体、正直10年前は当たり前のように思ってしまっていたところもあったけど、今はそうじゃない。ちゃんと盤で出せるありがたみを噛み締めながら、注意深く「ここは間違ってないか」「どこが一番正解に近いか」って愛情を注いで作りました。なんか、制作中に「あれ? ちゃんといいもんできてるな?」みたいな感覚があったんですよ。

──でしょうね。本当にいい作品になったと思います。

ありがとうございます! 周りのスタッフさんからもいつになく好評で、今回も胸を張って「ファンキー加藤のニューアルバムです」と言えるものになったなと。

──そんな自信作のリリース後は、ライブハウスツアーとホールツアーがありますね。内容は変わるんですか?

やっぱりライブハウスのほうが尺的にギュッとなるでしょうね。濃縮したものを一気に爆発させるようなライブをやりたい。ホールはもっと演出面で遊んでみたいです。

──「OUR MIC FES」のような主催企画は今後もやっていくんでしょうか。

もちろん続けようと思ってますよ。ただ毎年だとちょっと大変だし、具体的な予定は全然ないんです。「OUR MIC FES」に出てくれたみんなは“OUR MICファミリー”って名乗ってくれて、お互いのイベントに呼び合ったり、いい相乗効果も生まれていて。これは続けていくべきイベントだなと強く思ってますね。

バットを一番長く持ってフルスイング

──これは余談なんですけど、オシャレなバンドや尖ったアーティストが数多く活躍している昨今、飾らない直球勝負のスタイルを貫くことに迷いなどはないですか?

実はね、社長と2人でご飯を食べてるとき、「今の俺、もうどうしようもなくオールドスクールっすよね」「どんどん若くてカッコいい奴らが出てきて、アリーナ公演をやってたり。すげえ取り残されてるんすよね」って弱音を吐いたことがあるんですよ。そしたら社長が「うん、そうだな。お前は完全にオールドスクールだ」って。

ファンキー加藤

──あらら(笑)。

慰めてほしかったのに、思いっきり認めやがった(笑)。でも「じゃあお前、バンドやるか?」と言われて。それで「いや、バンドは違う」「じゃあどうするんだ」「……このまま、突き進んでいくしかないっす」「そうだろ? お前はもう、生き恥さらしながらファンキー加藤であり続けるしかないんだよ」という話をしたんです。

──おおー。

別に、そこで何かが自分の中で変わったとかではないんですよ。でもそうやって言ってくれる社長やファンの方々、スタッフさんがいるのはありがたいですよね。俺は1人じゃない。どんなに逆風を受けてもゼロではないし、ちゃんと積み重ねてきたものがある。若い奴らに対しては「すげえなあ」とか「かなわないな」って感じることもあるんですけど、一方で「サシで対バンやらせてみろ、負けねえぞ」みたいな思いもあるんですよ。自信を喪失したわけではないので。

──加藤さんはあくまで“ファンキー加藤の音楽”をやり続けていくと。

それはもう! 虎視眈々とじゃないけど、常に考えていることです。バットを短く持たず、大振りでいきたいですよね。速すぎて見えない球とか、見たことないような変化球も来ますけど、目をつぶってでもバットは一番長く持って、フルスイングし続けていかなきゃいけないと思ってますよ。

ツアー情報

ファンキー加藤 ライブツアー “F”

ライブハウスツアー

  • 2020年4月11日(土)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠(※延期)
  • 2020年4月18日(土)高知県 X-pt.
  • 2020年4月19日(日)広島県 広島セカンド・クラッチ
  • 2020年4月25日(土)兵庫県 神戸VARIT.
  • 2020年4月26日(日)京都府 KYOTO MUSE
  • 2020年5月9日(土)鹿児島県 CAPARVO HALL
  • 2020年5月10日(日)福岡県 DRUM LOGOS
  • 2020年5月16日(土)長野県 Sound Hall a.C
  • 2020年5月17日(日)新潟県 GOLDEN PIGS RED STAGE
  • 2020年5月23日(土)北海道 CASINO DRIVE
  • 2020年5月24日(日)北海道 帯広MEGA STONE
  • 2020年5月30日(土)岩手県 Club Change WAVE
  • 2020年5月31日(日)福島県 clubSONICiwaki
  • 2020年6月6日(土)茨城県 mito LIGHT HOUSE
  • 2020年6月7日(日)栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
  • 2020年6月13日(土)大阪府 umeda TRAD
  • 2020年6月19日(金)東京都 LIQUIDROOM
  • 2020年7月31日(金)静岡県 LiveHouse 浜松 窓枠(※振替公演)

ホールツアー

  • 2020年10月10日(土)埼玉県 さいたま市文化センター 大ホール
  • 2020年10月24日(土)愛知県 名古屋市公会堂
  • 2020年10月31日(土)香川県 サンポートホール高松 大ホール
  • 2020年11月3日(火・祝)宮城県 東京エレクトロンホール宮城
  • 2020年11月15日(日)神奈川県 相模女子大学グリーンホール 大ホール
  • 2020年11月28日(土)岡山県 岡山市民会館
  • 2020年12月5日(土)福井県 越前市文化センター 大ホール
  • 2020年12月26日(土)大阪府 NHK大阪ホール

※公演日程は変更となる場合がございます

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