ナタリー PowerPush - FLOW
合い言葉は“MAX!!!”5人が語る10年の軌跡
今だからできた「ドラゴンボールZ」とのタッグ
──これまでの歴史を振り返るインタビューもいよいよ現在へとたどり着きました。10周年アニバーサリー「FLOW THE MAX !!!」プロジェクトのクライマックスを飾る連続リリース。まずは劇場版「ドラゴンボールZ 神と神」の劇中歌&主題歌を収録したシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」ですが。
KOHSHI 「GO!!!」から始まったアニメとの関わりが、このタイミングでこんなでっかいコラボにたどり着いたっていうのがウソみたいな気がしますよね。
TAKE 9年目じゃなくて10年目に来たお話だっていうのがね、できすぎてるというか(笑)。作品としてはFLOWとしての新しい金字塔ができたんじゃないかなって思ってます。とにかくいい曲にするために“MAX!!!”で向き合って制作することができたので。
──どちらの楽曲も「ドラゴンボールZ」の世界観に寄り添いつつも、しっかりFLOWらしさが詰め込まれている仕上がりですね。
TAKE それもきっと今だからこそできたことのような気がするんですよ。これがデビュー2年目とか3年目とかだったら、楽曲の作り方の手法の少なさや至らなさが絶対にあったと思う。もちろん当時には当時のよさがあるんですけど、ここまでに培ってきたアニメとの親和性があったからこそ生み出せた楽曲だと思いますね。
──映画はもう観ました?
KEIGO はい。大好きな「ドラゴンボールZ」の世界にドップリ浸って観ていたら、いきなり自分たちの曲が流れてきて、一気に現実に引き戻された感じがしましたね(笑)。
KOHSHI そうそう。ぜんぜん落ち着いて観れなかった(笑)。劇場で改めて観たいと思ってます。
TAKE 劇場では5.1chのミックス(※劇場用の音響効果)になっているので、CDとはまた違った音像で楽曲を聴いてもらえます。うしろからシンセの音が飛んで来たりするんでね、映画館でじっくり聴いてみてほしいです。
傘を回してキューン入り!?
──そんなシングルの翌週にはアルバム「FLOW THE MAX !!!」も到着します。FLOWの幅広い音楽性を網羅した、まさに10年分の結晶のような内容だと思いました。
TAKE FLOWの軸は、お客さんと直接交われて、そこでしか味わえない空気を感じることができるライブにこそあると思っているんです。今回は、現場で一緒に楽しめるものにしようっていうことをこの10年の中で一番意識して作った14曲が詰まってます。
KOHSHI 比較的、肩の力を抜いて制作に取り組めたんですけど、そういう中でこれだけいい作品ができたっていうことが自分としてはうれしいっすね。
──それぞれの曲に命題をつけて制作に臨んだそうですね。
TAKE そうなんですよ。この曲は“スピードMAX!!!”、この曲は“哀愁MAX!!!”みたいな感じで、FLOWが持ってるいろんな側面の“MAX!!!”を作ろうっていうのがテーマで。それはね、昨年の夏に行った「FLOW THE MAX!!!」プロジェクトの最初の企画で、5日間で5枚のアルバムの曲を総ざらいするっていうライブをしたことが大きく影響してるんですよね。
──ああ、なるほど。これまでに作り出してきた自分たちの持ち味を再確認することができたわけですね。
TAKE そうそう。改めて10年分のFLOWの曲たちと向き合ったことで、自分たちの得意な部分がしっかり理解できたので、そこを伸ばして“MAX!!!”を目指していった感じですね、それぞれの曲で。
──そういう手法が影響しているのか、過去の楽曲へのオマージュのような雰囲気を感じる瞬間もありましたが。
KOHSHI ああ、こういう取材を受けていると、昔のフレーバーを感じるって言われることは多いですね。歌詞に関しては何も考えてなかったんですけど、意識せずともそういう部分が出せたっていうのはいい手応えとして受け取ってます。
TAKE 「UMBRELLA」はデビュー前のプレゼンライブで傘を回したことへのオマージュですけどね(笑)。
IWASAKI アマチュアのときな。原宿アストロホールで。
──え、どういうことですか?
TAKE 当時「レイニーデイ」っていう曲があったんですよ。それをレコード会社に向けたプレゼンライブでやったときに、歌いながら傘を回したんです。で、その瞬間にレコード会社の人たちが全員、札を下げたっていう(笑)。
KEIGO そこで唯一、札を上げてくれたのが今お世話になっているキューンミュージックだったんですよ。「ほかにいないでしょ、傘回すヤツらなんて」つって(笑)。
KOHSHI 去年行われたキューンミュージック20周年記念イベント「キューン20 イヤーズ&デイズ」に出演したときに、スタッフの人とまさにそのときの話をしてたんですよ。で、“アンブレラ”っていい響きだなと思ったので、それがきっかけで歌詞を書いたんですよね、実は。それを10周年で世に出すっていうのもいいなと思ったので。
TAKE その傘のおかげで今、僕らはここにいるわけですから。
ファンと一緒に10周年のお祝いをしたい
──そして、4月からは47都道府県を一気に巡るロングツアーがスタートします。
KEIGO 「FLOW THE MAX!!!」というスローガンを掲げてここまで来たので、ツアーも“MAX!!!”で回らないとなっていうことで。みんなのところに会いに行くので、一緒に10周年のお祝いをしてもらえたらうれしいですね。
IWASAKI 1本1本全力で向かって行って、最後の48本目、舞浜アンフィシアターではでっかい花火を打ち上げたいなと思ってます。このツアーでしっかりステップアップすることで、次のツアーではより大きくなったFLOWも見せたいですし。
KEIGO うん。僕らにとっては10周年が終着地点ではないですからね。11年目をまたいだツアーにもなっているので、この先も感じてもらえる内容にしたいです。
TAKE デビュー当時は聴いてたけど今は聴いてないとか、曲は知ってるけどライブに来たことがないとか、この10年でちょっとでもFLOWに関わっちゃった人はここで改めて参加してほしいなって思います。「こいつらも10年か。しゃーないから行ってやるか」みたいな感じでいいので(笑)。
GOT'S ぜひ来てください。FLOWのライブに来ればきっと何か変わりますよ!
KEIGO 何? 何が変わるの? 宗教なの?(笑)
──「UMBRELLA」で傘回してくれることに期待してますので。
KOHSHI それはやだなあ。「UMBRELLA」、けっこうシリアスな曲だし(笑)。
- ニューアルバム「FLOW THE MAX!!!」 / 2013年3月27日発売 / Ki/oon Music
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3200円 / KSCL-2217~8
- 通常盤 [CD] / 3059円 / KSCL-2219
CD収録曲
- HERO ~希望の歌~
- ブラックマーケット
- 君自身BAND
- ブレイブルー
- Red Hot Riot
- TOY MACHINE
- Won't you stay
- UMBRELLA
- On my way
- 乾杯アワー
- 休日 ~連休ver.~
- Celebration
- NAME
- CHA-LA HEAD-CHA-LA
初回限定盤DVD収録内容
- ブレイブルー(Music Video)
- HERO ~希望の歌~(Music Video)
- CHA-LA HEAD-CHA-LA(Music Video)
- GO!!!(Live)2012.4.14 Ki/oon20Years and days at LIQUIDROOM ebisu
- ニューシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」 / 2013年3月20日発売 / 1350円 / Ki/oon Music / KSCL-2209
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CD収録曲
- HERO ~希望の歌~
- CHA-LA HEAD-CHA-LA
- RISING DRAGON -DJ DRAGON Remix-
- CHA-LA HEAD-CHA-LA -Official English Ver.-
- HERO ~希望の歌~-Instrumental-
- CHA-LA HEAD-CHA-LA -Instrumental-
- ニューシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」 / 2013年3月20日発売 / 1350円 / Ki/oon Music / KSCL-2209
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「ドラゴンボールZ 神と神」
2013年3月30日全国公開
FLOW(ふろう)
1998年に兄弟であるKOHSHI(Vo)とTAKE(G)が結成したミクスチャーロックバンド。1999年にKEIGO(Vo)とGOT'S(B)、2000年にIWASAKI(Dr)が加入し、現在の編成となる。2003年7月にシングル「ブラスター」でメジャーデビュー。2005年6月にリリースしたシングル「DAYS」がテレビアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のオープニングテーマに起用されて大ヒットし、一躍人気を高める。2008年9月には初の日本武道館ワンマンライブを開催し、大成功を収めた。数々のアニメ主題歌を担当したことから海外でも注目を集め、2010年6月リリースのアルバム「MICROCOSM」は欧米44カ国で発売される。また、2011年7月にフランスで行われた「2011 JAPAN EXPO AWARD」ではアルバム「MICROCOSM」で「最優秀J-MUSICアルバム賞」を受賞した。メジャーデビュー10周年に突入する2012年7月からは「FLOW THE MAX!!!」と銘打ちさまざまな活動を展開。2013年3月にシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」とアルバム「FLOW THE MAX !!!」を発表した。同年4月より47都道府県を回る全国ツアー「FLOW LIVE TOUR 2013 『ツアー THE MAX!!!』」を開催する。