ナタリー PowerPush - FLOW
合い言葉は“MAX!!!”5人が語る10年の軌跡
武道館はまた立ちたい
──2007年4月から2008年9月までは、バンド史上最長のツアー「アイル」を開催。そのファイナルはデビュー5周年を記念した初の日本武道館公演でしたね。
TAKE 日本武道館はもうファンの人に立たせてもらった感じですよね。
KEIGO 間違いないね。バンドとしての意識を高めて活動していく中で、ファンのみんなと一緒に出せた1つの大きな結果だと思う。
KOHSHI プレッシャーと緊張で本編はぜんぜん覚えてないんですけどね(笑)。でも、その後にイベントなんかで武道館には何度か立たせてもらったりもしているので、今度はもうちょっと余裕を持って自分たちのステージを見せられる気はしてて。なのでまたいずれやりたいっすね。
IWASAKI 絶対に5年前とはまた違った景色が見られると思うんで。
──「アイル」ツアーでは47都道府県制覇も達成して。
IWASAKI そうでしたね。三重の松阪で全県制覇を達成して。なかなか行けない場所もあるので、1つやり遂げた感じはありましたよ。
KEIGO インディーズ時代から5、6年かけて達成したことを、今年はワンツアーでやろうとしてるんですけどね(笑)。
運にも人にも恵まれてきた
──2008年以降の5年間は、バンドの力をより確固なものとしつつ、さまざまなことに積極的にトライしてきた印象があります。
IWASAKI そうですね。まずは5人の発信力みたいなものをより強くしようっていう気持ちを持って動いたんですよ。
KOHSHI 具体的に言うとプロデューサーを立てないで、セルフでアルバムを作ろうと。
──2009年リリースのアルバム「#5」からの試みですよね。
TAKE 自分たちだけでやれるところまでやってみようっていうのがすごくいい経験になったと思いますね。
KOHSHI うん。すべてに対して責任感を持って向き合うようになったからね。
KEIGO 俺は個人的に自分の弱点が見え始めてきた時期だったりもしたんですよ。歌に関してもそうだし、ライブの流れやMCなんかにしてもそうで。だからそこを克服して、より向上したいっていう気持ちが強かったんです。で、自分なりにいろいろがんばってみると、周りからいい評価をいただけるようにもなって、それが結果的に自信につながっていったっていう。その繰り返しだった気がしますね。
──活動の中でさまざまなノウハウを確実に手にしてきたとは思うんですけど、FLOWはそこに安穏とあぐらをかくことをよしとしなかったんでしょうね。
KEIGO うん。経験は大切なものではあるけど、そこに頼っているだけじゃ通用しないっていうことがわかったというか。だからこそちゃんと攻めていかないとダメだなって。
IWASAKI メンバー1人ひとりが持ってたそういう気持ちが、後半の5年間をけん引する大きな原動力になってたと思うんですよ。だから初めて自分たちだけで作った「#5」ではFLOWとして思いっきり攻めきることができたと思うんです。で、それがあったからこそ次には「MICROCOSM」っていうコンセプチュアルでメッセージ性の強いアルバムにトライすることもできて。
──こうやって話を聞いていると、FLOWの歴史はそれぞれの出来事が密接に絡み合うひとつなぎのストーリーのような印象を受けますね。
TAKE それはほんとに不思議なんですけど、その時期その時期で必要なものがちゃんとバンドに訪れてくれるんですよね。それはいいこともあるし、KEIGOくんの事故のように悪いこともあるんですけど、結果としてはすべてがバンドの成長につながっていくために必要なものであるっていうかね。そういう意味ではすごく運に恵まれてるバンドだなって思うんですよ。ファンを含めた人とのつながりにもものすごく恵まれてますし。
──まあでもそれはFLOWというバンドが呼び寄せているものなんだと思いますよ。
TAKE そう言ってもらえるとありがたいっすね。
“変わらない5人”が核
──僕はデビュー当時からインタビューをさせてもらってますけど、FLOWほど変わらない人たちってあまり会ったことがないんですよ。もちろんバンドとして、人として大きく成長している部分はありますけど、根本の人柄やメンバー同士の仲のよさとかはこの10年間でまったく変わってないですよね。
KOHSHI そうっすね。っていうか根本の人柄って変わらないものなんじゃないですか、みんな。どうやったら変わるのかがわからない。
GOT'S いやでもさ、いろんなことで変わっちゃう人もいるんじゃない? まとまった金が入ってきたとかさ。
KOHSHI ああ、そういうので変わっちゃう人はいるかもね。でも実際、まとまった金が入ってきてないからさ(笑)。
──あははは(笑)。なんかそういう変わらない感じっていうのも、FLOWが10年間走ってこれた理由のような気がするんですよね。作品ごとに新しい景色を見せてくれますけど、どこかにずっと変わらない安心感があるっていうか。
TAKE 例えばLINKIN PARKなんかは最近、ずっと評価されてた自分たちのスタイルとは180度違うデジタルサウンドを取り入れたりしてましたよね。それもやっぱり根本的なバンドの核があるからこそ支持されるわけで。じゃあFLOWにとっての核はなんなのかっていうと、おっしゃっていただいたようにデビュー前から変わらない5人だっていうことが1つあると思うんです。ずっと変わらないこの5人が音を鳴らせば、それはもう絶対的にFLOW流ミクスチャーロックになるっていう。それはきっとこの先も変わらないことなんだろうなって思うんですよね。
──うんうん。
TAKE 最近、音楽は人だなってよく思うんですよ。人が変われば同じ曲でも聞こえ方がぜんぜん変わるじゃないですか。今回の「CHA-LA HEAD-CHA-LA」もしかりですけど。そういう意味では僕らの10年間は、根本は変わらないながらも“人力(ひとぢから)”を成長させてきた歴史だと思うんです。常に音楽と向き合いながら、そういう時間をここまで過ごせてこれたことがありがたいですし、だからこそできる音楽っていうのがこの先にまだまだあるんじゃないかなって思ってますね。
KOHSHI そうだね。バンドとしても個人としても伸びしろはまだまだあると思うから。
- ニューアルバム「FLOW THE MAX!!!」 / 2013年3月27日発売 / Ki/oon Music
- 初回限定盤 [CD+DVD] / 3200円 / KSCL-2217~8
- 通常盤 [CD] / 3059円 / KSCL-2219
CD収録曲
- HERO ~希望の歌~
- ブラックマーケット
- 君自身BAND
- ブレイブルー
- Red Hot Riot
- TOY MACHINE
- Won't you stay
- UMBRELLA
- On my way
- 乾杯アワー
- 休日 ~連休ver.~
- Celebration
- NAME
- CHA-LA HEAD-CHA-LA
初回限定盤DVD収録内容
- ブレイブルー(Music Video)
- HERO ~希望の歌~(Music Video)
- CHA-LA HEAD-CHA-LA(Music Video)
- GO!!!(Live)2012.4.14 Ki/oon20Years and days at LIQUIDROOM ebisu
- ニューシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」 / 2013年3月20日発売 / 1350円 / Ki/oon Music / KSCL-2209
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CD収録曲
- HERO ~希望の歌~
- CHA-LA HEAD-CHA-LA
- RISING DRAGON -DJ DRAGON Remix-
- CHA-LA HEAD-CHA-LA -Official English Ver.-
- HERO ~希望の歌~-Instrumental-
- CHA-LA HEAD-CHA-LA -Instrumental-
- ニューシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」 / 2013年3月20日発売 / 1350円 / Ki/oon Music / KSCL-2209
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「ドラゴンボールZ 神と神」
2013年3月30日全国公開
FLOW(ふろう)
1998年に兄弟であるKOHSHI(Vo)とTAKE(G)が結成したミクスチャーロックバンド。1999年にKEIGO(Vo)とGOT'S(B)、2000年にIWASAKI(Dr)が加入し、現在の編成となる。2003年7月にシングル「ブラスター」でメジャーデビュー。2005年6月にリリースしたシングル「DAYS」がテレビアニメ「交響詩篇エウレカセブン」のオープニングテーマに起用されて大ヒットし、一躍人気を高める。2008年9月には初の日本武道館ワンマンライブを開催し、大成功を収めた。数々のアニメ主題歌を担当したことから海外でも注目を集め、2010年6月リリースのアルバム「MICROCOSM」は欧米44カ国で発売される。また、2011年7月にフランスで行われた「2011 JAPAN EXPO AWARD」ではアルバム「MICROCOSM」で「最優秀J-MUSICアルバム賞」を受賞した。メジャーデビュー10周年に突入する2012年7月からは「FLOW THE MAX!!!」と銘打ちさまざまな活動を展開。2013年3月にシングル「HERO ~希望の歌~ / CHA-LA HEAD-CHA-LA」とアルバム「FLOW THE MAX !!!」を発表した。同年4月より47都道府県を回る全国ツアー「FLOW LIVE TOUR 2013 『ツアー THE MAX!!!』」を開催する。